ウグイスの鳴き声はどこからするの?|黄鶯睍睆(うぐいすなく)

こんにちは。
水墨画アーティストの八束徹です。

黄鶯睍睆(うぐいすなく)とは、
ウグイスが山里で鳴き始めるという意味です。

その鳴き声はどこからするのだろう?

そう思って探しても、
ウグイスはなかなか姿を
見せてはくれません。
その理由は警戒心の強さから
なのです。

この記事では、その黄鶯睍睆、
そして今回描いた水墨画、

について話していきます。

*2月8日から2月12日頃の七十二候は、
立春次候の、黄鶯睍睆(うぐいすなく)です。
二十四節気では立春
その立春を3つに分けたうちの2番目(次候)です。

七十二候・黄鶯睍睆(うぐいすなく)

身を隠しながら鳴く警戒心の強いウグイス

耳をすますと聞こえてくる、
「ホーホケキョ」。

オオルリ、コマドリと並び、
日本三鳴鳥のひとつに数えられる鶯は、
春告鳥とも呼ばれています。

この鳴き声を聞くと、
同時に春の暖かさが
漂ってくるような気さえしますね。

ウグイスは春の訪れを待ち焦がれていた
私たちの心を和ませてくれます。

実際には雄のウグイスが、
ここは俺の縄張りだと鳴いているのですが、
早春に聞こえ出す鳴き声は
その季節の変化とシンクロして、
まだ冷たい風に身を縮めている人間に
夢を見せてきたのです。

鶯はたくさんの和歌にも詠まれてきました。
そうやって昔から愛されてきた鳥なのです。

私達は皆、春が待ち遠しいのでしょうね。

鶯は警戒心が強く、
なかなか人前には姿を現しません
が、
それが尚更、人々に神秘的な印象を
与えていたのかもしれません。

東京・鶯谷の地名の由来

ちなみに東京の鶯谷という地名は、
江戸(東京)のウグイスの鳴き声が
気に入らなかった昔の皇族が
京都から何千羽ものウグイスを取り寄せて
ウグイスの名所になったからだとか。
そんな逸話もあるそうです。

鶯谷駅は立ち並ぶラブホテルでも
有名
ですが、
反対側(山手線の内側)には、
徳川家の菩提寺やお墓などが
広がっていたりして、
結構面白いところです。

さてところが。
実際にウグイスの声が聞こえてくるのは、
まだ少し先だったりします。
七十二候は江戸時代に
作られたものですから、
現代の気候と比べたら、
その辺のズレも
生じてくるのかもしれません。

もしかしたら、
警戒心が強いウグイスのことですから、
あなたが焦らずに
春を待ってくれているか
どうかを、
試しているのかもしれませんね。

七十二候を水墨画で描く〜黄鶯睍睆(うぐいすなく)

「ほーほけきょ」と鳴くウグイスの声は、
まさに春を告げる鳴き声として、
大昔から人の心を暖めてきました。
しかし、彼らがそうやって鳴く理由は、
そんな穏やかなものではないのです。

まず、その鳴き声を聴かせてくれるのは、
ウグイスのオス。
そう、この鳴き声は
縄張りを守るためのものなのです。

そのオスのウグイスは、子供達のために
餌を取りに出かけたメスの帰りを、
縄張りを守りながら、待っているのです。

突然、「キョキョキョキョ!」と
不穏な泣き声に変わるのを聞いたことはありますか?
あれは危険を知らせるためのもの。

例えばカラスが、雛鳥を捕まえて
食べようと近づいてきているのです。

夢うつつの春の陽気と決めつけて、
歌を詠んだり絵を描いたりするのは
人間の勝手な解釈。

彼らは自然の中外敵と戦いながら、
必死で生きているのです。
私達人間が、苦悩を続けているように。

まとめ

今回話したのは、

  • 七十二候・黄鶯睍睆
  • 水墨画で描いた黄鶯睍睆(うぐいすなく)

についてでした。

次の七十二候は、
立春末候 魚上氷(うおこおりをいずる)です。