お彼岸は、死者と再会する日です。
年に二回あるお彼岸ですが、
秋のお彼岸といえば
真っ赤に咲き誇る彼岸花です。
その花はなぜ彼岸花と呼ばれるのか?
そもそもお彼岸詣りはなぜあるのか?
この記事では、
そんな秋のお彼岸にまつわる話を
していきます。
目次
秋のお彼岸について
真っ赤に咲き誇る彼岸花
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/09/img_9592.jpg)
七十二候・玄鳥去(つばめさる)が終わると
二十四節気が白露から
秋分に変わります。
その1日目の秋分の日を中心に、
前後3日間を含めた計7日が、
秋の彼岸の期間です。
秋のお彼岸といえば、
真っ先に思い浮かぶのが、
真っ赤に咲き誇る
彼岸花ではないでしょうか。
春のお彼岸の印象を
薄くするくらい、
強いイメージを持つ赤い花です。
彼岸花は、反り返りながら咲く、
赤く染まった毒性の花です。
ちょうどこの彼岸の時期になると
花を咲かせるので、
彼岸花と呼ばれています。
雨の後に一斉に咲く現象により、
「雨後の彼岸花」という言葉もあります。
別名・曼珠沙華(まんじゅしゃげ)。
曼珠沙華とは、仏教の教えが記された
法華経(ほけきょう)に書かれている、
釈迦が説いた教えに対して
天が降らせたとされる4つの花、
- 蔓陀羅華(まんだらけ)
- 摩訶曼陀羅華(まかまんだらけ)
- 蔓殊沙華(まんじゅしゃげ)
- 摩訶蔓殊沙華(まかまんじゅしゃげ)
から取られた呼び名です。
簡単にいうと、仏教では
ありがたい花として
伝えられているということですね。
人や地域によっては、
彼岸の持つイメージ(=あの世)を避けて、
あえてその呼び方をする場合もあります。
彼岸は三途の川の向こう側のことですから。
ちなみに川のこちら側のことは
此岸(しがん)といいます。
彼岸花が咲き誇る場所に、
亡くなった人の姿を思い浮かべる人も
いるでしょうね。
お彼岸はどちらも、
亡くなったご先祖様や
亡くなった大切な人に会いにいく日。
秋口の肌寒さが
その思い出にも吹き付けて
より彼岸花の存在を
私達の心に残すのかもしれません。
秋の彼岸のお供物
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/09/img_9591.jpg)
太陽が真東から登り、
真西へ沈む春分の日と秋分の日。
仏教ではその両日を、
あの世とこの世が一番近い日
としています。
だから私達はこのお彼岸の期間に、
三途の川を挟んで、
先立った人と再会することができる
というわけです。
お彼岸のお供物は、
秋はお萩、春は牡丹餅。
どちらも同じような食べ物ですが、
お萩は、秋の七草のひとつ萩の花から、
牡丹餅は、春の花である
牡丹からその呼び名とつけられたと
言われています。
材料の小豆も、秋に収穫されたばかりの
小豆は柔らかいためつぶあん、
春になると固くなるため、
皮を剥いて作るこしあんが
使われます。
極楽浄土がどれほど
素晴らしい場所だとしても、
心を込めて作ったお供物が
一番喜んでもらえるはずです。
元気でやってますか?
寂しくはないですか?
川の向こうで暮らすあなたの大切な人は、
その問いかけに、
きっと笑顔で頷いてくれるでしょう。
まとめ
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/09/img_9594.jpg)
今回話したのは、
- 秋の彼岸
についてでした。
秋の風が、真っ赤な彼岸花を
優しく揺らしています。