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地球は青かった〜4/12世界宇宙旅行の日
地球は青かった
あまりにも有名なセリフですね。
世界初の宇宙飛行士、
ユーリイ・アレクセーエヴィチ・ガガーリン
の言葉です。
1961年4月12日に、
世界初の有人宇宙飛行を成功させたロシア
(当時はソビエト連邦)の
ボストーク一号の乗員数は、
そのガガーリンたった一名でした。
祖国の期待を乗せた一人乗りの宇宙船で、
彼は空に放たれました。
そして大気圏外に出て、
地球の周回軌道を一周して、
無事帰還したのです。
自分が行くことを想像してみると、
怖いですよね。
きっと死ぬ覚悟も必要だったはずです。
地球への帰還時は
そのボストーク一号に不具合が起きて、
ガガーリンは宇宙船ではなく、
パラシュートで地球に戻ってきました。
しかし人類初の宇宙飛行の成功と名誉を
手に入れたいソビエト側は、
「ガガーリンは宇宙船で帰国した」と
世界に嘘の報告したのです。
広告塔になり、国に振り回されたガガーリン
無事宇宙から帰ってきたガガーリンは、
時の人として国の広告塔にされ、
今度は下界を周回するようになりました。
政治に利用されたのですね。
そもそも宇宙飛行の時点で
そうなのですが。
それから彼の暮らしは大きく変わりました。
その変化に振り回された彼は、
やがて自傷行為をするほどに
疲れ、心を病んでいきます。
人類初の宇宙飛行という華やかさの裏では、
そんな苦悩があったのです。
今回、私はそんな華やかさを
書こうと思っていたのですが、
なんだか調べていて
寂しくなってしまいました。
もちろん、国のプロジェクトに
参加したわけですから、
ガガーリン本人も、
祖国のために尽くしたことは
誇りにしていたんだと思います。
「神はいなかった」〜残したもう一つの言葉
「地球は青かった」の他にも
彼はもう一つの有名な言葉を残しました。
それが、
「神はいなかった」
です。
天に神様がいるか確認してきてほしい
当時はまだ、天に神様がいる、と、
そう信じられていた時代でしたから、
そんな要望が出ても
なんらおかしくはありませんでした。
しかし、宇宙飛行中、
大気圏外を周回しながら
宇宙船の窓から外を見渡しても、
それはどこにも見当たりませんでした。
帰還後、ガガーリンは、
神はいなかったと報告します。
ですがガガーリンのその真実の言葉は、
地上しか知らない他の人間たちには、
受け入れ難いものでした。
そして彼は責められてしまうのです。
「夢」は「夢」のままでなくては
ならなかったのです。
その夢が悪いというわけではありません。
空に神様がいる、
と信じている人にとっては、
ちゃんと神様はいるのですから。
しかし彼は現実をしっかり見てきたので、
彼はその夢を失いました。
ガガーリンはきっと私達以上に、
「人間」を知ったのかもしれませんね。
産み落としていった新しい「宇宙の夢」
その代わりに彼は、
進歩を目指す人達にとっての
新しい「夢」を残していきました。
宇宙の解明という、夢です。
人は宇宙に行ける
その第一歩を踏み出したことで、
また人類の新たな夢が生まれたわけです。
誰に何を言われても彼は、
人類で初めて宇宙に行った人間であり、
誰も知らなかったことを知り、
誰も見たことのないものを、
その目で見てきた人間なのです。
そんな彼の功績が
偉大なことに変わりはないのです。