かながわ景勝50選のひとつ、
野島の夕映に会いに、
神奈川県横浜市金沢区にある野島公園へ、
ソロツーリングに行ってきました。
今回の記事では、
野島公園へのアクセスやその歴史、
旧伊藤博文金沢別邸や、
野島海岸、戦争の史跡、
そして展望台から見た野島の夕映について
話していきます。
この日私を迎えてくれたのは、
オレンジ色の夕映えでした。
天候は曇り
風はなし
目次
野島公園へのアクセス
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0294-1.jpg)
住所:神奈川県横浜市金沢区野島町24
利用料無料(バーベキューやキャンプは有料)
野島の海側一体が大きな公園になっています。
近隣は普通の住宅地です。
駐車場:1時間200円。以降30分/100円(7:00~23:00)
駐輪場は無料です。
第一駐車場と第二駐車場があります。
第一駐車場の向かって右手に駐輪場があり、
みなさんそこにバイクを停めています。
第一駐車場は第二駐車場より奥にあります。
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0295.jpg)
徒歩の場合:シーサイドライン野島公園駅より
徒歩5分
【重要】トイレ事情
トイレはあちこちにありますが、
紙が設置されてないので、
紙の用意がない時は
当てにしてかけこまないようにご注意を。
貼り紙によると、
「いたずらが相次いだから」
だそうですが。
せめて有料の販売機でも置けば、
という感じですが、
・・・まさか。。笑
野島の夕映について
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0327.jpg)
江戸時代の浮世絵師、歌川広重によって
描かれた金沢八景という8つの絵。
そのうちのひとつである、
「野島夕照(のじまのせきしょう)」に
描かれたのが、当時漁師町だったこの野島町です。
それが描かれた当時は、
平潟湾(ひらかたわん)に浮かぶ野島を背景に
広がる夕陽のことだったようですが、
現在、観光名所とされている「野島の夕映」は、
その野島の頂上の石碑にあるように
野島側から見た夕陽全体のことに
なっているようです。
私はその石碑に従って、
広場の展望台からの夕日を
楽しんできました。
かながわ景勝50選のひとつに
数えられるだけあって、
それは素晴らしい景観でした。
その話は記事の後半でしています。
公園を歩く
旧伊藤博文金沢別邸
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0298.jpg)
拝観料は無料です。
伊藤博文は日本の初代内閣総理大臣にして、
その後3たび、計4回総理大臣を勤めている
偉人です。
ここは他にもあった別邸の中の
ひとつになります。
女性がお好きな方だったようですので、
そういう意味でも
別宅がたくさんあるわけですね。
屋敷内へ入る表門は第二駐車場側から。
第一駐車場側からは
牡丹園および広い庭に入れます。
私は先に牡丹園へ入りました。
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0299.jpg)
まだ時期は3月の初頭でしたので、
牡丹が咲いていることは
ありませんでしたが、
立ち並ぶ松の木越しに観る海は、
まさしく日本の絶景でした。
この景観と感動は公園の海岸まで続きます。
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0300.jpg)
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0301.jpg)
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0302.jpg)
ぐるっと庭を歩いてから、一旦門を出て表門へ。
受付を済ませて、ブーツを脱いで中へ入ります。
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0304.jpg)
廊下がギシギシと鳴り、
これがまたいい味を出しています。
開けっ放しの障子戸の向こうに広がる海。
かの偉人がここからこうして
海を見ていたのかと、
知らぬ時代に想いを馳せます。
私は国の未来などと仰々しいことを
考えるような男ではありませんが、
日本を作り一時代を引っ張った男は、
この海を見て何を思っていたのかと、
少しだけ知りたくなるような
そんな気持ちになりました。
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0305.jpg)
野島海岸〜自然海浜まで
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0306.jpg)
別邸を出て、公園内へ。
海を左手に見ながら、海岸沿いを歩きます。
(海岸へ行かずに手前の坂(山)を登っていくと
展望台に着きます)
海岸沿いには背の高い松の木が立ち並び、
別邸の庭から続く松越しの海が広がっています。
水鳥が舞い、鳴き、休む海辺を見ながら、
ゆっくりと歩きます。
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0307.jpg)
朽ちかけた桟橋が伸びていましたが、
穴が空いてたりするので、
先端に行くにはちょっと危ないですね。
羽を休めていたカラスが、
カメラを向けると知ってか知らずか、
何度もポーズをとってくれました。
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0308.jpg)
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0310.jpg)
野島海岸の砂浜は、
横浜で唯一の自然の砂浜だそうです。
遊泳はできませんが、
時期によっては潮干狩りが楽しめます。
