こんにちは。
水墨画アーティストの八束徹です。
啓蟄次候 桃始笑(ももはじめてさく)とは、
桃の花が咲き始めるという意味です。
桜の陰に隠れがちな、桃の花。
桃の花も桜同様にピンクや白の
綺麗な花をこの春に咲かせます。
そうやって桃の花も、
人々に愛されてきました。
桃の節句というものが
あるくらいです。
しかしその桃の節句には、
桃の開花はまだ少し早いんですよね。
その理由は、暦にあります。
この記事では、その桃初笑、
そして今回描いた水墨画、
について話していきます。
*3月10日から3月14日頃の七十二候は、
啓蟄次候 桃始笑(ももはじめてさく)です。
二十四節気では啓蟄(けいちつ)。
その啓蟄を3つに分けたうちの2番目(次候)です。
目次
七十二候・桃始笑(ももはじめてさく)
3月3日の桃の節句は旧暦での話
桃の花は桜より早く、街を彩り始めます。
今は咲き始めなので
満開になるのはもう少しあと。
3月3日の上巳(じょうし)の節句が
桃の節句と呼ばれ、桃の花を飾る理由は、
旧暦の3月3日が桃の時季だったからです。
旧暦の3月3日は新暦では、
時期的に4月以降なのです。
(月の満ち欠けをもとに作られていた旧暦と
太陽の動きをもとに作られていた新暦では
ひと月以上の差がある。)
さて、この時期から多くの人が
桜の開花について気にし始めますが、
桜だけではなく桃の開花についても
情報は出ています。
桃の花を楽しむスポットも
日本中にちゃんとあります。
「咲く」なのに「笑う」?
桃始笑には「笑」という字が含まれています。
これは、花笑み(はなえみ)の笑みです。
現代では、花が「さく」のならば、
笑ではなく咲じゃないの?
と思ってしまいそうですが、
花が咲くことを、笑むとも表現します。
そして、咲と書いても
「わら」う、や
「えみ」と読んだりします。
花笑みという言葉は、
花が咲くことだけではなく、
つぼみを開いた花のように
美しい微笑みにも使います。
日本語らしい詩的で優しい表現ですね。
花のつぼみがほころぶとも、
笑顔がほころぶとも言いますね。
春の陽気に花笑む桃を見上げる
あなたとあなたの大切な人の笑みが、
優しくほころぶことを願っています。
水墨画で七十二候を描く〜桃始笑(ももはじめてさく)
桃と似た花といえば、桜と梅。
よく見れば全然違うのですが、
そのどれもが他の花同様、
鑑賞用に品種改良されているため、
一重咲き、八重咲きと形を変え、
大きさを変え色を変えて
余計にわかりづらくなっていたりします。
さらにそこに杏が入ってくると
さらにややこしいです。
絵に描く場合は、それぞれの特徴を
ちゃんと認識しつつ描きます。
見たままぼんやり描くよりも
知って意識して描くほうが形になります。
それは見る場合も同じなんですよね。
鑑賞も「知っているほうが楽しい」のです。
桃の花が見頃の時期は、
だいたい3月下旬から4月上旬で、
桜と被ります。
ひょっとして桃の花を見上げて、
今年の桜も綺麗だなあ、
なんて言ってたりしませんか?
私もこんなことを言っていますが、
人のことは言えないんですけどね。
先ほども話しましたが、
知るって大切なんですよね。
桃の開花情報も
ネットで調べられますから、
桜ばかりではなく
桃の花見にも出かけてみませんか?
まとめ
今回話したのは、
- 七十二候・桃始笑(ももはじめてさく)
- 水墨画で描いた桃始笑(ももはじめてさく)
についてでした。
次の七十二候は、
啓蟄末候 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)です。