こんにちは。
水墨画アーティストの八束徹です。
菖蒲華(あやめはなさく)とは、
あやめの花が咲くという意味です。
あやめはなさくとはいうものの、
この「菖蒲」という字は、
あやめともしょうぶとも読みます。
ふたつともよく似ていますが、
実は違う花なのです。
この七十二候はどちらの花のことを
言っているのでしょうか。
さらに似たような花、
カキツバタも含めて、
この記事では、
その違いと七十二候・菖蒲華、
今回描いた水墨画、
について話していきます。
*6月26日から7月1日頃の七十二候は、
夏至次候 菖蒲華(あやめはなさく)です。
二十四節気では、夏至(げし)。
その夏至を3つに分けたうちの2番目(次候)です。
目次
七十二候・菖蒲華(あやめはなさく)
あやめとショウブとカキツバタの違い
- 草地に咲く
- 花びらの根元に網目模様がある
- 湿地に咲く
- 花びらの根元が白と黄色。網目模様はない
- 湿地に咲く
- 花びらの根元が白。網目模様はない。
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この記事で話すショウブとは、
花が咲く「ハナショウブ」について。
(ショウブとハナショウブの違いは
下記で説明します。)
あやめもショウブもカキツバタも、
ともにアヤメ科に属する花なのですが、
厳密にはそれぞれ違う花です。
パッと見はほとんど同じなんですけどね。
まず咲く場所ですが、
草地に咲くのがあやめで、
湿地に咲くのがショウブと杜若です。
大きさはあやめが
他の二つと比べて少し小さめです。
一番大きくなるのはショウブです。
見た目でわかりやすいのは、
花びらの根元。
あやめには網目模様があります。
ショウブの場合は白と黄色、
杜若が白色で、
この二つに網目模様はありません。
咲く時期は、早い順に、
あやめ、杜若、ショウブとなります。
ショウブとハナショウブの違い
菖蒲(しょうぶ)は菖蒲の節句の
記事にも書きましたが、
水辺に生える植物のことで、
花ではありません。
ですが、そのしょうぶとは別に、
「ハナショウブ」とも呼ばれる、
花を咲かせる「しょうぶ」があり、
現代では多くの場合、菖蒲といえば
ハナショウブのことを指すようになっています。
さらにややこしいのが、
菖蒲と書いて、「あやめ」とも
「しょうぶ」とも読むため、
この七十二候・菖蒲華は
このよく似た二つの花の
どれのことを言っているのかが
わかりづらくなっていたりします。
ちょうどこの時期に開花するのが
ハナショウブのため、
菖蒲華はハナショウブのことだという説も
実はあったりしますが、
あやめについてのことだという説が
強いため、
この記事ではそれを基準に話しています。
美しい女性の代名詞?いずれあやめか杜若
この3つの花達に関することわざで、
いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)
というものがあります。
これはどちらも似ていてどちらも美しく、
比べようがないという意味です。
主に女性に対して使われるのですが、
そんな美しい数人の女性たちを目の前にした
キザな色男が言いそうなセリフでも
ありますね。
…ありませんか?笑
この世に男と女が存在する限り、
そんなシーンはどの時代にもあるものです。
あやめの花言葉は、
「メッセージ」「嬉しい知らせ」、
杜若では「幸運が訪れる」「高貴」など。
この色男の話にからめると面白いですよね。
果たしてその色男の元に、
そんな花言葉のような
嬉しい知らせは届くのか。
幸運は訪れるのか。
どっちつかずに手を広げた、
誰かさんの胸の鼓動が
聞こえてきそうですね。
【作品紹介】水墨画で七十二候を描く〜菖蒲華(あやめはなさく)
あやめ、しょうぶにかきつばた。
あやめは美しい女性を表現するのに
使われた花のひとつです。
が、
今回描いたのはあやめではなく、
花菖蒲の原型とされる
ノハナショウブと呼ばれる野生の花です。
それが品種改良されたのが花菖蒲であり、
こういった花の品種改良は
江戸時代に流行した文化のひとつでした。
品種改良をしたということは
原型を美しく変えたということであり、
それはまるで
化粧を施して美しくなった
女性のようではありませんか?
その美しい女性に目を奪われる男たち。
いつの時代も変わりませんね。
もちろん私自身も含めて。
それと対になるのが
ノハナショウブ。
決して目立ちませんが、
自然のままの美しさが
そこにあります。
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●絵のサイズ 半紙(F4) 334mm×243mm
●額装について
サイズ – 太子 379mm×288mm
色 – 白
マット色 – 薄藤
*著作権は八束徹に帰属します。
絵のダウンロードや無断転載はお控えください。
まとめ
今回話したのは、
- 七十二候・菖蒲華(あやめはなさく)
- 水墨画で描いた菖蒲華(あやめはなさく)
についてでした。
次の七十二候は、
夏至末候 半夏生(はんげしょうず)です。