こんにちは。
水墨画アーティストの八束徹です。
虹始見(にじはじめてあらわる)とは、
雨の後に虹が出始めるという意味です。
七つの色があるとされる、虹。
雨上がり、見上げた空にかかる虹は
とても神秘的ですね。
遠い昔の人はそれが天と地を
つないでいると信じていました。
その7つの色には、
古来より数え方があるのです。
この記事では、その虹始見、
今回描いた水墨画、
について話していきます。
*4月15日から4月19日頃の七十二候は、
清明末候 虹始見(にじはじめてあらわる)です。
二十四節気では、清明(せいめい)。
その清明を3つに分けたうちの3番目(末候)です。
目次
七十二候・虹始見(にじはじめてあらわる)
虹の色の数え方
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/04/4-11.jpg)
七色の虹とはいいますが、
色の認識は国によって違ったりします。
日本では、外側から、
赤・橙・黃・緑・青・藍・紫
(せきとうおうりょくせいらんし)の7色です。
春先から現れ始める虹。
太陽が空の雨滴を通過して生まれる虹。
畳んだ傘を抱えて歩く学校からの帰り道、
雨上がりの空に虹がかかっていると、
何か得した気持ちになったものです。
というか、私は今でもそうです。
虹に心が躍るのは
いくつ歳を重ねても変わりません。
ホースの水でも人工的に作れるとはいえ、
空にかかるあの風景が見たいわけで。
心にしまわれた情景のひとつなわけで。
虹は天と地をつなぐ架け橋
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/07/6-5.jpg)
最初に話したように、
虹は太陽が雨粒などの水滴を通過して
生まれます。
しかし大気が潤っている真夏とは違い、
冬の乾燥から抜け出したばかりの
春の大気では、
くっきりした虹は生まれません。
しかしそれが春の虹であり、
そんな淡く力なく、
儚ささえ漂わせる姿が
美しくもあり
心を落ち着かせてくれるのです。
遠い昔の人達は、
虹は天と地を繋ぐ架け橋
だと信じていました。
ロマンチックですよね。
夢は夢だから良いのです。
春が来たと言っても雨も冷たいし、
寒い夜もあるでしょう。
なんとなく寂しい日には、
雨上がりの空を探してみるのは
いかがでしょうか?
あなたの暮らしに神様の贈り物が、
届くかもしれません。
届かなければ次の季節をまた待ちましょう。
慌てずに待ちましょうね。
【作品紹介】水墨画で七十二候を描く〜虹始見(にじはじめてあらわる)
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2023/01/nijihajimetehiraku.jpg)
「淡い虹がかかる季節になった」
今回の七十二候はそんな意味なので
遠い春の山あいに架かる
春の虹を描きました。
虹が主役ですが、派手さを避けて
遠くに小さく見えるように描いています。
まずは遠景を描き、
その奥に虹を走らせています。
目的はその美しさと春の虹の儚さを
表現することです。
そのために「赤橙黃緑青藍紫」の7つの虹色を
そのまま全部描く必要はありません。
水墨画は引き算です。
儚さ、無駄のなさを描くのには
特化したジャンルだというのが
わかると思います。
この時期の雨の冷たさを忘れられる
夏がやがてやってきます。
高く青い空を覆う入道雲は
夏の激しい雨を降らせますが、
その代わりに天に届く
鮮やかな虹も届けてくれます。
今とは違う、夏のくっきりとした虹を。
けれど私があなたに届けたいのは、
この時期の淡い儚い虹です。
優しい虹模様です。
繰り返すあなたの季節に夢が
広がりますように。
●絵のサイズ 半紙(F4) 334mm×243mm
●額装について
サイズ – 太子 379mm×288mm
色 – 白
マット色 – 薄藤
*著作権は八束徹に帰属します。
絵のダウンロードや無断転載はお控えください。
まとめ
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/04/5-6.jpg)
今回話したのは、
- 七十二候・虹始見(にじはじめてあらわる)
- 水墨画で描いた虹始見(にじはじめてあらわる)
についてでした。
次の七十二候は、
穀雨初候 葭始生(あしはじめてしょうず)です。
二十四節気が穀雨に変わります。