【圧巻】国宝だらけの宝殿|「日向薬師(ひなたやくし)」神奈川県伊勢原市へ2月のソロツーリング

神奈川県伊勢原市にある日向山。
その山中に宝城坊という
真言宗のお寺があります。
中世から薬師如来が祀られて
信仰されているため、
日向薬師と呼ばれています。

今回はその歴史と自然の素晴らしさに触れ、
色々と学び考えることができた
ソロツーリングとなりました。

記事の内容は、日向薬師へのアクセス、歴史、
日向薬師へのお参り〜参道から境内、宝殿の仏像、
そして山腹のお土産やさんについてです。

天候は晴れ。
風は少し強め。

日向薬師について

場所、駐車場など

高野山真言宗 日向山宝城坊(日向薬師)
住所 〒259-1101 神奈川県伊勢原市日向1644

駐車場は二ヶ所ありどちらも無料です。
(2021年2月19日当時)

ちゃんと参道を通ってお参りしたい場合は、
バス停(日向薬師)脇の駐車場へ。
参道は山道なので、
体力的に厳しいなどの場合には
さらに先に進み右折して薬師林道に入り、
境内入口(裏手)の駐車場へ。 

私は一度バス停脇の駐車場を通り過ぎたのですが、
何か間違えてるような気がして引き返し、
一旦バス停脇の駐車場に停めました。
そこで私の隣にロードバイクを停めた
男性が話しかけてくれて、
参道を行くならこっちですよ
と親切に道を教えてくださいました。

戻って来て正解でした。

ナビは日向薬師のバス停を
目的地にするといいです。

バスは小田急伊勢原駅北口3番乗り場より、
日向薬師行き終点下車(約20分)になります。

簡単な歴史

元の名を日向山霊山寺といい、
薬師如来を信仰するお寺でした。

如来とは仏の悟りを開いた者のことです。
如来は最初はお釈迦様だけでしたが、
その後仏教の発展により
いろんな如来(信仰の対象)が生まれました。
薬師如来は、その中のひとつ、
病を治してくれるとされる仏様です。

宝城坊とは山の最高位の
お坊さんが住む坊の一つで、
他にもたくさんの「坊」がある
大寺院だったそうですが、
明治時代の廃仏棄釈により、
今に残された本堂など以外は
廃止されてしまったそうです。
(廃仏棄釈(はいぶつきしゃく)とは、
神道を推し進めるために
仏教を排除する、みたいな思想です)

その後、坊の一つ「宝城坊」が
お寺を継いだ、というわけです。

現在でも「薬師」として信仰されている
国内有数の古寺です。

日向薬師参り

参道を行く

さすが、山の参道です。
綺麗に舗装された気楽な道では
ありません。

とはいえ晴れたおかげで、
木漏れ日を浴びながら
ゆっくり登ることができました。
少し強く吹く風も
心地よく私の体をなぞっていきます。
石を歩きやすいように削ってあったり、
当時の人達の思いやりが
随所に感じられる参道でした。

今の時代、、、まあ私も
バイクで参道の入口までは来たわけですが、
辛い思いをして
長い日数をかけて歩かずとも、
昔の何倍もの速さで
目的地に辿り着けます。

そんな中、自らの足だけで
こんなふうに息を切らしながら、
楽ではない坂道を登り、山門を潜り、
そんな方法で境内にたどり着くからこそ
気づくお寺の有り難さというものが、
そこにはあるような気がしました。
それは、昔の人はそうするしか
なかったからだとか、
そういうことではなくて。

今でもこうしてここにお寺が
存在し続けているということは、
きっと時代が変わっても受け継がれていく
大切なことなのではないでしょうか。

そんなことを考えながら
歩いているうちに、
木漏れ日の参道はやがて、
最後の階段に到着しました。

境内へ到着〜お参り

階段を登り切って門を潜ると
まず右手前には定番の手水舎があります。
お参り前に手や口を清めるものですね。

そのまま右の突き当たりには
梵鐘(ぼんしょう。ゴーンってやるやつ)があり、
その隣には虚空菩薩像が
木の空洞の中に祀られていました。

手を合わせます。


本堂手前には、
蝋燭の灯火を納めるガラス戸の箱と、
線香を立て納める香炉があります。
欲張っても仕方ないので
私は線香を選んだのですが、
備えつけのマッチの火が、
風の強さに負けてすぐ消えてしまい、
マッチじゃなくてライターにしてくれ
と願った不届き者は
私でございました。

仏様の目の前で諦めたら
何も叶わない気がして、
なんとか火をつけて香炉に納めました。

そしてまた手を合わせました。

宝殿拝観〜あなたの干支は?

拝観料がかかりますが、300円でした。
(2021年2月19日当時)

宝殿内は写真撮影禁止なので
中の写真はありませんが、そこには、
薬師如来坐像と両脇の日向菩薩、
月光菩薩、阿弥陀如来を囲む四天王と十二神将、
と国宝がずらりと並んでいます。

中央の本尊薬師三尊像のご開帳は、
正月三が日などに限定されていますが、
上記の像を見るだけでも
かなり見応えがありました。

十二神将はそれぞれ
干支を司っているのですが、
一緒に受付の方の説明を聞いていた男性が、

辰はどれですか?

と私の思いを代弁するかのように尋ねていて、
それに合わせて身を乗り出した私に
反応していました。
おそらく私達は辰年同士なんだと思います。笑

威風堂々とした十二神将の像を観ながら私は、
これを絵に描きたいという衝動に駆られました。
いかにも水墨画で選びそうな題材であり、
普段ならばあえて避けるところなのですが、
こうも胸を打たれてしまうと、
こういったものを描きたくなる人の気持ちが
なんだか理解できるような気がしました。

見ると聞くのとでは大違い、
というわけですね。

なんにせよ、この宝殿の拝観が
私にとって300円以上の価値があったことは
言うまでもありません。

おみやげ屋さん〜山腹でお茶を飲む

心が洗われたような感覚の中、
宝殿を後にしました。

その先にはおみやげ屋さんがあり、
老夫婦(多分夫婦)が、営んでおられました。
茶屋風で、実際にお茶と和菓子で休憩もできます。

サービスでお茶を配っていたので
いただきました。
山腹で飲むお茶の味はまた別物です。

ちなみにそのすぐ先には駐車場があり、
七沢温泉へと続いていきます。

最初に引き返さずにバイクを走らせていたら
ここに着いていたのでしょう。
この駐車場からのお参りでは
味気なかったので、
やはり参道を歩いて来れて
本当に良かったです。
改めてロードバイクの紳士に感謝です。

再度、おみやげ屋さんに立ち寄り、
また参道を引き返して下山しました。

参道をしばらく下って行くと、
よいしょよいしょと声をかけあいながら、
楽しそうに、けれど一生懸命
坂を登ってくる母と幼子。

彼女らが幸を授かりますようにと
すれ違いざまに祈りました。

まとめ

今回話したのは、

  • 日向薬師へのアクセス、歴史
  • ロードバイクの紳士との出会い
  • お参り〜参道から境内まで
  • 宝殿の薬師如来像や十二神将
  • 山腹のお土産屋さんについて

でした。

日向の野辺では秋になると
彼岸花が群生するそうです。
これも駐車場でお会いした紳士が
教えてくれました。
きっと綺麗でしょうね。

また秋頃に、走りに来るのもいいかな。
本尊のご開帳に合わせて
正月に来るのも捨てがたいな。

そんなふうに次の夢を練りながら
エンジンをかけて、

見上げれば椿の花が揺れる、
そんな2月の日向薬師を後にしたのでした。