こんにちは。
水墨画アーティスト八束徹です。
螳螂生(かまきりしょうず)とは、
螳螂が生まれ出るという意味です。
カマキリのあの前足をあげた戦闘体制。
格好いいですよね。
蟷螂(とうろう=カマキリのこと)の斧
と称されたほどです。
そんなカマキリも強いのは女性。
なんと交尾中にオスを食べてしまうそうです。
この記事では、
その蟷螂生、
今回描いた水墨画、
について話していきます。
*6月5日から6月10日頃の七十二候は、
芒種初候 螳螂生(かまきりしょうず)です。
二十四節気は、芒種(ぼうしゅ)に変わります。
その芒種を3つに分けたうちの1番目(初候)です。
目次
食欲旺盛なカマキリ〜螳螂生(かまきりしょうず)
魔性の女?オスを食べるカマキリのメス
およそ200個体のカマキリが卵からかえり、
その幼虫達がこの世界に出てきます。
まだ小さいその体で天敵からの捕食を交わし、
夏に私達の知るカマキリの成虫になるのは、
たった2〜3匹です。
トカゲやイタチ、さらには
アリもその段階では天敵です。
成虫になったカマキリは、他の虫、
自分が捕食できる虫はどんどん食べます。
さらにカマキリは共食いもする昆虫ですが、
メスは交尾の最中に、
オスを食べてしまいます。
その様子から人間界では怖い女性を、
カマキリのメスにたとえたりもします。
動物界ではどこでもメスは強いものですが、
なんだか切ないですね。
そんなオスは頭を食べられても
交尾は可能であり、
子孫を残すその本能の強さも、
また違う意味で切ないような。
人間界でも女性は強いですからね。
大切に扱いましょうね。笑
益虫扱いもされる肉食のカマキリ
カマキリは死んでいる虫などは
食べないのですが、
生きて動いてるものは
なんでも食べてしまいます。
(自分が食べれるものは)
その中には農作にとっての
害虫も含まれているため、
益虫(人に都合がいい虫)とされてきました。
行動範囲が広くないので、
そのためにあえて田畑に放しておく方法も
あるとか。
前足を上げてカマを構えた姿は、
拝んでいるようにも見え、
拝み虫と呼ばれたりもしています。
それから「蟷螂(とうろう)の斧」
ということわざがあります。
これは中国で生まれた言葉で、
その凛々しい姿から
勇気の象徴とされていますが、
日本では意味が変わってしまい、
無鉄砲に向かっていくことを
例えています。
七十二候に加えられたのは、
こういった人との関わりによる
理由からでしょう。
水墨画で七十二候を描く〜螳螂生(かまきりしょうず)
これは、頭、お腹、羽根、カマ、腕などを、
先隈にした筆で面で描いてから、
濃墨で脚、目、触覚を描いています。
中墨だけで上記の部分を描くと
のっぺりするので、
墨の濃い箇所を作るために
先隈で描いています。
ちなみに水墨画は、
影の部分が濃くなるようにとか、
そういうのはあまり考えず、
それよりも墨の持ち味を
活かすことを優先します。
そうすることで、水墨画独特の世界観が
生まれるのです。
交尾中の様子を描くか迷いましたが、
頭を食われるオスの姿は忍びないので、
その凛々しい姿を描きました。
この子もいつかメスに食われてしまうのか。
やはり、男は戦う時には戦って、
女性にはいつも弱いのが
自然な姿なのかもしれませんね。
食われるのは嫌ですけど。笑
まとめ
今回話したのは、
- 七十二候・螳螂生(かまきりしょうず)
- 水墨画で描いた螳螂生(かまきりしょうず)
についてでした。
次の七十二候は、
芒種次候 腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)です。