こんにちは。
水墨画家の八束徹です。
草木萌動(そうもくめばえいずる)とは、
草木が芽吹き始めるという意味です。
春の雨が土をうるおわせると、
その土の下から小さな草木の芽が
顔を出します。
この記事では、その草木萌動、
そして今回描いた水墨画、
について話していきます。
*2月28日から3月4日頃の七十二候は、
雨水末候・草木萌動(そうもくめばえいずる)です。
二十四節気では雨水(うすい)。
その雨水を3つに分けたうちの3番目(末候)です。
目次
春の草木たち。新しく生まれてくる命|草木萌動(そうもくめばえいずる)

新しく生まれ来る春の草達
雨水の春の雨で柔らいだ土に陽がそそぎ、
新芽がゆっくりと顔を出し始めます。
春は多くのものが生まれる季節。
今回の七十二候は
そんな草木の芽生えがテーマになっています。
恵みの雨に濡れながら空を見上げる新芽が、
湿った地面を彩ります。
一斉に緑に変わる山肌は美しいですよね。
生まれてくる新緑達が、
無邪気に笑いあっているかのようです。
”雑草という名の草はない”
山を降りて、街へ出ると、
舗道の端っこでアスファルトを割って
よいしょよいしょと芽を出した緑は、
時に「雑草」とひとまとめにして扱われ、
無造作に引っこ抜かれたり
除草剤を撒かれたりします。
ある植物学者が、
雑草という名の草はないと言ったそうです。
雑草を引っこ抜きながら
なぜか思い出してしまう言葉です。
水墨画で七十二候を描く|草木萌動(そうもくめばえいずる)

今回は、アスファルトを割って芽生えた
ナズナを描きました。
農作の邪魔だったり、外観を損ねたりして、
人間にとって邪魔だと判断されたものが
雑草と呼ばれるようです。
けれど、ナヅナのように
春の七草に数えられていたり、
カラスビシャクのように
漢方薬に使われていたり、
人が必要としている草もあります。
実際には、はっきりとした
定義はないそうです。



