冬の雲は低い場所で空に蓋をする〜閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)

見上げた冬の灰色の空は、
私達の生きる世界を
まるで覆うかのようです。

逃げ場のない閉塞感。

一体なぜそんな感覚に
陥るのでしょうね。

こんにちは。
水墨画アーティストの八束徹です。

12月7日から12月11日頃の七十二候は、
大雪初候 閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)です。
二十四節気は、大雪(たいせつ)に変わります。
その大雪を3つに分けたうちの 1番目(初候)です。

この記事では、その閉塞成冬、
そして今回描いた水墨画、

について話していきます。

冬の雲は低い場所で蓋をする〜閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)

冬の空を覆う雲とその種類

閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)とは、
天が塞がって冬となるという意味です。

まさに閉塞(へいそく)という言葉の通り、
どんよりした暗い灰色の空が
まるで蓋をするかのよう
私達の生活の上に覆い被さる。

そんな季節の到来です。

冬の雲は他より低い位置にあるため
余計窮屈さを感じさせますね。
冷えて縮み込んだ体と心を
余計にまた縛り付けるかのようです。

空に蓋をしているのはその
「雲」なのですが、
冬の雲にも種類があります。

まずは凍雲(いてぐも)。

手を伸ばせば届きそうな、
黒い影をともなった雲です。
凍雲は長い間そこに留まって、
地上を薄暗くし続けるため、
どんよりとした冬を表現するのに
びったりです。

それから、層積雲(そうせきうん)

畝雲(うねぐも)、むら雲、
まだら雲とも呼ばれています。

小さな雲の塊が連なってできる雲で、
それが、畝(うね=畑の土を盛り上げて
列になっている状態)のようだったり、
まだらになっていたりします。

風が強くなると、形が崩れます。
雲の流れを見て自然を探る方法の
ひとつですね。

日本海側と太平洋側は空が違う?

話は前後しますが、この雲の話、
日本海側と太平洋では様子が違ってきます。

シベリアから来る乾いた冬の季節風は
日本海を渡ってくるわけですが、
その途中、海面上で暖められ、
さらにその海の水分を含みながら
日本に上陸します。

そのため渡ってくる風の下層部は
暖かく湿った空気になっていて、
それが原因になって大気が乱れ、
層積雲が生まれるわけです。

その冬の雲がやがて
雪を降らせるのですが、
その雲は日本列島の高い山を
越えられない
ため、
太平洋側には晴れた空が
ひろがることになります。

なので冬の重く低い空は日本海側に多く
太平洋側ではあまり
見られないものなのです。

ちなみに夏の季節風は、
太平洋側から吹いてきて
山脈にぶつかるので、
太平洋側に雨が多く、
日本海側に乾いた風を
送り込むことになります。

こういった事情から、
どんよりした重く陰鬱な雲は、
日本海側に多く発達するのです。

水墨画で七十二候を描く〜閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)

層積雲から漏れる太陽光。
天使の梯子を描きました。

これはすべて刷毛で描いています。
冬の雲なので覆い被さる感じを出すために、
手前の雲(上の雲)は横に広げました。

天使の梯子とは、薄明光線のことです。

太陽が低い位置にある時によくを見られる、
雲の隙間から漏れてくる太陽の光のことです。

光が地上に降りてくるその様子は、
その美しさを楽しむためだけのものではなく、
宗教的な意味合いでも使われています。

天使の梯子と言う呼び方も
実際にその光とともに、
天使が降りてくるものとされて、
つけられた名前です。

それは化学の進歩が追いついていなかった
時代の名残ですが、 
それが天使だというのならば、
そう信じる人には、
それが正しいのです。

まとめ

今回話したのは、

  • 七十二候・閉塞成冬
  • 水墨画で描いた閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)

についてでした。

次の七十二候は、
大雪次候 熊蟄穴(くまあなにこもる)です。