こんにちは。
水墨画アーティストの八束徹です。
大雨時行(たいうときどきにふる)とは、
時として大雨が降るという意味です。
真夏の青空を覆う入道雲。
汗ばんだ体に叩きつける
突然の土砂降り。
うだる暑さを和らげてくれるものこそ、
その夕立なのです。
この記事では、その大雨時行、
今回描いた水墨画、
について話していきます。
*8月2日から8月6日頃の七十二候は、
大暑末候 大雨時行(たいうときどきにふる)です。
二十四節気では、大暑(たいしょ)。
その大暑を3つに分けたうちの3番目(末候)です。
目次
七十二候・大雨時行(たいうときどきにふる)
入道雲が生む夕立
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/08/2.jpg)
夏の高温の日射が地表の空気を温め
それが上昇気流になり、
高く青い空に入道雲を生み出します。
これが積乱雲となり雷を生み、
突然の大雨を降らすのです。
午前中からの上昇気流で積乱雲が生まれ、
雨が降り出すのは、午後から夕方にかけて。
これが理由で、その大雨は
「夕立」と呼ばれるようになりました。
また、その雨が白く見えることから、
「白雨(はくう)」とも。
最近では異常気象によって
時期外れの夕立が生まれるようになり、
呼び方も「ゲリラ豪雨」などとされ、
せっかくの夏の風情も薄れてきています。
夕立は自然がもたらす「うち水」でもあり、
真夏の気温を下げて、私たちに
休息の時間を与えてくれるのです。
夕立は馬の背を分ける
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2022/01/1-1.jpg)
夕立は馬の背を分けるとは、
ほんの束の間の雨で、
馬の背中も半分しか濡れない
という意味です。
そんなことわざが生まれるくらい、
束の間に去っていく大雨を
当時の人々はどんな思いで見上げ、
打たれていたのでしょうか。
大阪出身の明治時代の俳人、
松瀬青々(まつせせいせい)が詠んだ句に、
夕立は貧しき町を洗い去る
というものがあります。
蝉が鳴き止み、空は暗くなり、
夕立が通り過ぎていく。
夕立のあと、薄暗くなった町には、
また蝉の鳴き声が響き渡ります。
暑さに負けそうだった一日が、
雨のあとの涼しさを迎え、
また明日生きる希望を、
私たちに残して行くのです。
【作品紹介】水墨画で七十二候を描く〜大雨時行(たいうときどきにふる)
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2023/01/taiutokidokinifuru-e1685281481925.jpg)
先ほどの話に出たように、
今回は夕立をイメージして
描きました。
濃墨をつけた刷毛で黒雲を描き、
薄墨で雨を降らせ、
中墨で山、濃墨で広がる街を
描いています。
全部刷毛で描いてます。
雨模様なので山と街はかすみます。
なので「描いた雨」が乾かないうちに
筆を入れます。
この大雨時行が終わると、
次の二十四節気は立秋に変わり、
暦の上では秋になります。
まだまだ暑い日々が続く中、
本当の秋の訪れを待ち焦がれる
私やあなたのもとにも、
夕立は、希望を残していくのです。
●絵のサイズ 半紙(F4) 334mm×243mm
●額装について
サイズ – 太子 379mm×288mm
色 – 白
マット色 – オフ白
*著作権は八束徹に帰属します。
絵のダウンロードや無断転載はお控えください。
まとめ
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/08/3.jpg)
今回話したのは、
- 七十二候・大雨時行(たいうときどきにふる)
- 水墨画で描いた大雨時行(たいうときどきにふる)
についてでした。
次の七十二候は、
立秋初候 涼風至(すづかぜいたる)です。
二十四節気は、立秋に変わります。