復活した夏のお祓い|6月30日は夏越(なごし)の祓え

夏越の祓えとは、神道における
祓(はらえ・はらい)の一つで、
年越の祓と並ぶ神様の儀式のことです。

祓とは、自らの罪や汚れ、
そして災厄を「はらう」儀式。
疫病退散の意味もありました。

ようするに、「お祓い」のことですね。

夏越の祓えとその儀式

夏越は、一年の中間で行い、
年越は、その名の通り、
年末に行われます。

メインの儀式は、以下の二つ。

茅の輪くぐり
→茅(ちがや)という草で編んだ
数メートルの大きな輪を潜る

人形代(ひとかたしろ)
→人の形をした紙を作り
依り代(神様が寄り付くとされるもの)に
息を吹きかける、
もしくは体の悪いところを触り、
川に流す

京都では水無月と呼ばれる
和菓子を食べる風習があります。

2016年になってからは、
夏越ごはんなどというものも
生まれています。

夏越の祓えは、江戸時代に起きた
神仏習合によって
忘れ去られていた儀式ですが、
その後の神仏分離で
再び行われるようになりました。

神仏習合と神仏分離〜宗教には政治が介入している

神仏習合とは、神様の信仰と仏教の信仰を
ひとつにまとめようという考え方で、
神仏分離とはそれを再度二つに
分けようという考え方のことです。

神仏分離は、神道国家を目指す
明治政府が出した、
「神道のくせに仏教みたいなこと
やってんじゃねえよ」
的な命令のことで、
それが日本の仏教を破壊する流れ
(廃仏毀釈(はいぶつきしゃく))
になったのですが、
それはまた別のお話です。

まあ、昔から政治と宗教が密接なのは、
歴史の教科書にも書かれてますね。
直接的じゃないだけで。

いいとこ取りこそ日本人の強み

いずれにせよ「神道」なだけに
まさに神頼みな儀式ではありますが、
こういった行事を行うことは、
ネガティブな気持ちを切り替えたり、
普段忘れていることを
思い出させてくれたりします。

半年間の自分自身を振り返って、
また残りの半年間を
前向きに生きていくための
きっかけにもなります。

日本では信仰は自分次第であり、
それは自分の好きなように
解釈していいということだと思うんですよね。

神様がいるかどうかは置いといても、
自らを見つめ直すために、
儀式に参加することは
何一つ悪いことではないのです。

以前は私もそういう
日本人特有の前向きさ
「都合のいい時の神頼み」
クソ真面目に否定していましたが、
時と場合によっては
別に悪いことではない
んじゃないかと
最近では思う次第です。