こんにちは。
水墨画アーティストの八束徹です。
牡丹華(ぼたんはなさく)とは、
牡丹の花が咲くという意味です。
風格のある花、牡丹。
牡丹は花の王とも呼ばれています。
そんな牡丹に、芍薬と百合の花を加えた、
美しい女性を表す言葉があります。
それが、
立てば芍薬、座れば牡丹。歩く姿は百合の花
です。
この記事では、その牡丹華、
について話していきます。
*4月30日から5月4日頃の七十二候は、
穀雨末候 牡丹華(ぼたんはなさく)です。
二十四節気では、穀雨(こくう)。
その穀雨を3つに分けたうちの3番目(末候)です。
目次
七十二候・牡丹華(ぼたんはなさく)
美しい女性の代名詞のひとつ
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/05/7.jpg)
立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花
というふうに芍薬や百合とともに
女性に例えられることもあります。
これだけいろいろご立派な解釈をされると
なんだか萎縮してしまいますね。
そもそもの野生の花は(牡丹に限らず)
人間のために咲いているわけでは
ありません。
花は花のために咲いているわけであって。
しかし、花言葉にあるような
王の風格や高貴さも、
「座れば牡丹」と選ばれた女性的なものも、
必死になって手に入れようとしたり、
そんな女性に出会いたいと望んだり。
誰もがそうとは限りませんが、
何かしらの憧れが心の奥にあるのも
否定はできないものです。
春の陽気の中で咲き誇る姿も、
穀雨に打たれて濡れ滴る姿も、
雨が通り過ぎたあとの
雲の切れ間から射す夕日に
花びらの雨露が輝く午後も、
そのひとときだけは、
牡丹はその高貴な姿で、
私たちに淡い夢を
見せてくれるのでしょう。
獅子に牡丹〜王の風格
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/05/1-4.jpg)
牡丹は4月半ばから5月にかけて開花します。
栽培品種と呼ばれる、
人の手で改良されたものも含めると、
一年中開花していますが。
牡丹の花は何を隠そう、
生産地中国では花の王に例えられるほど
高貴な花とされています。
そんな牡丹の花言葉は、
「風格」「富貴(ふうき)」「恥じらい」。
(富貴は位の高い偉いお金持ち的な意味です。
「お金持ちは人としても立派」だとされる
考え方が基準の使い方ですね。)
獅子に牡丹ともいいまして、
獅子が獣の王ならば、牡丹は花の王。
王と王が揃った最強の組み合わせとして、
刺青のデザインにもなっているのは
ヤクザ映画などですでに
ご存知のことかもしれません。
とにかく花言葉の通り、
牡丹は風格や富貴に
あふれているわけです。
ちなみに、福島県須賀川市には
「須賀川牡丹園」という、
日本唯一の国指定の牡丹の名勝があります。
ゴールデンウィークの時期に
長い休みが取れるならば、
北上する桜前線を追いかけながらの
牡丹鑑賞の旅も良いものかもしれません。
水墨画で七十二候を描く〜牡丹華(ぼたんはなさく)
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2022/05/img_2929.jpg)
富貴だの王様だのよりも、
「座れば牡丹」を描くつもりでかきました。
牡丹の花は内巻きになっているのですが、
内側の花びらと外側の花びらでは
開き方が少し変わります。
内側は元気にくるっと丸まっていますが、
外側の花びらはくたびれて
外に広がっている感じなので、
その形の違いを意識して描きます。
牡丹の花びらは花芯側(中央)の方が
色が濃いので、
薄墨を含んだ筆先に濃墨をつけて
(先隈という技法)
描くとその表現ができます。
それから芍薬の花も
牡丹とよく似てるんですけど、
葉っぱに大きな違いがあって、
芍薬は丸みを帯びた1枚葉なんですが、
牡丹のほうはギザギザになっています。
あと牡丹の花びらは
結構密集してるんですけど、
写真とか見ながらそれを全部
1枚1枚もれなく書くとごちゃごちゃするので、
バランスを見ながら引き算していきます。
立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花
そんな女性との奇跡的な出会いを
男は変わらず夢に見ているものです。
●絵のサイズ 半紙(F4) 334mm×243mm
●額装について
サイズ – 太子 379mm×288mm
色 – 白
マット色 – オフ白
*著作権は八束徹に帰属します。
絵のダウンロードや無断転載はお控えください。
まとめ
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/05/8-3.jpg)
今回話したのは、
- 七十二候・牡丹華(ぼたんはなさく)
- 水墨画で描いた牡丹華(ぼたんはなさく)
についてでした。
次の七十二候は、
立夏初候 蛙始鳴(かわずはじめてなく)です。
二十四節気は、立夏(りっか)に変わります。