水墨画初心者向け〜水墨画は和紙じゃなきゃダメなのか

水墨画は、墨で和紙に描いた時の
「効果」を利用して描かれています。

その効果も含めての水墨画なので、
やはり和紙は必要になってきます。

和紙を買うのって、
別に難しいことではないです。
画材屋さんやネットでも、
わかりやすく水墨画用紙と
名付けられた和紙が売っていますし、
初めはそれからでもいいのです。

ここでは、水墨画でなぜ和紙を使うのか、
とその歴史、和紙の買い方、
水墨画というジャンルについて、
話していきます。

(*ここでは書や絵を描くための紙を、
「和紙」と呼んで説明しています。

和紙については以下の記事も参考にしてください。)

「水墨画や書道は和紙に描く?」〜和紙ってなに?

なぜ和紙を使うのか〜 和紙だから起きる4つの効果

にじみやかすれを使い描いています。@yatsukatoru

先に話した通り、水墨画は
和紙に描くことで起きる4つの効果を
利用して描いていきます。

その4つの効果とは、

冴え、かすれ、にじみ、ぼかし、です。

にじみの少ない和紙に描くこともありますが、
ちゃんと技法があります。

こういったテクニックを使い描いていかないと、
ちゃんとした水墨画にはなりません。

墨を使う必要すらないような、
ただの白黒の絵の出来上がりです。

それはどんなに上手でも、
何億円で売れても、

水墨画ではなくて、
白黒の絵なのです。

和紙は水墨画とともにある

水墨画は中国で生まれ、
唐紙と呼ばれる中国生まれの紙に
描かれていました。
その唐紙に習って日本で作られ始めたのが、
和紙です。

水墨画も同じく、
中国から日本に渡ってきたものです。
なので唐紙も和紙も、
上記の 4つの効果が起きるということです。

それ以降、日本に洋紙が
渡ってきたこともありましたが、
本格的な普及は明治時代になってからです。

それまで人々の生活に根差していた紙は
和紙であり、
その中で、水墨画は発展してきました。

墨と筆と硯と和紙で、
先人達が素晴らしい絵を描き残し、
「水墨画」というジャンルを
作り上げてきたのです。

和紙しかなかったから、
和紙に描いていた

のかもしれませんが、

どちらにせよ、
和紙しかなかったからこそ、
水墨画の技法が生まれた
のです。

たとえば、水墨画は基本、
重ね塗りはしません。
和紙はそれをやると絵が汚くなるからです。

だからこそ生まれてきた描き方
というものがあり、
それが水墨画の美しさに
つながっているのです。

和紙を買うのって難しい?

和紙を買うのって、
別に難しいことではないです。

画材屋さんやネットでも、
わかりやすく「水墨画用紙」と名付けられた
和紙が売っていますし、
初めはそれからでもいいのです。

それで水墨画の効果を学び、
やがて自分の絵に合わせて、
にじみやすい和紙を探したり、
あまりにじまない和紙を探したり、
自分が使いやすい和紙を探していけば
いいだけです。

その辺はやっていけばわかってくることです。

水彩画だって油絵だって、
絵以外の何を始めるにしても
それぞれに適した物を揃えますよね。

それと同じことです。

水墨画というジャンルの絵を描くということ

和紙を使っていなくても、
今回話した効果や水墨画の技法を
使っていなくても、
素晴らしい絵を描かれる作家さんは
たくさんいます。

絵が良いかどうか、
買いたいかどうか、
それを決めるのは、
絵のジャンルや技法
などの作家側のこだわりではなく、
その絵を見た第三者の心です。

ならば、

そうやって人を感動させているなら
それでいいじゃないか

と言いたいところかもしれませんが、
それを言ったら絵のジャンル自体が
意味を失います。

水墨画だからこそできる技法と
その技法が魅せる奥深さがあり、
水墨画だからこそできる
人の惹きつけ方があるのです。


水墨画は和紙に描く

ということは、
そのために欠かせない
大事なことのひとつなのです。

まとめ

今回話したのは、

  • 和紙を選ぶ理由と4つの効果
  • 和紙の歴史
  • 和紙の購入について
  • 水墨画というジャンルについて

です。

「水墨画は和紙」に描いていきましょう。
そして水墨画にしかない美しさを見つけましょう。