青虫から紋白蝶へ。サナギからかえるのは半数以下?〜七十二候・菜虫化蝶(なむしちょうとなる)

穏やかな春の日差しの中を、
ひらひらと舞う紋白蝶。
サナギから蝶になり、その姿を
私たちに見せてくれるのは、
実は半数以下なのです。

それはなぜなのでしょうか。

こんにちは。
水墨画アーティストの八束徹です。

3月15日から3月19日頃の七十二候は、
啓蟄末候 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)です。
二十四節気では啓蟄(けいちつ)
その啓蟄を3つに分けたうちの3番目(末候)です。

この記事では、その菜虫化蝶、
そして今回描いた水墨画、

について話していきます。

青虫から紋白蝶へ。サナギからかえるのは半数以下?〜菜虫化蝶(なむしちょうとなる)

白い妖精 紋白蝶

菜虫化蝶(なむしちょうとなる)とは、
青虫が羽化して紋白蝶になるという意味です。

白い妖精とも呼ばれているモンシロチョウ。
その白い羽をパタパタさせながら
数匹で舞う姿は、
暖かい春の日差しと相まって、
私達に安らぎを与えてくれますね。

羽の黒い斑点を紋に例えて、
この名前がつけられました。
白い羽根に紋がある蝶だから、
モンシロチョウ(紋白蝶)というわけです。

ちなみにモンシロチョウはこの時期から
11月くらいまで発生するのですが、
羽が白いのは春のモンシロチョウです。
夏のモンシロチョウの羽は
黄色がかって
います。

田舎育ちの私も幼い頃、
そんなモンシロチョウを無邪気に
追いかけたりしていました。

蛹から蝶になるのは半数以下

ヒラヒラ舞うのは、
オスからメスへの求愛です。
そしてその想いが叶うと、
モンシロチョウは飛びながら交尾します。
幼い私はそれを知らずに
邪魔をしていたわけですね。

幼虫が成虫になるためには、
鳥や他の虫からの捕食、
ハチやハエの寄生、
人が撒く農薬を乗り越えなくては
なりません。
モンシロチョウの幼虫である青虫は
野菜を食べてしまう
ので、
特に野菜を育てている人間からしたら
害虫なんですよね。

そうして、ようやくサナギからかえり、
空へ舞い、恋に夢中になれるのは、
幼虫の半数以下なのです。

その姿を美しいと楽しんだり、
野菜を食うなと蝶になる前に殺したり、
人間も忙しい生き物ですが、
成虫となった彼らの命は、
たった数週間で終わります。
彼らはもっと忙しく、
そして儚い命を抱えて生まれてくるのです。

もし、公園や川辺や軒先で、
ヒラヒラと舞うその姿を見つけたら、
その一世一代の恋模様を、
邪魔せずに見届けてあげましょうね。

春の陽射しには、きっと
そんな優しさが似合うはずです。

水墨画で七十二候を描く〜菜虫化蝶(なむしちょうとなる)

今回はタンポポの蜜を吸う
モンシロチョウを描きました。

蝶が花の蜜を吸う姿は
私たちには馴染みの光景ですが、
蝶の目に移る花は人間の見るものとは
少し違っています。

蝶は人間には見ることができない
紫外線を見ることができるのですが、
その能力によってそこに蜜があることを
判断しているのです。
これはミツバチも同じです。

自分たちが生き抜いていくために
必要な能力が、しっかりと
備わっているわけですね。

蜜を吸うのは栄養を蓄えるためですが、
その小さい体でそんなにたくさんは
吸いません。

必要な分だけの栄養を取り、
吸い過ぎて体を重くしたりせず、
また遠くへ飛んでいくのです。

それは子孫を残す相手を見つけるため。
愛する人を探す旅を
彼らは続けているのです。

まとめ

今回話したのは、

  • 七十二候・菜虫化蝶
  • 水墨画で描いた菜虫化蝶(なむしちょうとなる)

についてでした。

次の七十二候は、
春分初候 雀始巣(すずめはじめてすくう)です。

二十四節気は春分に変わります。