こんにちは。
水墨画アーティスト八束徹です。
螳螂生(かまきりしょうず)とは、
螳螂が生まれ出るという意味です。
カマキリのあの前足をあげた戦闘体制。
格好いいですよね。
蟷螂(とうろう=カマキリのこと)の斧
と称されたほどです。
そんなカマキリも強いのは女性。
なんと交尾中にオスを食べてしまうそうです。
この記事では、
その蟷螂生、
今回描いた水墨画、
について話していきます。
*6月5日から6月10日頃の七十二候は、
芒種初候 螳螂生(かまきりしょうず)です。
二十四節気は、芒種(ぼうしゅ)に変わります。
その芒種を3つに分けたうちの1番目(初候)です。
目次
食欲旺盛なカマキリ〜螳螂生(かまきりしょうず)
魔性の女?オスを食べるカマキリのメス
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2022/06/img_3141.jpg)
およそ200個体のカマキリが卵からかえり、
その幼虫達がこの世界に出てきます。
まだ小さいその体で天敵からの捕食を交わし、
夏に私達の知るカマキリの成虫になるのは、
たった2〜3匹です。
トカゲやイタチ、さらには
アリもその段階では天敵です。
成虫になったカマキリは、他の虫、
自分が捕食できる虫はどんどん食べます。
さらにカマキリは共食いもする昆虫ですが、
メスは交尾の最中に、
オスを食べてしまいます。
その様子から人間界では怖い女性を、
カマキリのメスにたとえたりもします。
動物界ではどこでもメスは強いものですが、
なんだか切ないですね。
そんなオスは頭を食べられても
交尾は可能であり、
子孫を残すその本能の強さも、
また違う意味で切ないような。
人間界でも女性は強いですからね。
大切に扱いましょうね。笑
益虫扱いもされる肉食のカマキリ
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2021/06/1-5.jpg)
カマキリは死んでいる虫などは
食べないのですが、
生きて動いてるものは
なんでも食べてしまいます。
(自分が食べれるものは)
その中には農作にとっての
害虫も含まれているため、
益虫(人に都合がいい虫)とされてきました。
行動範囲が広くないので、
そのためにあえて田畑に放しておく方法も
あるとか。
前足を上げてカマを構えた姿は、
拝んでいるようにも見え、
拝み虫と呼ばれたりもしています。
それから「蟷螂(とうろう)の斧」
ということわざがあります。
これは中国で生まれた言葉で、
その凛々しい姿から
勇気の象徴とされていますが、
日本では意味が変わってしまい、
無鉄砲に向かっていくことを
例えています。
七十二候に加えられたのは、
こういった人との関わりによる
理由からでしょう。
水墨画で七十二候を描く〜螳螂生(かまきりしょうず)
![](https://yatsukatoru.com/wp-content/uploads/2022/06/img_3136.jpg)
これは、頭、お腹、羽根、カマ、腕などを、
先隈にした筆で面で描いてから、
濃墨で脚、目、触覚を描いています。
中墨だけで上記の部分を描くと
のっぺりするので、
墨の濃い箇所を作るために
先隈で描いています。
ちなみに水墨画は、
影の部分が濃くなるようにとか、
そういうのはあまり考えず、
それよりも墨の持ち味を
活かすことを優先します。
そうすることで、水墨画独特の世界観が
生まれるのです。
交尾中の様子を描くか迷いましたが、
頭を食われるオスの姿は忍びないので、
その凛々しい姿を描きました。
この子もいつかメスに食われてしまうのか。
やはり、男は戦う時には戦って、
女性にはいつも弱いのが
自然な姿なのかもしれませんね。
食われるのは嫌ですけど。笑
まとめ
今回話したのは、
- 七十二候・螳螂生(かまきりしょうず)
- 水墨画で描いた螳螂生(かまきりしょうず)
についてでした。
次の七十二候は、
芒種次候 腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)です。