鷹といえば、
鋭い嘴と足の爪、睨みつける目。大きな翼。
そして素早く獲物を捕食する姿です。
鷹が木に止まって羽を休めている姿も
凛としていてかっこいいですが、
やはり翼を広げた姿が描きたいところですよね。
今回の記事では、
日本に古来から生息しているオオタカ、
さらに七十二候・鷹乃学習にならい、
若鷹を描いていきます。
目次
鷹について
鷹の羽根は、
鷹斑(たかふ)模様も印象的ですが、
鳥の羽根を描く場合は、
羽根の構造を理解しておきましょう。
鳥の羽根は、先端から、
初列風切、次列風切、三列風切とあり、
向きが変わります。
肩の方に来ると、
小翼羽、初列雨覆、次列雨覆、
中雨覆、小雨覆と、
なかなかに複雑にできています。
模写ではないので、
全てをしっかり描くということではなく、
それを知っているかどうかで、
表現力が大きく変わるということです。
今回の絵も色々と省略しているので、
難しく考えずに読んでみてください。
七十二候・鷹乃学習についてのお話は、
以下の記事をご参考ください。
翼を広げた若鷹の描き方〜水墨画で描く
①刷毛で薄墨を使い、全体の形をとります。
鳥が広げた羽根は思ったより大きいので、
バランスを考えないと、
全体を描き切れなくなります。
その辺りを注意しながら
描いてきましょう。
②羽根から描いてきます。
生き物を描く時って、
顔から描きたくなるものですが、
この段階ではまだ
下地の薄墨が乾いていないので、
その上に目などを描くと
滲んでかっこ悪くなります。
ここはぐっとこらえて、
羽根から描いていきましょう。
羽根ならば多少滲んでも、
味になります。
先に薄墨で形をとっているので、
初列風切から描いていっても、
バランスが悪くなることはありません。
右側の羽根は先隈の技法を使って
描いています。
④左の羽根の外側の雨洗いの部分を描きます。
ここは横にシャシャッと描いただけです。
⑤羽根の鷹斑(たかふ)模様を入れます。
⑥体の輪郭は筆を寝かせて、
ちょんちょん軽く叩くように描いています。
若鷹ゆえの頼りなさの演出として
しっかりした線はあえて避けます。
⑦いよいよ目と嘴を描いていきます。
そして爪。
ここは濃墨を使って、
強い印象を持たせます。
⑨尾羽も先隈で描き、
ここにも鷹斑を入れます。
⑧筆を叩いて穂先に含ませた墨を飛ばし、
水しぶきの表現を入れます。
⑨最後に落款を入れて完成です。
まとめ
今回話したのは、
羽根を広げた鷹の描き方
についてでした。
薄墨で先に全体の形をとる方法は、
他の作画でも使えますので、
ぜひお試しください。
大人の鷹を描く場合は、
もっと濃墨で強い線を入れて
力強さを演出するといいです。
技法に関しては以下の記事から
テクニック編を参考にしてください。
あなたに楽しい水墨画ライフが
訪れますように。