2020年1月。
六本木の国立新美術館へ、
国際公募展「美は国境を越えて2020」
を観に行ってきました。
私の水墨画の師匠、
小林東雲先生が主催する公募展です。
私の作品も入選しました。
目次
国立新美術館への行き方
国立新美術館は、来館者数日本一の、
東京都港区六本木にある美術館です。
周辺には六本木ヒルズや
東京ミッドタウンがあります。
電車で行く場合
東京メトロ千代田線の乃木坂駅が
駅から直結しているので便利です。
雨の日でも濡れずに行くことができます。
車で行く場合
専用の駐車場はありません。
なので作品の搬入以外では、
車を入れる場所はありません。
周囲の駐車場を使用するしかないです。
バイク/自転車で行く場合
正面の入り口を入って右手になんと、
無料の駐輪場があり、
そこへ停めておくことができます。
バイクで行けるのは、
バイク乗りとしては嬉しい限りです。
気になるのは混み具合ですが、
美術館の駐車場にバイクで
集まるわけにもいかないでしょうし、
余裕を持って停められる可能性が
高いと思います。
ランチを楽しむ場合
広い館内です。
ゆっくり絵を観て回るうちに、
お腹も空いてくることでしょう。
休憩を挟みたい方のために、
館内にはレストランとカフェが
併設されています。
円錐をひっくり返して床に
突き刺したような場所が
それぞれ3Fと2Fにあり、
そこにレストランがあります。
どちらも値段が高めですね。
1FとB1Fにあるカフェは
ファミレスくらいの金額だと思います。
B1Fにはミュージアムショップもあります。
展示会場について
展示スペースは、1F〜3Fまであり、
常時それぞれいろんな団体の
展覧会が催されています。
有料の展示会から
無料の展示会まで様々です。
その他、館内には有料の
託児サービスもあるようです。
美は国境を越えて2020〜展示会場へ
会期は毎年1月半ば頃です。
公募開始は前年の秋頃から
暮れにかけて。
それに向けての製作になるので、
今や私にはその年最後の大勝負
といった位置づけになっています。
会場入り口では、先生の手作りの
垂れ幕が真っ先に目をひきます。
展覧会への並々ならぬ
意気込みが感じられます。
まず入り口付近には、
甲冑が飾らせてあり、
いきなり度肝を抜かれます。
手前には先生自身の作品や、
著名な他の先生方の招待作品があり、
その先に作家さん達の入選作が続きます。
会場には日本からだけではなく、
世界中から集まった絵が、
所狭しと展示されていました。
水墨画とはいえ、日本からばかりではなく、
他国からの参加者もたくさんいます。
前回も海外からの出品が目立ちましたが、
今回はさらに増えていたようでした。
水墨画はどうにも古臭いイメージが
あるジャンルですが、
意外にも海外の方で水墨画を
学んでいらっしゃる方が多いです。
なんだか嬉しくなります。
もちろん絵は勝ち負けでは
ありませんが、刺激されます。
私自身、この美術展への参加は、
師の元で学び始めてから、
2度目になります。
今年からタイトルが変わっていて、
昨年開催時のタイトルは、
アジア創造美術展でした。
その時のことは、こちらの記事で書いています。
師のライブパフォーマンス
今年は受賞式や講演にも
参加させていただき、
前回大賞を取られた方のお話や、
メインの各賞を獲得された方の授賞式、
そして何よりも、
師匠のライブパフォーマンスを
じっくりと観させていただきました。
ステージ狭しと設置された
大きな紙に寸分の迷いなく
筆を走らせる姿は圧巻としか
言いようがありませんでした。
先生の教えの一つに、
描き始めたら最後まで描く
というものがあります。
絵は人生と同じであり、
思い通りにならなかった墨の
にじみやかすれに逆らわず、
それを受け入れて吸収して
描いていくのだと。
過去はやり直せず取り戻せず、
つまづきながらまた立ち上がり、
そうして生きてきた結果が人生であり、
水墨画はそれが紙に
表現として現れるのだと。
うまくいったぞ
楽しいな
だめだったか
もうやめたい
あきらめるもんか
よし、まだいけるぞ
描き上げてやる
こういった自分の気持ち
ひとつひとつが筆を通して
作品に残るのだと。
そういうことだと私は思っています。
観た人は無意識に
それを見抜いている
のです。
描いた自分よりも深く。
だからこそ真剣さが大切なのですよね。
同じテーマを2枚目3枚目と
描いていけば最初の気持ちは薄れていくし、
逆にそれでうまく行ったと思ってもそ
れは単に器用にカッコつけれただけ
だったりもするのかもしれません。
そんな教えを思い返しながら、
ステージ上の先生の作画を見ていました。
今回入選した私の作品について
今回、私の出品した作品のタイトルは、
11月の雪
です。
奨励賞をいただきました。
この絵は、当時、工場で派遣社員を
していた頃の自分の暮らしや
家族への想い、
いたらない自分への歯痒さ、
そして明日へ向けた強い気持ちを
込めた作品です。
深い話はこちらで語っています。
ハンガリーで展示された作品について
前回の公募展に発表した
「夜明け」という作品ですが、
こちらはありがたいことになんと
ハンガリーの美術展に展示されました。
その後、同ハンガリーの別会場での展示を得て、
現地の美術館に寄贈させて
いただくこととなりました。
私の元に帰ってくることは
なくなりましたが、
遠い異国の空の下で人の人生に
いっときでも彩りを与えることが
できるならば私は嬉しいのです。
この日、その際の証明書をいただきました。
あとがき
今回はゆっくり他の先生方や
入選された方の絵を見て回る時間がとれず、
少し残念ではありました。
来年はもっといろんな作品を
観て回れたらと思っています。
もちろん次回の
「美は国境を越えて2021」
にも出品する予定です。
2020年5月現在、
新型コロナウィルスが未だ
猛威を振るっていて、明日に
影を落とす日々が続いています。
しかしそんな中でも、
私は絵を描く者として観た人に
生きる力を与えられる作品を生み出すべく、
ひたすら学んでいく覚悟です。
そして、年が変わり、この公募展が
また開催されるはずのその日には
どうか芸術に関するすべてのものが
後ろめたさを感じずに済む
世の中になっていますように。