野島の掩体壕(えんたいごう)
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0311.jpg)
現在は、内部崩壊の恐れにより、
立入禁止になっているとのことですが、
そもそも崩壊したら大変なことになりますよね。
頂上の展望台も崩れ落ちるでしょうし。
この掩体壕は、第二次世界大戦中に、
戦闘機を隠すために作り始めたものだそうです。
しかし完成を待たずして終戦。
それがそのまま残されています。
野島山をくり抜いて作られていて、
昔は自由に中に入れたそうです。
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0313.jpg)
そのまま進むとバーベキュー場が広がりますが、
ソロツーリングのライダーにはご縁のない場所。
見知らぬ家族の賑わいとすれ違いながら、
展望台を目指して右へ曲がります。
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0312.jpg)
猫と稲荷(いなり)神社
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0314.jpg)
その道の途中、仲良くじゃれあう二匹の猫に遭遇。
人馴れしていて、カメラを向けると
そばに寄ってきてすりすりしてきました。
餌のもらい方を知っているんですね。
「何もないよ」と離れるとすぐにあきらめて、
またじゃれあっていました。
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0315.jpg)
野島山の山肌に稲荷神社があり、
階段を登って参拝してきました。
稲荷神社は中世以降
万能の神とされているので、
いろんなところにありますね。
別ルートから展望台へ向かう
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0316.jpg)
正面のルートは入り口にあったのですが、
気づいていなかった私は、
スタート地点に戻る前に、
稲荷神社の先に見えた階段をのぼりました。
その階段が急でなかなか厳しいです。
久しぶりに、走ってもいないのに息が切れました。
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0317.jpg)
そんなにしてまで山の頂上まできたものの、
まだ夕暮れには早い時間だったため、
一旦下山とあいなりました。
夕映を見なければ来た意味が
ないですからね。
夕照(せきしょう)橋を渡る
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0318.jpg)
公園を出てしばらく歩きます。
目的地は夕照橋。
野島と本土をつなぐ橋です。
ここから観る夕焼けもいいでしょうね。
というか広重の野島夕照は、
ここから見るもののようですが。
当たり前のように渡っていく車や自転車。
古き良き「和」の産物と現代の融合。
その中を景色を見ながらゆっくりと
渡ってきました。
時間の流れはみな同じようでいて、
みな違います。
私が楽しんでいる時は、
誰かが急いでいる。
私が急いでいる時には、
他の誰かが時の流れを楽しんでいる。
旅に出るとそういうことに気づきます。
野島の夕映
夕映を待つ
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0319.jpg)
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0321.jpg)
再び野島公園に戻り、今度は正面から頂上へ。
それでもまだ少し日が高かったので、
ベンチに座り時間が経つのを待ちます。
(その間にこの記事の骨組みを作っていました)
広場に集まった数人の学生達が、
卒業生への祝辞らしきものの
練習をしていました。
ゆっくりと沈んでゆく夕陽が、
笑い声がこだまする青春を
そっと包んでいきます。
時間が遅くなるにつれて、
だんだん風も冷たくなってきました。
脱いでいた上着を羽織る頃、
西の空はだいぶいい感じに。
そこで、ようやく展望台へ上がります。
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0322.jpg)
夕映
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0323.jpg)
展望台には私以外にも数人いて、
みなただ静かに夕日を見つめていました。
それぞれの想い、
人生がそこにあるのです。
上空を見上げると、数匹のカラスが
カーカーと鳴きながら旋回していました。
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0324.jpg)
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0326-1.jpg)
夕映がにじむ黒雲は、
まるで水墨画のようでした。
山や空を見ていると、
時々、自分が普段描いているような模様が
空や森に浮かんで見えたりして、
不思議な感覚になります。
実際は逆なのですが。
それにしてもずいぶん長い時間、
夕日を見続けました。
少しずつ、少しずつ沈んでいく夕日と、
ゆっくり流れる雲。
オレンジ色に広がる夕映が、
金沢の街を優しく包み込んでいました。
まとめ
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/03/bike0325.jpg)
今回話したのは、
- 野島公園について
- 旧伊藤博文金沢別邸の拝観
- 野島海岸や掩体壕
- 展望台から見た野島の夕映
についてでした。
昼の暖かさは日が落ちるにつれて隠れてしまい、
代わりに肌寒さがやってきました。
カラスが鳴きながら夕闇に消えていき、
私も体が冷えないうちにと、
ともに公園を後にしたのでした。