はじめまして。
水墨画家の八束徹です。
今回は和紙についてのお話です。
和紙といったら襖や障子もそうですね。
それがどう水墨画や書道につながるのかを、
これからお話しします。
というわけで今回の記事では、
和紙の簡単な歴史から種類、
について話していきます。
目次
和紙とは?和紙についての簡単な歴史

和紙とは日本に昔からある紙のことです。
和紙は、植物の樹皮から取る繊維を
漉(す)いて作られています。
絵を描いたり字を書いたりする
ためだけではなくて、
扇子やちり紙、障子に襖、
または飾り物として
貼り絵やちぎり絵などに使うもの、
色や模様がついたものもあります。
やがて技術の向上により、油を使い
防水効果を施す技術も生まれ、
和傘などに繋がっていきました。
和紙はそうやって古の日本人の生活に
当たり前のように寄り添い、
根差してきた道具なのです。
それに対して海外から入ってきた紙を
洋紙といいます。
植物の樹皮の繊維からではなく、
樹木の幹の繊維(木材パルプ)から
作られています。
明治時代に日本でも
洋紙が製造販売されるようになり、
それにともなって、
それまで日本にあった紙を、
「和紙」と呼ぶようになりました。
現代では、大学ノートや、雑誌、新聞、
ティッシュ、トイレットペーパーにいたるまで、
至るところに洋紙が溢れていますね。
和紙は主役の座を奪われてしまったのです。
そして海外から来た洋紙を「紙」と呼び、
日本に元からある紙を
「和紙」と呼ぶようになりました。
和紙の代表的な4つの原料(繊維)について

1.楮紙(こうぞがみ)
楮(こうぞ)が原料。
クワ科の植物。
楮の樹皮の繊維を漉いて作られるもの。
繊維が長い。
2.雁皮紙(がんぴし)
雁皮(がんぴ)が原料。
ジンチョウゲ科の植物。
雁皮の樹皮の繊維を漉いて作られるもの。
繊維が細く短い。
楮と混ぜて鳥の子紙が作られる。
3.三椏紙(みつまたがみ)
三椏(みつまた)が原料。
雁皮同様ジンチョウゲ科の植物。
三椏の樹皮の繊維を漉いて作られるもの。
繊維は細く短い。
4.麻紙(まし、あさがみ)
麻繊維を漉いて作られるもの。
一番歴史が古い製紙方法です。
麻とは、広い意味では
植物の繊維の総称で、
狭い意味では大麻草と呼ばれる
アサ科の植物のことです。
初めは狭い意味のほうの
麻の繊維での製紙でしたが、
繊維が強く長いため
生産に手間がかかり、
その後、色々な工夫改良が
なされるようになりました。
唐紙(からかみ)と画仙紙について

まず中国で作られている紙で
唐紙というものがあります。
「京から紙」や「江戸から紙」などの、
襖などに使われる「唐紙」のことでは
ありません。
原料は竹、藁、桑。
どの原料も繊維が短いので、
墨が滲みやすいです。
その中の宣紙と呼ばれるものが、
最高級の書画用の紙とされています。
青壇樹の樹皮と稲藁が原料。
この宣紙が画仙紙になったと
言われています。
やがて画仙紙という名称は
この和の国において、
書画用の紙の総称となり、
日本で作られる書画用の紙も
同じように画仙紙と呼んだりするように
なります。
そして中国製を本画仙、
日本製を和画仙とわけるようになったのです。
本画仙は、唐紙で、
和画仙は、和紙ということですね。
書画用としての和紙

書や絵を描くための和紙があり、
絵を描く人はこれらの総称として
(書画の際の)和紙と
まとめて呼んでいる感じです。
他には水墨画用紙、画仙紙など。
これは上記の唐紙も含まれますね。
現在、日本では先述の材料を混ぜたりと
改良を重ねて、たくさんの
「書道用紙」「水墨画用紙」「画仙紙」
が作られて販売されています。
地域に根差したものが多く、
品名もそこからつけられています。
(美濃和紙など)
原料の繊維を基準にしても、
色々と混ぜ合わせて作られているので、
それだけで判断できるわけでは
なかったりします。
まとめ

今回話したことは、
- 和紙の簡単な歴史
- 代表的な4つの繊維
- 唐紙と画仙紙について
- 書画用の和紙
についてでした。
和紙も、必ずしも高価なものが
いいというわけではないです。
ただ、紙を変えると墨のにじみ方も変わり、
絵も変わってくるので、
自分がどういった感じで描くのか、
かすれや滲みが強いほうがいいのか
弱いほうがいいのか、
たらし込みを使いたいのか、
または筆の滑り具合などを確かめながら、
自分の作風を見つけ、
それに合った紙を画家自身が
選んでいくことになるのです。



