こんにちは。
水墨画アーティストの八束徹です。
天地始粛(てんちはじめてさむし)とは、
ようやく暑さが鎮まるという意味です。
「粛」とはしずまるという意味を持ちます。
暑さに寝苦しい夜は過ぎていき、
朝夕も少しずつ過ごしやすくなってきます。
八月尽日。
夏の終わりはいつになっても
寂しいものですね。
この記事では、その天地始粛、
今回描いた水墨画、
について話していきます。
8月28日から9月1日頃の七十二候は、
処暑次候 天地始粛(てんちはじめてさむし)です。
二十四節気では、処暑(しょしょ)。
その処暑を3つに分けたうちの2番目(次候)です。
目次
八月尽とは?夏の終わりの寂しさ〜天地始粛(てんちはじめてさむし)
八月尽(はちがつじん)と夏の終わり
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/08/3-6.jpg)
二十四節気は立秋を過ぎ、処暑の半ば。
暦ではとっくに夏は終わっていますが、
まだまだ日中の暑さは続くばかりです。
とはいえ、少しずつ、
朝夕の気温も下がり、
夜も過ごしやすくなってきますね。
天地始粛の粛は、
しずまるという意味を持ち、
(自粛とか、静粛とかの言葉も、
しずまるを意味していますね)
それが「さむし」に繋がっています。
8月31日のことを八月尽ともいい、
これは夏の終わりを現す季語です。
朝夕に聞こえてくる虫の音も
下がる気温とともに、
そんな夏の終わりと
リンクするようになってきます。
失われていく文化〜暑中見舞い・残暑見舞い
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/08/1-7.jpg)
残暑見舞いを届ける期間は、
二十四節気が立秋に入ったあたりから、
八月尽日(はちがつじんじつ=8月31日)まで。
遅くても現在の処暑の間に
届くように送ります。
それ以前は暑中見舞いです。
元々、お盆になると家族や恩師、
親しい知人へ贈り物をしていたのを
大正時代に郵便の発達とともに
簡略したものが、暑中見舞いです。
そして残暑見舞いは、
暦が秋(立秋)に変わっても
まだ続く暑い日々を見舞うものです。
今ではインターネットの発達により、
連絡はいつでも取り合えて
元気かどうかはすぐに確認できるし、
こういったハガキを送る文化は
どんどん廃れていってますね。
どちらにせよ大切なのは、
気遣いを忘れないということですね。
遠くに暮らすあなたの大切な人は、
この日中の暑さの中で
ちゃんと元気にやっていますか?
あなたも元気でやっていますか?
暦の上では秋とはいえ、
厳しい暑さが続いておりますが
いかがお過ごしでしょうか。
季節の移り変わりに体調を崩されぬよう、
ご自愛くださいませ。
晩夏 八束徹
水墨画で七十二候を描く〜天地始粛(てんちはじめてさむし)
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2022/08/img_3997.jpg)
今回は夏の花のひとつ、
桔梗を描きました。
青系統の色が少し、
涼感を感じさせてくれたりもしませんか?
中墨で花びら、濃墨で萼(がく)、
花柄、茎、葉っぱを描いています。
夏をともに過ごしたそんな桔梗が
小さな風に揺れる中、
はしゃぐ子供達の夏休みも終わりを迎え、
物寂しさが漂い始めます。
けれど、夏の終わりが寂しいのは、
子供ばかりではありませんね。
移りゆく季節が、
戻れない日々を諦めさせます。
そしてその寂しさに
覆いかぶさるように、
秋雨が近づいてくるのです。
まとめ
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/08/2-6.jpg)
今回話したのは、
- 七十二候・天地始粛
- 水墨画で描いた天地始粛(てんちはじめてさむし)
についてでした。
次の七十二候は、
処暑末候 禾乃登(こくものすなわちみのる)です。