バイク用のレザージャケットに絵を描く〜ラッカーペイント

バイク用のレザージャケットに絵を描きました。

描いたのは、
月に羽ばたくカラスです。

ヘルメットに描いた時は気づかなかった、

ラッカー塗料でも水墨画風にできる

という発見があって、
大きな収穫でした。

この記事では、用意したジャケットと素材、
そのデザイン決めた理由、実際の製作過程、
そしてそれを羽織ってのライディングまでを書きました。

↑ヘルメットに描いた時の記事はこちらです

用意したレザージャケットと画材

用意したジャケットの色はブラウン。

本物の皮ではなく、
ポリウレタンコーティングされた合皮です。

初めは、白色で描く予定でした。

画材はヘルメットの時と同じものを使用。
mr.カラーの白と黒と金。薄め液。
筆は、面相筆、付立筆です。

何を描くか決める〜カラスにした理由

フリー画像を見ながら
最終的にカラスに決めました。

見つけた飛び立つ後ろ姿の写真が魅力的で、
これだ!とそれを参考にして描きました。

仲間意識が強く大勢で群れる習性がありながら、
一羽ではぐれていたり、
それが孤独でかっこよく見えたり、
都会でよく見かけたり、
悪戯好きで意地が悪かったり

そんなカラスが妙に人間っぽくて好きなんですよね。
私の勝手なイメージですが。

そんなふうに思い入れのあるカラスを、
ライディングする自分の背中で
羽ばたかせたいとそう思ったのです。

いざ描く

白いカラスから黒いカラスへ

初めは、白色で描く予定でした。

頭でもそれをイメージしていたのですが、
ブラウンのジャケットなら黒でもわかるし、
闇夜に浮かぶ感じになるなと考え、
黒で描くことにしました。

とはいえ真っ黒にベタ塗りしては味気がないので、
グレーや白を混ぜて立体感を出しました。

カラス一羽では物足りないので
何か付け足したいところですが、
周りの崖をラッカー塗料で描くと
妙にくっきりした絵になりそうなので断念して、
金で満月を描くことにしました。

そして塗料の蓋を開けると、
入れ物の底にちょっと残っているだけ。。

満月から三日月へ変更。
これが功を奏しました。

そもそも、どーんと満月では
このカラスには合いませんでしたしね。

発見!ラッカー塗料で水墨画風に描く方法

これで完成かな?
そう思って遠目に見てみたのですが、
それでも何か足りない。

やはり周りの崖は描きたい。
水墨画っぽさを少しでも出したい。

そう思いながら、
いったん薄め液で軽く筆を洗って
普段の作画で失敗したまま積み重ねてある和紙で筆を拭き、
なんとなく広げたその紙を広げたら、

墨でやっている時のような薄墨と
濃墨が混じった色合い

になっていたのです。

そうか、
「水=薄め液」
の発想でいいんだと。
ラッカーと墨が同じ効果にはなりませんが、
似たような感じを出すことができるのだとわかり、
さっそく崖を描きました。

更に夜の雲も。

夢か目標か〜自分のための言葉を入れる

最後に文字を入れます。
選んだのは、四字熟語の神怡心静(しんいしんせい)。
意味としては、
精神が和らぎ、楽しみ、心が静かだといった感じです。
初め、月の入る熟語を選ぼうと思っていたのですが、
その意味合いからして、
神怡心静のほうがその時の私にはしっくりきました。

運転がだんだん荒れてきていましたからね。

とにかく優しい運転ができていませんでした。
事故にも遭いかけたし。

なので今一度、自分をさとす意味も含めて、
これにしました。

気分が上がるライディング

本来ならこれで乾くのを数日待つのですが、
待ちきれずさっそく着て走りに出ちゃいました。

描き終えてすぐに。

背中に自分の思い入れを背負っているって
思ったより気分が上がります。
選んだ言葉が、自分を導いてくれているような
気分にもなります。

孤独なカラスが、胸に刻んだ言葉とともにひとり走る

そんなストーリーと重ね合わせた自分を、
きっとかっこよく見えているはずの自分を想像しながら、
後ろの車は私の背中が気になってたりしているかなあなんて思いながら。

もちろん、静かな心を忘れずに。

まとめ

今回話したのは、

  • 用意したジャケットの素材
  • そのデザイン(カラス)に決めた理由
  • ラッカーを使用しての製作過程
  • 完成品を羽織ってのライディング

についてです。

これを羽織って風を切る自分自身のハートと、
周囲の気持ちとはだいぶ違うかもしれませんね。

けれどライダーってそういうものです。
それでいいのです。

かっこつけていていいんです。