酒を愛した歌人、若山牧水。
その名を知ったのはつい最近のことです。
沼津に記念館があると知り、
ツーリングを兼ねて、行ってきました。
この記事では、
その若山牧水のこと、
記念館の駐車場や館内の様子、
について話していきます。
天候は曇り。
ライディング日和。
9月中旬。
服装は厚着でもなく薄着でもなく。
目次
千本松に囲まれた沼津市若山牧水記念館
若山牧水について
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2020/09/bike0222.jpg)
戦前に活躍した歌人です。
歌人とは短歌や和歌などを詠む人のことです。
「牧水」の名は自ら考えたもので、
「牧」は牧水の母の名前から、
「水」は実家の渓谷や雨などから
取ったものだそうです。
これが私が牧水に惹かれた最初の理由でした。
宮崎で生まれ、早稲田大学を出て東京に住み、
のちには沼津の千本松に魅せられて、
沼津に一家総出で移り住み、
沼津を愛し、沼津で亡くなりました。
旅先で歌を詠む日々を続けていて、
旅の歌集も刊行されています。
酒豪家としても知られ一升瓶の酒を
一日で飲み干すくらいだったそうです。
亡くなった原因も、旅先での体調悪化と、
酒による肝臓への負担が重なったからでした。
享年43歳。
歌集もたくさん残していますが、
それ以外に、自らの歌を書にしたためた作品
(掛け軸など)も多く残していて、
私が記念館に行った最大の理由は、
それが見たかったからでもありました。
若山牧水記念館について
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住所:〒410-0849 静岡県沼津市千本郷林1907-11
電話:055-962-0424
時間:9:00〜17:00(受付は16:30まで)
料金:大人200円、子供100円(小・中学生)
*沼津市内の小中学生は無料
*20名以上は団体扱いで2割引
休館日:月曜定休(祝日に当たる時はその翌日)と年末年始
行き方:沼津駅から記念館前行きバスが出ています。
車だと沼津インターから20分、
駅からだと5〜10分くらいですね。
もちろん駐車場もあります。
バリアフリーになっていたり、
車椅子も貸し出していたりと、
気配りのされた施設です。
館内へ〜展示品の数々
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庭の松に魅せられながら、館内へ。
入場料を払って展示室へ入ります。
展示室は狭いので、さらっと見るだけだと
あっという間に終わってしまいます。
展示物のほとんどはガラス張りの向こうにあるので、
当然手で触れて観覧したりすることはできません。
・飾られた写真に、
その精悍さ、愛情深さなどを感じてしばらく眺める。
・綴られた経歴に、
自分とは違う人生を想像して、思いを馳せる。
・自筆の原稿用紙に、
こういう字なんだ、結構可愛い字だなとか、
当時でも普通にひらがなと漢字で書いてるんだなとか、
展示品自体の古さに、歴史や時代を感じたり、
いくらでも楽しみ方はあります。
世には「想像力」を要求しない
見世物が溢れています。
けれど本当に楽しもうと思ったら、
自ら想像しないと損になってしまうんですよね。
それはさておき、
私がその書物や写真の中で一番衝撃を受けたのが、
この絵でした。
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2020/09/bike0221.jpg)
四年生と書いてありますね。
当時のそれぞれ4年ごとの小学校では、
尋常小学校4年生なら10歳、
高等小学校4年生だとしても14歳です。
今と違って、当時は絵を描くならば
墨で描くのが自然だったのかもしれませんが、
それでもこのレベルです。
筆使い、構図、墨の濃淡などを
自然に使いこなしています。
お目当ての揮毫(きごう)作品も素晴らしかったし、
(*揮毫とはざっくりいうと筆で書いたってことです)
復元された書斎などは、
私もいつかこういう書斎を作ろうという
新しい夢を与えてくれました。
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展示室を出た先の本棚には歌集が並んでいましたが、
手に取ることはしませんでした。
立ち読みではなく、じっくり読みたいので、
後日通販で購入することにして。
展示室に入る時には気づかなかったのですが、
牧水の使っていた机と椅子が入り口にあり、
そこに座り、机に広げられた手帳に
自分の住所と名前を書くことができます。
まあ、芳名帳ですね。
普通は気がつくんですけどね。笑
筆ペンを借り、気持ちを込めて
全て書かせてもらいました。
なんていうかこう、
引き継がれた想いみたいなものが
届く気がして。
そして庭を散策しながら裏手に回ったところ、
裏門から堤防に続く道を見つけたのです。
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広がる海と千本浜
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生い茂る松を潜るようにして丘に上がると、
堤防の先に海が広がっていました。
松の周りにはとんぼが何匹も舞い、
広がるその日の空は、灰色。
左手には沼津港があり、
浜辺には流木がたくさん打ち上げられていました。
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もっと先、というか方向的には戻るって感じなんですが、
千本浜海岸と名付けられた海水浴地や、
千本浜公園があります。
千本浜公園には牧水の歌碑も建てられています。
しかし私は、その千本浜の外れの寂れた景観と
さっき見た牧水のいくつかの歌がリンクしてしまって、
綺麗に整備された場所へ行く気にはなれませんでした。
堤防に座り、しばらくその海を眺めました。
沼津の空の下で、静かに揺れている海を。
そして若山牧水がこの海を見ながら、
どんな風に心を動かされていたのだろうかと
ぼんやりと想像しながら。
まとめ|雨〜急かされた帰り道
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今回話したのは、
- 歌人・若山牧水について
- 若山牧水記念館の駐車場情報
- 若山牧水記念館の館内の様子や作品
についてでした。
記念館を後にしたところで、
ぽつりぽつりと落ちてきた雨。
バイクを停めて、天気予報を確認。
降水確率が上がっていて、
翌日の予報に関しては90%越えでした。
港で海鮮料理をいただく予定でしたが、
雨に降られては困るので、
急いで高速で帰ってきました。
結局運転中に降られることはありませんでしたが、
帰宅後、しばらくして街は雨模様に。
バイクは雨が降ると危険ですからね。
こういう時は、さっさと帰ってくるか
諦めるしかないですね。
諦めるほうを選んだら
そのまま一生帰ってこないかもしれませんが。笑
雨は予報通り翌日も降り続け、
私は雨の音を聞きながら、
久しぶりの日本酒に酔いしれました。
酒豪と呼ばれた牧水ほどには、
呑めないけれど。