カナカナカナ…夕闇に響く鳴き声。ヒグラシは夏の終わりに生まれるの?〜七十二候・寒蝉鳴(ひぐらしなく)

夕闇に響き渡るヒグラシの鳴き声は、
いつもどこか寂しさを漂わせていますね。
夏の終わりを感じて、
涼感さえ与えてくれます。

そんなヒグラシですが、
別に他のセミより遅く
生まれてくるわけではないのです。

こんにちは。
水墨画アーティストの八束徹です。

8月12日から8月17日頃の七十二候は、
立秋次候 寒蝉鳴(ひぐらしなく)です。
二十四節気では、立秋(りっしゅう)
その立秋を3つに分けたうちの2番目(次候)です。

この記事では、その寒蝉鳴、
今回描いた水墨画、

について話していきます。

カナカナカナ…夕闇に響くヒグラシの鳴き声〜寒蝉鳴(ひぐらしなく)

夏の終わりの寂しさとともに

寒蝉鳴(ひぐらしなく)とは、
蜩が鳴き始めるという意味です。

チチチチチチ・・・・・・
カナカナカナ・・・・・・

夏が影を潜め始めた、
哀愁漂う夕闇に響き渡る鳴き声。

ヒグラシはそんなイメージが強いですし、
七十二候でもこの時期にあわせて、
「ひぐらしなく」としています。
寒い蝉と書く時点で、
まさにその漢字の通りでしょう。

しかし実際はヒグラシは
もっと早い時期から生まれる蝉であり、
梅雨の時期から真夏にかけても
ちゃんと生息しています。

鳴くのは朝夕の涼しい時間帯ですが、
他のセミが目立つせいか
私達が夏の暑さに幻を見ているからか

ひぐらしの声が耳に入ってくるのは
なぜか夏の終わりを感じるように
なってからですね。

夏休みが終わりを迎える寂しさと
リンクしていたヒグラシの鳴き声。
ほったらかしていた宿題。
墓参りを終えて帰っていった親戚。
母親の夕食の支度。

けれど、夏の終わりの寂しさは、
大人になってからも変わりませんね。
寂しさの種類が
違ってしまっただけで。

蝉が仰向けで死ぬ理由とは?

ベランダや階段などで見かける、
ひっくり返った蝉」。
脇を通り過ぎようとしたり、
片付けようとしたりすると、
お決まりの「あの状態」になりますよね。
わかっていても毎回、
心臓が止まりそうになります。

セミがひっくり返っているのは、
重い体に対して足が細いため、
着地する際や何かにつかまるのに
失敗したからです。
寿命が近づいて脚力がなくなった
場合だけではなく、
元気な時でも、ひっくり返ると
自力では起きれないのです。

ひっくり返っていても、
足を開いていればまだ生きてます。
起こしてやればまた飛びます。
飛ぶのが下手なので、
例によってあなたに
ぶつかってくるかもしれませんが。

水墨画で七十二候を描く〜寒蝉鳴(ひぐらしなく)

そんなわけで今回は、
ひっくり返った蝉を描きました。

体も羽根も薄墨で形を取ってから、
濃墨で、目、脚、輪郭などを描いています。

濃墨でくっきりさせたい部分は、
最初の薄墨が乾いてから
筆を入れています。

この絵の蝉は脚を広げているので、
まだ生きようとしていますね。

諦めていません。

しかしどちらにせよ、
ひっくり返ったまま終わりを迎えても、
土の上ならばその視野の広い目で
長く過ごした地面を見ながら逝ける

ベランダなんかのアスファルトの上では、
郷愁もままならない。

彼らも生まれてきた土の上で
死にたいでしょうから、
この絵も地面は土にしました。

まとめ

今回話したのは、

  • 七十二候・寒蝉鳴
  • 水墨画で描いた寒蝉鳴(ひぐらしなく)

についてでした。

次の七十二候は、
立秋末候 蒙霧升降(ふかききりまとう)です。