こんにちは。
水墨画アーティストの八束徹です。
款冬華(ふきのはなさく)とは、
蕗の薹(ふきのとう)が蕾(つぼみ)を出すという意味です。
降り積もった雪を割って、
地上に顔を出すふきのとう。
それはまるで春を待つ人にとって
一筋の希望のようです。
「ふきのはなさく」の「はな」は、
ここでは花ではなくて、華のこと。
フキノトウが雪景色を
華やかにするということです。
この記事では、その款冬華、
そして今回描いた水墨画、
について話していきます。
1月20日から1月24日頃の七十二候は、
大寒初候 款冬華(ふきのはなさく)です。
二十四節気は、大寒(だいかん)に変わります。
その大寒を3つに分けたうちの1番目(初候)です。
目次
雪を割って地上へ。蕗の薹(ふきのとう)が咲かせる華とは?〜款冬華(ふきのはなさく)
雪上のふきのとう。咲くのは花か華やかさか
蕗の薹(ふきのとう)は、フキの花がまだ蕾で、
花が開いていない状態のもののことです。
薹(とう)は花茎のことで、
花のみを付ける茎のこと。
「はなさく」と言っていますが、
実際に花が咲くのはまだ先であり、
雪を割って雪上に顔を出すのは
花開いたフキではありません。
ではなぜ「はなさく」なのか。
使っている漢字に注目すると、
花ではなく「華」ですよね。
「華」は、華やかさのことでもありますから、
その寂しい雪景色に、
華が咲く=はなやかさがうまれる
こういった意味があてられているのかも
しれません。
どこまでも続く銀世界は、
そこに寂しさばかりを
置いていくことがあります。
雪上にポツンと顔を出したその姿を
華やかさと受け止めれば、
その佇まいも違う気持ちで
見れるような気がします。
雪を割って顔を出すその姿は、
寒さに身を縮める人たちにとっては
力強くもあり、
やがて来る春への希望の一つだったことは、
きっと間違いないでしょうね。
フキとふきのとうはどう違う?
フキは日本原産の多年草で、
日本中至る所に自生しています。
私たちがよく知っているふきのとうは
そのフキの蕾の段階のもの。
春の山菜としても愛され、
人の手による栽培もされています。
ふきのとうの天ぷらは定番ですもんね。
雄株は花粉を持つため花色は黄色く、
これがフキの名称の由来である
冬黄に繋がっています。
ちなみに黄色いのは雄株だけで、
雌株のほうは白です。
フキは多年生である地下茎から、
花と葉が別々に地上に顔を出します。
まず先にふきのとうが顔を出して、
そのあとに、葉が出てきます。
フキとよばれるのは、その葉です。
あえ物やおひたしなど、
お馴染みの料理に使われます。
春の旬が待ち遠しいものです。
【作品紹介】水墨画で七十二候を描く〜款冬華(ふきのはなさく)
春の山菜として知られる、フキ。
地下を延びる地下茎から、
葉より先に、花のみを咲かせる花茎を
地上にのぞかせます。
これをつぼみのまま採取したのが、
ふきのとうです。
雪上にポツンと顔を出したその姿は、
寂しい銀世界に「華」を与え、
やがて来る春を待つ人々に希望を与えます。
ふきのとうの収穫時期は2〜3月。
実際に花が咲く前の、
蕾の段階のほうが苦味が少ないため、
収穫が急がれます。
売られているものはほとんどが
人の手によって栽培されたものですが、
ふきのとうの天ぷらなど、
よく知られた料理ですね。
実家の食卓でも、ふきのとうの天ぷらは
よく出てきましたし、
今でもお店にあれば食べたくなります。
お酒のあてにも、よく合いますね。
そんな時は、郷愁が酔いのまわりを
ほんの少しだけ早めます。
●絵のサイズ 半紙(F4) 334mm×243mm
●額装について
サイズ – 太子 379mm×288mm
色 – 白
マット色 – 薄グレー
*著作権は八束徹に帰属します。
絵のダウンロードや無断転載はお控えください。
まとめ
今回話したのは、
七十二候・款冬華
水墨画で描いた款冬華(ふきのはなさく)
についてでした。
次の七十二候は、
大寒次候 水沢腹堅(さわみずこおりつめる)です。