こんにちは。
水墨画アーティストの八束徹です。
款冬華(ふきのはなさく)とは、
蕗の薹(ふきのとう)が蕾(つぼみ)を出すという意味です。
降り積もった雪を割って、
地上に顔を出すふきのとう。
それはまるで春を待つ人にとって
一筋の希望のようです。
「ふきのはなさく」の「はな」は、
ここでは花ではなくて、華のこと。
フキノトウが雪景色を
華やかにするということです。
この記事では、その款冬華、
そして今回描いた水墨画、
について話していきます。
1月20日から1月24日頃の七十二候は、
大寒初候 款冬華(ふきのはなさく)です。
二十四節気は、大寒(だいかん)に変わります。
その大寒を3つに分けたうちの1番目(初候)です。
目次
雪を割って地上へ。蕗の薹(ふきのとう)が咲かせる華とは?〜款冬華(ふきのはなさく)
雪上のふきのとう。咲くのは花か華やかさか
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2022/01/002-2.jpg)
蕗の薹(ふきのとう)は、フキの花がまだ蕾で、
花が開いていない状態のもののことです。
薹(とう)は花茎のことで、
花のみを付ける茎のこと。
「はなさく」と言っていますが、
実際に花が咲くのはまだ先であり、
雪を割って雪上に顔を出すのは
花開いたフキではありません。
ではなぜ「はなさく」なのか。
使っている漢字に注目すると、
花ではなく「華」ですよね。
「華」は、華やかさのことでもありますから、
その寂しい雪景色に、
華が咲く=はなやかさがうまれる
こういった意味があてられているのかも
しれません。
どこまでも続く銀世界は、
そこに寂しさばかりを
置いていくことがあります。
雪上にポツンと顔を出したその姿を
華やかさと受け止めれば、
その佇まいも違う気持ちで
見れるような気がします。
雪を割って顔を出すその姿は、
寒さに身を縮める人たちにとっては
力強くもあり、
やがて来る春への希望の一つだったことは、
きっと間違いないでしょうね。
フキとふきのとうはどう違う?
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2022/01/006-1.jpg)
フキは日本原産の多年草で、
日本中至る所に自生しています。
私たちがよく知っているふきのとうは
そのフキの蕾の段階のもの。
春の山菜としても愛され、
人の手による栽培もされています。
ふきのとうの天ぷらは定番ですもんね。
雄株は花粉を持つため花色は黄色く、
これがフキの名称の由来である
冬黄に繋がっています。
ちなみに黄色いのは雄株だけで、
雌株のほうは白です。
フキは多年生である地下茎から、
花と葉が別々に地上に顔を出します。
まず先にふきのとうが顔を出して、
そのあとに、葉が出てきます。
フキとよばれるのは、その葉です。
あえ物やおひたしなど、
お馴染みの料理に使われます。
春の旬が待ち遠しいものです。
【作品紹介】水墨画で七十二候を描く〜款冬華(ふきのはなさく)
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2023/01/fukinohanasaku.jpg)
春の山菜として知られる、フキ。
地下を延びる地下茎から、
葉より先に、花のみを咲かせる花茎を
地上にのぞかせます。
これをつぼみのまま採取したのが、
ふきのとうです。
雪上にポツンと顔を出したその姿は、
寂しい銀世界に「華」を与え、
やがて来る春を待つ人々に希望を与えます。
ふきのとうの収穫時期は2〜3月。
実際に花が咲く前の、
蕾の段階のほうが苦味が少ないため、
収穫が急がれます。
売られているものはほとんどが
人の手によって栽培されたものですが、
ふきのとうの天ぷらなど、
よく知られた料理ですね。
実家の食卓でも、ふきのとうの天ぷらは
よく出てきましたし、
今でもお店にあれば食べたくなります。
お酒のあてにも、よく合いますね。
そんな時は、郷愁が酔いのまわりを
ほんの少しだけ早めます。
●絵のサイズ 半紙(F4) 334mm×243mm
●額装について
サイズ – 太子 379mm×288mm
色 – 白
マット色 – 薄グレー
*著作権は八束徹に帰属します。
絵のダウンロードや無断転載はお控えください。
まとめ
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2022/01/004-1.jpg)
今回話したのは、
七十二候・款冬華
水墨画で描いた款冬華(ふきのはなさく)
についてでした。
次の七十二候は、
大寒次候 水沢腹堅(さわみずこおりつめる)です。