金魚は日本の夏の風物詩。
せっかくなら、
和風に描きたいところですね。
描けるようになれば、
暑中見舞いや
残暑見舞いにも使えます。
自分で描いたものならば、
余計に気持ちがこもります。
送り先ではきっと
喜んでもらえますよ。
今回は、割と簡単に
手数が少なくかける、
俯瞰(上から見た)での描き方について
説明していきます。
目次
目で涼しむ〜金魚の描き方
金魚について
金魚は、中国生まれの観賞魚。
フナの突然変異のヒブナを
品種改良したものです。
ヒブナは緋鮒(=緋色の鮒)と書く通り、
黒の色素を持たずに生まれた、
赤色系のフナのことです。
それを品種改良したのが金魚。
品種改良ですから、
当然種類も増えていきます。
基本の三種
和金(わきん)は、本来のフナの形に近く
琉金(りゅうきん)は、尾が長いもの、
出目金(でめきん)は、目が飛び出している
金魚ですね。
この和金、琉金、出目金を経て、
明治、昭和の時代にはさらに
新しい改良種が誕生しています。
金魚は夏の暑さを、
視覚で和らげてくれるもの。
祭りの金魚すくいに見られる金魚は、
ほとんどが和金ですが、
今回は琉金系の
尾びれの大きな金魚を描いていきます。
金魚の描き方〜俯瞰で描く
中墨を含んだ筆の先端を
ティッシュなどにつけて、
先端の墨を吸い取ります。
そしてその先端に濃墨をつけて
馴染ませます。
①筆を寝かせて、頭の部分、
体の部分を意識しながら、
「面」で描いていきます。
②尾びれを描いていきます。
今回は両隈を作る要領で、
両側ではなく片側にだけ濃墨をつけました。
中墨と濃墨のグラデーションが
味わいを深めてくれます。
③上から見た状態を書いているので、
他のひれは、横に広がる胸びれのみ描きます。
ここまでは全て筆を寝かせて描いています。
④ここからは筆を立てて、
線と点で描いていきます。
一旦筆を洗い水分をとってから、
濃墨で目、口を描き、
輪郭を取っていきます。
輪郭はあまりしっかりと
線を引き過ぎないようにしましょう。
線はあくまでも「補佐役」です。
しっかり描くと
「先に線を引いてから
内側に墨で色を塗った」
絵になってしまいます。
面で描くというのは、
色を塗ることではありません。
⑤中墨をつけた筆先を割って、
水面の波紋を描いていきます。
もっと水分を減らして
乾筆で描いても構いませんが、
にじみを強くすることで、
「涼しげな水」を強調できます。
⑥そして落款を入れて完成です。
背びれを描き忘れたので、加筆。
これで完成です。
まとめ
今回話したのは、
俯瞰での金魚の描き方についてでした。
「面で描く」「線で描く」や、
濃墨・中墨、乾筆など、
テクニック的なことを含め、
水墨画についての知識は、
以下の記事をご参考ください。
あなたに楽しい水墨画ライフが
訪れますように。