こんにちは。
水墨画アーティストの八束徹です。
禾乃登(こくものすなわちみのる)とは、
稲が実るという意味です。
暑い夏と台風を乗り越えて、
稲はようやく若い穂を実らせます。
しかし今度は、
秋の長雨が待ち受けているのです。
この記事では、その禾乃登、
今回描いた水墨画、
について話していきます。
9月2日から9月6日頃の七十二候は、
処暑末候 禾乃登(こくものすなわちみのる)です。
二十四節気では、処暑(しょしょ)。
その処暑を3つに分けたうちの3番目(末候)です。
目次
田んぼが冠水。稲への害とは?〜禾乃登(こくものすなわちみのる)
ようやく実った若い稲穂を待ち受けるのは……
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/09/2.jpg)
春の七十二候、霜止出苗で育った苗。
農夫たちは、梅雨が始まる前の、
雑節・半夏生までに無事田植えを終えて、
祈りとともに、稲が実るのを待ちました。
その苗が夏の日差しを一心に浴びて、
その祈りに応え、今、実り始めたのです。
それが、今回の七十二候、
「禾乃登」になるのです。
夏の台風は風が強く、
フェーン現象という、
山からの高温の風にさらされると
稲は脱水して枯れてしまいます。
なので田んぼの水の管理は欠かせません。
逆にこれからの秋の長雨は
水を溢れさせて冠水させてしまうので、
排水作業が必要になります。
秋雨は涼しさを運んでくれますが、
人の暮らしには恵みでも、
作物には脅威になるのです。
八月に収穫?早期米とは
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2022/09/img_4150.jpg)
特に台風被害が目立つ地域は西日本です。
毎年、胸の痛むニュースが届きますね。
米もその被害を受けて、
収穫に大きな影響を及ぼします。
そのため、昭和初期になると、
西日本では、早めに田植えを済ませ、
この時期に稲刈りをする、
早期栽培が始まりました。
通常の田植えは、梅雨入り前の6月頃ですが、
早期栽培では、4月に田植えを行い、
8月に収穫を行います。
こうすることで、秋の長雨や
台風の強風にさらされることなく、
収穫を安定させることができるのです。
8月の炎天下の中、
汗だくで収穫された稲は、
そのまま、8月から出荷されます。
この時期に売られている「新米」が
どの地域で作られた早期米なのか、
調べてみるのもおもしろいかもしれません。
どこでいつ収穫される米にも、
美味しく食べて欲しい
そんな農夫達の想いが込められています。
【作品紹介】水墨画で七十二候を描く〜禾乃登(こくものすなわちみのる)
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2023/01/kkokumonosunawachiminoru-e1685281808836.jpg)
実り初めの稲を描きました。
実り初めなので、
こうべは垂れていません。
先隈で、ちょんちょんと
稲の実を描いてから、
稲の葉を描きました。
この時期の実り初めの稲が、
収穫されるのはまだまだ先の話です。
夏の台風を乗り越えても、
次は長い秋雨が待ち受けていて、
農夫の気苦労は絶えません。
はたから見れば、
穏やかに広がる田園風景ですが、
実り始めた若い稲穂は、
虫の音と柔らかな風に揺れながらも、
不安の中で次の季節を待っているのです。
●額装について
サイズ – 太子 379mm×288mm
色 – 白
マット色 – コルク
*著作権は八束徹に帰属します。
絵のダウンロードや無断転載はお控えください。
まとめ
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今回話したのは、
- 七十二候・禾乃登
- 水墨画で描いた禾乃登(こくものすなわちみのる)
についてでした。
次の七十二候は、
白露初候 草露白(くさのつゆしろし)です。
二十四節気は、白露(はくろ)に変わります。