こんにちは。
水墨画アーティストの八束徹です。
半夏生(はんげしょうず)とは、
烏柄杓(カラスビシャク)が生えるという意味です。
この記事は歴史が主な内容となっております。
実際の妊娠中の方へ薬をお勧めする記事では
ありませんので、ご注意ください。
半夏(ハンゲ)と呼ばれた草は、
漢方薬の元として、
昔から重宝されてきました。
その用途は、嘔吐、つわりなど。
漢方薬が現在より重宝されていた
江戸時代当時の女性の強さが、
垣間見れる逸話も残っています。
この記事では、その半夏生、
今回描いた水墨画、
について話していきます。
*7月2日から7月6日頃の七十二候は、
夏至末候 半夏生(はんげしょうず)です。
二十四節気では、夏至(げし)。
その夏至を3つに分けたうちの3番目(末候)です。
目次
七十二候・半夏生(はんげしょうず)
女性の小遣い稼ぎ〜ヘソクリの別名
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/08/7.jpg)
カラスビシャクの花は、
漢方薬として活躍していて、
嘔吐、つわりなどに効く薬として
昔から利用されてきました。
その漢方薬としての名を半夏(はんげ)といい、
それがこの「半夏生」の由来となっています。
昔は女性がつわりの薬に使うために
採取したカラスビシャクを
薬として使わずに売り(旦那に黙って)、
こずかいを稼いだことから、
カラスビシャクをヘソクリと呼んだという
逸話もあったりします。
そんなカラスビシャクの花言葉は、
「心落ち着けて」。
ヘソクリが旦那さんにバレないように、
平静を保って!
なんて意味だったらおもしろいですね。
繁殖力旺盛な「雑草」
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/07/1.jpg)
カラスビシャクはこの時期になると、
仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる苞の中に
目立たない花を咲かせます。
その姿が小さい柄杓のように見えるため、
カラスの柄杓という名前になったとか。
カラスビシャクは日本中の
至る所に生える草花で、
花壇や、田畑にも自生し、
時と場合によっては
雑草として扱われています。
漢方薬に使われているのに、
雑草扱いって結構多いです。
例えば、ウツボグサなんかもそうですね。
カラスビシャクは繁殖力が旺盛で、
駆除し切るのは不可能だと
言われているほど。
それでこそ、負けない雑草の姿
なんですけどね。
水墨画で七十二候を描く〜七十二候・半夏生(はんげしょうず)
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2022/07/img_3327-1.jpg)
カラスビシャクは、
仏炎苞(ぶつえんほう)から、
なにやら長いモノがにょろっと
飛び出しています。
仏炎苞とは肉穂花序(にくすいかじょ
(*柄のない花が密集したもの)を
包んでいるものなのですが、
カラスビシャクの場合、
その花序の先端が伸びて
このように仏炎苞から
飛び出しているわけです。
そんなわけで、この絵はまず、
両隈で仏炎苞、茎を一気に描いて、
そのあとで、その「にょろにょろ」と、
葉っぱを描いています。
なんていうか、蛇が舌を出している
みたいな感じですね。
カラスビシャクは繁殖力の強い野草で、
田畑では忌み嫌われ、
鹿児島ではヒャクショウナカセなんて
別名もあるくらいです。
なので立ち位置はいわゆる雑草ですね。
しかし一方では漢方薬として
人を助けているわけですから
関わり方次第というわけでしょうか。
雑草は観賞用の花とは区別されて、
名札もなく、その名すら知られないままです。
なんていうと悲しい話のように
聞こえがちですけど、
もしかしたら自由に生きるには
そのほうが良いのかもしれません。
まとめ
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/07/0.jpg)
今回話したのは、
- 七十二候・半夏生(はんげしょうず)
- 水墨画で描いた半夏生(はんげしょうず)
についてでした。
次の七十二候は、
小暑初候 暑風至(あつかぜいたる)です。
二十四節気は小暑に変わります。