地下水は雪を融かす?〜七十二候・水泉動(しみずあたたかをふくむ)

この冷え込む1月の最中に、
あたたかみを含むとされる泉。
泉とは、地下からの湧き水のことです。
しかし一体なぜ、その泉は
「あたたかみを含」んでいるのでしょうか。

こんにちは。
水墨画アーティストの八束徹です。

1月10日から1月14日頃の七十二候は、
小寒次候 水泉動(しみずあたたかをふくむ)です。
二十四節気では、小寒(しょうかん)
その小寒を3つに分けたうちの2番目(次候)です。

この記事では、その水泉動、
そして今回描いた水墨画、

について話していきます。

地下水は雪を融かす?〜水泉動(しみずあたたかをふくむ)

凍った地下水がとける?春を呼ぶ?

水泉動(しみずあたたかをふくむ)とは、
地中で凍った泉が動き始めるという意味です。

これは中国の七十二候とは違い、
日本独自のもののひとつになります。

水泉とは(要は泉)、
地下水が自然に湧き出てくる、
湧き水のことです。
その湧き水が、寒さ厳しい
この冬の中にあっても、
すでに次の季節・春へ向けて
あたたかさを帯び始めているよ、と
今回の七十二候は、そう伝えているのです。

季節は動くとは言いますが、
地中を覗くことはできませんから、
私たちは実際にそれを見ることも、
手に触れることもできません。

気の遠くなるような真っ白な雪景色の下に
あたたかい春を夢見ながら、

もうすぐ凍った水も溶けるだろう、と
そうすれば春もまた一歩近づくよ、と

この七十二候はそうやって当時の人々の
希望になっていたのかもしれませんね。

あなたも目を閉じて、
凍った泉が流れる音を
想像してみてはいかがですか。

ご先祖様と同じ気持ちに
なれるかもしれません。

・・・・・・

という感じでまとめると、
ただの妄想で話が終わってしまいますね。 

そもそも地中の水って
凍っている
のでしょうか。

水の温度はどう変わる?地表と地中との違い

冬になると、「地表」の水は凍ります。
これは目に見えるので、
間違えようがありません。

ならば目に見えない「地下」の水はどうでしょうか。
地表と違い、地下は気温の影響を受けないので、
年間を通して一定
です。
地域によるのではっきりした数字は
出せませんが、
関東では16〜18℃くらいです。

地下深く潜るほど、水は
地表の温度の影響を受けません。

そんな地下水は、冬でも湧き水として
地表に流れて
きます。
地表の水より温かい温度で湧き出て、
場所によっては雪も溶かしてしまいます。

「湧水池」も湧き水の温度により、
凍りにくかったりします。

当時の人々は、その温かさについて、
しみずあたたかをふくむ
と受け止めていたのではないでしょうか。
別に実際の水温は変わってなくても

逆に砂漠のオアシスも
湧水からできる場合があるのですが、
そちらでは水が冷たいと感じるわけです。

真夏の湧き水に癒されるのも同じですね。

そんなカラクリは当時の人も
わかっていたと思いますが、
科学的なことよりも、
信仰を重要視する時代ですから、
(現代でもそういうところありますけど)
当時の日本人らしい人生の楽しみ方にならって
この七十二候を定めたのかもしれませんね。

水墨画で七十二候を描く〜水泉動(しみずあたたかをふくむ)

ところで、温泉も湧き水です。
その条件が温泉法に当てはまるかどうかで、
呼び方が変わるだけです。

温泉法では湧き出る温水のうち、
水温が25℃以上なら温泉、
それ以下ならば冷泉や鉱泉となります。

もちろん、今回の七十二候・水泉動は、
温泉のことではなかったでしょうけれど。

というわけで今回は
温泉の絵を描きました。

相変わらず寒い日が続きますので、
温泉の絵でも見て少しでも
温まっていってくださいませ。

ニホンザルの入浴は
長野県の地獄谷が有名ですが、
入るのはほとんどが
メスと子どもだけだそうです。

その油分を含んだ細かい体毛のおかげで、
湯冷めもしないらしいですよ。

オスは家族を守るために
いつでも戦えるようにしています。
だから温泉に入ることはあまりないのです。

とっくりを浮かべて赤ら顔なのは、
どうやら人間だけみたいですね。

まとめ

今回話したのは、
 
七十二候・水泉動
水墨画で描いた水泉動(しみずあたたかをふくむ)

についてでした。

次の七十二候は、
小寒末候 雉始雊(きじはじめてなく)です。