【時間の無駄】絵を独学で学ぶということ|それでもまだ独学にこだわりますか?

はじめまして。
水墨画アーティストの八束徹です。

購入した教本を読んで、
「これどうやってやるんだろう」
「いまいちわからないな」


そう思ったことはありませんか?
これは絵に限らずです。

そんな時、すぐに質問ができる先生がいたら、
それだけ時間を節約できるはずです。

上手くなりたい。

そう願いその本を買ったりするのに、
なぜ、独学にこだわるのでしょうか。
変だと思いませんか?

この記事では、
独学というものについて、
なぜ人から教わりたくないのか、
教わりたくない理由、
教わることと独学との圧倒的な差について、

話していきます。

そもそも独学とはどういうことをいうのか

殆どの人が考えている独学とは、おそらく、

高い金を出して美大や専門学校には通わず、
師を持たず、
自分で本を買い、
自分の目だけでたくさんの絵を見て、
技法を手に入れていく

こんな感じでしょう。 

しかし、 残念ながら、先人から学ばずに、
自分の頭だけで全てを理解していくのは
無理です。
なぜならその先人も、
そのさらに先人から学んで
習得し成長してきているからです。

自分で本を買えば、安く済みます。
図書館で借りたらタダです。
学校に通うことと比べたら、
出て行くお金の額は雲泥の差です。

しかし美大などに行かなくても
教室を開いている画家がたくさんいます。
リアルでもオンラインでも。

「人に習う」ということは、
そんなに難しいことではありません。

「人から教わる」を避けたいのはなぜか

例えば絵を独学で習得したいと思う人は、

誰にも習わずに、
誰にも頭を下げずに、
一円もお金を使わずに、
プロ並みの絵を描けるようになって、
あわよくばお金を稼ぎ、
人の信頼を得たい。
画家として評価されたい。
誰にも習っていないんだ!凄いね!と言われたい。
才能あるねと驚かれたい。
家族や友人にその絵をあげて喜んでもらいたい。

こんな未来をきっと想像しているのだと思います。

気持ちはとてもわかります。
私も最初はそうでした。

お金も使いたくないし、
人に教わるのも苦手、
そもそも人とあまり関わりたくない
という人もいるでしょう。

私も同じです。

だいだい、絵描き屋なんて、
毎日ポジティブにニコニコ笑いながら
生きてられるタイプのほうが
圧倒的に少ないのではないでしょうか。
ネガティブが作品を作らせることも多いはずです。

だいたいポジティブポジティブ言ってる奴の絵なんて
面白くもなんともありません。

なので、学ぶためとはいえ、
人とかかわりたくない、
そんな気持ちを間違いだとは言いません。

ただ、それで「教わる」ということを
遠ざけてしまっては、
「上手くなりたい」というその願いは
いつまでも表に出ないままです。
結局、要領を得ないまま、
描くことをやめてしまうかも知れませんね。

それでは意味がありませんよね。

人に教わることと、自力で模索することとの圧倒的な差

自分で教本を買い、
自力で技法を学び取る。
もしくは誰かの絵を見て
自力でどう描いているのかを盗み取る。

けれどそれは結局のところ、
その本は誰かが書いたものであり、
その絵は誰かが描いたものであり、
結果的に、
誰かに教わっているということなのです。

そこには煩わしい関わり合いもないし、
自分は自力で学んでいると悦に入ることもできますが、
どうしたって時間の無駄です。

本をにらみながら、
これはどう描いているんだろうと頭を悩ませて
やみくもに描いて具材を無駄にして、
大切な時間を無駄にするより、
初めから上手い人に習えば
その時の質問だけで済みます。

そこでそのやり方を教わってようやく、
それができるようになるための
無駄ではない練習の時間が始まるのです。

例えば1300円の教本を買い、
長い時間をかけて自力で技法を見つけ出すことと、
毎月月謝を支払い、
その場で技法を学ぶことと、

どちらが有益かは一目瞭然です。

1年後、どれだけの差がつくでしょうか。

腕が上がっていけば
自力でわかることも増えるでしょうけど、
それは知識と経験が備わってからの話です。

私も最初は教本を見たりしていましたが、
時間がもったいないと気づき、
師の元で学ぶようになりました。

おかげで絵が劇的に変わりました。

今でも一人でやっていたら、
公募展に入選することさえなかったはずです。

誰かに習うことで個性は死ぬのか

師について学ぶと、
個性がなくなるのではないか。

こういう心配事も出てくると思います。

絵は個性が大事ですから。

誰にも似せたくない、
誰にも似たくない、

これが唯一無二の自分の絵なんだと。

そういう我の強さは必要です。
画家としてあるべき姿です。
だからこそ、習いに行くような人は、
個性のないつまらない絵描きなんだと
そんな声も聞こえてきそうですが。

実際、だいたいの教室は
師の描いた絵を元に、
それと同じものを描く形式だと思います。

そして、ここはこう描く、ここはこう描く、
などとその通りにやっていると
全く同じ絵ができてしまいそうですよね。

しかし、描き上がった絵は、
どの生徒さんもすべて違っているものです。
師のように技法を上手に使えないことによる
未熟さとはまた別な話で、
絵は似せようと思っても似せられないのです。

それは今までその人が生きてきた過程が
違うからです。

好きな絵、影響を受けた絵、憧れた絵、
自然に心に取り込まれてきた絵、
それがその人の個性となるわけなので、
いうなれば師匠と同じ絵を描くには
師匠と同じ人生を歩んでこなければならない
ということになるです。

だから個性は死ぬことはありませんから
安心してください。

逆に個性を隠したい人もいます。

自分の個性を未熟さだと受け止めて、
ひたすらに師と同じように
描くことを目指します。
正直、それがなによりも一番難しいことだと
私は思うんですが。

その、似せようとして似せられない
ということこそ、個性です。
それを大切にしてください。

間違いでも恥でもありません。

それでも独学で習得したいのならば

それでも独学にこだわるならば

初めから一人で紙に向かい、
教本も読まずネット画像も漁らず、

誰に教わらずとも、瞬時に技を会得し
傑作を描き上げてしまうだけの

類稀なる才能が必要ということです。

それがあるならば独学で大丈夫です。

あとは、1日で得られるものを、
1年かけても一人で学びたい
というのんびりした人。

もしくは、学べなくても
仕方ないと諦められる、
初めからやる意味のない人。

教本代はかかっても、
月謝は払いたくないという人。

あなたがそういう人ならば、
無理に人に教わる必要はないです。

まとめ

  • 独学とは何を指すのか
  • なぜ人から教わりたくないのか
  • 教わりたくない理由
  • 教わることと独学との圧倒的な差
  • 個性は死にません
  • 独学に向いている人

今回はこれらのことについて話してきました。

いろんな姿勢がありますから、
それぞれでいいんです。

別に趣味でいいし、
そんなにうまくならなくてもいいなら
お金を出して習う必要もありません。

余計に人に関わらずに済みます。


けれど、やるからにはちゃんと覚えたい。
うまくなりたい。

そういう気持ちがある方には、

大切な時間を無駄にしないためにも、
誰かにちゃんと習うことをお勧めします。