筆選びは悩んだらキリがありません。
まず、初めて買うのに、
店頭にたくさん並んだものの違いなど
わかりようがありませんよね。
私も全てのものを手に入れて描き比べたわけではないし、
そんなことをするつもりもありません。
てゆうか、誰もやらないです。
ここでは、あれば便利な予備知識として、
筆の毛の質、大きさ、穂先、軸などその種類、
そして筆ペンについて簡単に話していきます。
目次
毛の質について
動物の毛を使っているもの
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2020/09/e0032-1.jpg)
どの動物の毛かによって硬さが違います。
剛毛筆(ごうもうひつ)
岩など硬いものを表現する際に使います。
弾力も強く、文字通り硬い印象の線になります。
墨の含みが悪いため、かすれが出やすいです。
馬、狸、イタチなどの茶色い毛です。
柔毛筆(じゅうもうひつ)
優しい印象を与えることができます。
弾力が弱いので、筆に慣れていないと描きづらいです。
墨の含みが良く、かすれもすぐには出ません。
代表的なのは、山羊の白い毛です。
兼毛筆(けんもうひつ)
その名の通り、上記の剛毛と柔毛の
特徴を兼ね合わせていいとこ取りした筆です。
上記の2本を使い分けるのと比べれば
表現の幅は狭くなりますが、
どっちも安くはないので、
まずは兼毛筆から始めるのが無難です。
初心者向けとされる長流などは、兼毛筆です。
私は今でもメインは長流です。
ナイロン製のもの
近年はナイロン筆でも質の良いもの、
ナイロンと動物の毛を混ぜたものも作られています。
前向きに考えて、新しい世界を作っていくのも
いいですね。
筆の大きさについて
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2020/09/e0039.jpg)
太筆
基本的に、太い線、面で描く場合に使います。
大きくなるほど、穂先が長く太くなり、
含む墨や水の量が増えて描き込める面積が広がります。
小筆
基本的に、細い線を描く場合に使います。
穂先すべてを使わず、先端だけをほぐして使います。
細い線を描く筆としては
面相筆(めんそうふで)というものもあります。
穂先の長さについて
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2020/09/e0034.jpg)
書道であれば、穂先の短い筆から
慣れていくという覚え方もあります。
筆先のしなりが大きくなればなるほど、
最初は描きづらいからです。
ペンから筆に変えた場合などは
感触がまるで違いますから、
最初はしなりの少ないものから
徐々になれていくという方法です。
ですが水墨画は面で書いたり線で描いたり、
筆をつぶして描いたりしますので、
穂先の長い筆は最初から必要になってきます。
軸について
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2020/09/e0199.jpg)
ダルマ軸と普通軸があります。
写真はダルマ軸。
手元が膨らんでいるのがダルマ軸。
真っ直ぐなので普通の軸です。
お子さんなど手が小さい方が、
穂先の太いものを使いたい場合などに良いですね。
この辺は慣れです。
それに合わせて考えていきましょう。
筆ペンについて
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2020/09/e0192.jpg)
筆ペンの穂先はほとんどがナイロン製で、
入っている染料も墨ではなくインクです。
面で描くには穂先が短いので、
小筆に近い使い方になります。
もともと、字を書くために作られているものですので、
これ一本では水墨画の技法には追いつきません。
筆ペンについては、下記の記事も
参考にしてみてください。
まとめ
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2020/09/e0198.jpg)
今回話したのは、
- 筆の毛の質について
- 筆の大きさについて
- 筆の穂先の長さについて
- 筆の軸について
- 筆ペンについて
です。
筆ひとつ違うだけで、同じ絵を描いても、
表現力や与える印象が変わります。
そのうち、それを使い分けて表現の幅を
広げていくようになるでしょう。
ここは馬毛筆を使ってみよう
ここを柔らかい筆で描いたらどうだろう
描いていけばこんなふうになっていくものです。
筆の使い分けはそうなってからで良いです。
どちらにせよ、合うものが見つかるか、
使っているものに慣れていくか。
道具との出会いもご縁です。
いいと思ったら結局そればっかり使ってる
みたいな感じもありますしね。
とりあえず最初は安いものからでいいので。
最後に100円ショップのものはおすすめしませんが。
それでは、気の合う筆とのご縁を願って、
私もこれから物色しに行ってきます。