こんにちは。
水墨画アーティストの八束徹です。
草露白(くさのつゆしろし)とは、
草に降りた露が白く光るという意味です。
空気が冷たく感じるようになった朝。
草木の緑色が朝日に照らされ白く光る。
そんな朝露はどうやって生まれて、
私達に秋の装いを
見せてくれるのでしょうか?
この記事では、その草露白、
今回描いた水墨画
について話していきます。
9月7日から9月11日頃の七十二候は、
白露初候 草露白(くさのつゆしろし)です。
二十四節気は、白露(はくろ)に変わります。
その白露を3つに分けたうちの1番目(初候)です。
目次
草花が光る朝。朝露はなぜできる?|草露白(くさのつゆしろし)
朝露はなぜできるのか?
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/09/3-4.jpg)
この時期になると、
朝には朝露が草や葉に降るようになります。
草露白は、それが光を受けて
白く光る様子を伝えています。
露とは、気温が下がり、
その地表や物体(ここでは草木)のそばの
空気が露点を越えて
水滴に変わったもののことです。
夏も終わりを告げて、
窓を開ければ涼しい風が
流れてくるこの季節。
夏の暑さによるだるさもさることながら、
涼しくなって気分がいいはずのこの時期も、
逆に力が入らなくなりがちです。
気温の変化に油断していると
思わぬところで体調を崩したりします。
続く秋の長雨に夏の汗が流れても、
ちゃんと体を拭いてあたためないと
風邪をひいてしまいますからね。
今一度気持ちをしっかり切り替えて、
体を気遣いながら
次の季節を楽しんでいきましょう。
朝露が降りると晴れ?
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/09/2-5.jpg)
昔からあることわざに、
「朝露が降りると晴れ」
「夜露が多ければ晴れ」
といったものがあります。
この「空気が冷える」原因は
夜間放射冷却にあります。
これはなぜかというと、
まず、はじめに話した通り、
露が降る原因は、
空気が冷えて露点を下回ることにより、
水蒸気が水滴になるためです。
昼に熱を帯びた物体は、
夜間に熱を放射しています。
それを夜間放射冷却といい、
その夜に、空が雲で覆われていると、
放射された熱は雲に遮られて、
露が降るほどには冷却されません。
逆に雲がなければ
熱は宇宙まで放射されるので、
露が降るほどに
冷却されることになるのです。
雲がないということは、
晴れるということですから、
露が降りたら晴れ
となるわけです。
このことが、そのことわざを
生み出したのです。
こんな原理など、
まだ解明されていなかった時代。
人は自然をよく観察することで
天気を予測し、
暮らしに役立てていたのですね。
水墨画で七十二候を描く〜草露白(くさのつゆしろし)
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2022/08/img_4114.jpg)
イネ科の葉にしたたる露を描きました。
先隈で、葉を先端から
スッと描いているのですが、
描く前に筆に含んだ墨を
いくらかティッシュで吸い取っているので、
葉の根元のほうがかすれています。
これは二度と同じことはできないんですよね。
これが水墨画の醍醐味でもあります。
その後、したたる露を、
刷毛で描いています。
そこから広がるのは、
朝露落ちる夜明け、秋晴れの空、
早くなる日暮れの物寂しさ、
暗い帰り道の小さな不安。
街に漂うどこかの家の
夕食の支度の匂い。
近くなる星空、浮かぶ月。
今、幼い日を思い出しながら、
この変わりゆく季節が、
もしかしたらあなたを
はにかむ詩人に変えようと
しているのではないでしょうか。
まとめ
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/09/0-3.jpg)
今回話したのは、
- 七十二候・草露白
- 水墨画で描いた草露白(くさのつゆしろし)
についてでした。
次の七十二候は、
白露次候 鶺鴒鳴(せきれいなく)です。