江戸時代の俳人、松尾芭蕉が残した
旅の俳諧「奥の細道」。
(はいかい→俳句を集めたもの)
その旅の始まりが、旧暦1689年3月の27日。
これを新暦に換算して、
5/16が旅の日となりました。
目次
松尾芭蕉の句ではない?「松島や ああ松島や 松島や」
奥の細道の旅路は、
芭蕉が江戸を出発してから東北、北陸、
岐阜の大垣を巡ったもので、
トータル2400キロ、その日数は
150日にも及びました。
ちなみに、東北が旅路に含まれている通り、
宮城県の松島にも行っているのですが、
あの有名な、
「松島や ああ松島や 松島や」
は松尾芭蕉の詠んだ俳句ではありません。
田原坊という人が読んだ、
松島や さて松島や 松島や
が元になったと言われています。
「歩く」旅が見た日本の景色
さて、この当時の旅は
今では考えられないことですが、
行脚の楽しみ ここにあり
と芭蕉が語った通り、歩いて行われました。
当時は他に陸の交通手段といえば、
駕籠(かご)か馬くらいなので、
そう考えれば当然といえば当然です。
しかしこの2400キロの旅を
最後まで歩いて続けたのですから、
やはり驚いてしまいますよね。
例えば、青森から鹿児島までの距離が
2000キロ弱です。
芭蕉はそれ以上の長い距離を
歩いたということです。
時間をかけて到着するからこそ感動があり、
時間をかけて歩くからこそ、
見えるものも、あったのでしょう。
これはこの奥の細道の旅路に限らず、
各地からの伊勢参りなども含め、
どんな旅にしても、
同じだったのだと思います。
この奥の細道に収められた俳句は、
その時代の行脚(あんぎゃ)の旅路が産んだもの。
それが当時の日本の美しい景観を、
俳句を介して私たちに伝えてくるのです。
あとがき
そして今は今。
車やバイクで旅をする醍醐味、楽しさは
逆に今の時代だからわかるものです。
私はバイクに乗る人間です。
エンジン音をBGMに風を切りながら走る喜びは、
今の時代だからこそ得られたもの。
こうして話していると、
私も旅に出たくなります。バイクに乗って。
私の場合は俳句を詠むのではなく、
絵を描く旅になりますが。
人生自体、旅です。
2400キロどころではない長い長い心の旅。
あなたの旅は、何をそこに残しますか?