バイクのヘルメットに龍を描く〜初めてのラッカー塗料ペイント

私物のヘルメットに龍を描きました。

この記事では、絵を描いたヘルメットの素材から、
実際に画材を揃え、デザインを決めて、画
材の特性を学びながら描きあげて仕上げるまでを、
話していきます。


水墨画は墨や顔彩しか使わないので、
画材を揃えるところから苦戦しましたが、
なんとか形になりました。

※各メーカーでは、品質の低下による
危険性を考慮し、塗装を推奨していません。
参考にされる場合は自己責任でお願いします。

使用しているヘルメット

私が使用しているのは、
OGKカブトkazamiのフラットブラックです。
帽体は高性能サーモプラスチックです。

購入して半年です。
細かい傷がちょこちょことあり、
それを目立たなくする目的もありましたが、
やはり絵描きとしては、
自分で何かデザインしたいという想いから、
チャレンジすることにしました。

最終的に、スキルアップにもつながりました。

画材を揃える

絵の具

ラッカー塗料は筆が水洗いできないため、
うすめ液も用意しました。

パレット

ラッカー塗料なので、
専用で使うものが必要ですね。
水彩用に買った使っていないものがあったはずでしたが、
見当たらなかったので、
取り急ぎ、今回は小さなダンボールの箱と
プラスチックの蓋を使いました。

実際、パレットは100均で売っているものでも
問題なかったと思います。

使ったものは古くなった筆と、
世界堂で新しく買った刷毛。
この2本です。

水墨画の技法でもある、
面だけで描いた完成図を思い描いていたので、
細い筆は用意しませんでした。

トップコート

コーティングは、同じMr.カラーの
Mr.スーパーカラーつや消しを用意。
元々のフラットブラックがお気に入りなので、
つや消しにしました。

いざ描く

デザインを決める

ヘルメットの顔が見える部分を口に見立てて、
咆哮する龍のデザインにしました。
ある程度の流れを決め、
あとは筆の赴くままに描いていきます。
墨ではなくラッカー塗料とはいえ、
私の基本は水墨画です。
下書きはしません。

しかしながら、普段、
和紙に描いている感覚とは違い、
思った以上に苦戦しました。

筆にどのくらい塗料をつければ、
どのくらい絵の具が続くのか。
カスレを出すには?
塗料が垂れないようにするには?

ぶっつけ本番で試行錯誤しながら
書き進めていきました。

画材の特性を知る

そうして描いていると、
かすれの出し方もそうですが、
塗料が垂れた状態も時には
絵として活かせることがわかってきます。

そうなると、楽しさが増してきます。

難しかったのは、ヘルメットには
結構でこぼこがあることですね。
払った筆が引っかかり、
描きたい先まで筆が届かなかったりしたので。

それから水墨画は重ね塗りは基本しませんが、
ラッカーはそれもありですね。
そうすることで出る味も
あるのだと知りました。

大事なのは常に自分の絵を描くこと

絵を描く時に
間違いだと思うことのひとつに、
見たことのある「誰かの絵」に
気持ちを引っ張られてしまう

ということがあります。

たとえば、今回で言えば、
巷でよく見かける感じの、

ヘルメットに描かれているような絵やデザイン。

ヘルメットの絵ってこんな感じだよなあ、
というもの。

それを想い描きながら描くと
自分の絵の印象を薄くしてしまいます。
いつも通りの絵なのに、
失敗作だと思ってしまうのです。


今回はこういう絵、
次回はこういう絵
などと変える必要はありませんから。

画材の使い方による違いはあれど、
大切なことは、いつも
「自分の絵を描く」
ということです。

今回初めての試みでしたので
不安に負けて気持ちを持っていかれないように
自分に言い聞かせながら描きました。

完成

最後に画竜点睛、すなわち、ひとみを描き入れて、完成です。   
黒字に白と金で完成予想図に近かったので、安心しました。

筆を洗う

うすめ液で筆を洗います。

こちらもシンナーの臭いが強いので
充分な換気が必要です。

仕上げ

2時間ほど乾かしてから、
マスキングをほどこし、
クリアコートを吹きつけます。

少し離しながら、同じところに何重にも
ならないように全体に吹きつけました。

まとめ

今回話したことは、

  • 私のヘルメットについて
  • 画材を揃える
  • 描く際のデザイン決めや画材の特性について
  • クリアコートでの仕上げ

です。

今回私物にお試しで描いてみた感じなのですが、
実際やってみると思った以上に
楽しかったです。
塗料や素材の特徴を理解し、
それを活かして描けば、
もっとカッコ良くできたはずです。

こちらのペイントに関しても 勉強していきたいと思っています。

何はともあれ、
唯一無二のものを身につけて走るのは爽快でした。

バイクは
「他の誰でもない自分」

になる乗り物ですからね。

*後日修正・加筆しました。