初めまして。
水墨画家の八束徹です。
ご友人同士の女性お二人から、それぞれ、
虎と龍のオーダーをいただきました。
この記事では、
ご依頼人様との出会いから受注の流れ、
そして対比したそれぞれの作画、
について話していきます。
| 依頼元 | 個人(女性お二人)様 |
| 依頼内容 | 額装済の水墨画原画 |
| 媒体 | 色紙|和紙 |
| 受注数 | 2 |
| 制作時間 | 一ヶ月 |
| サイズ | 色紙サイズ|半紙1/2サイズ |
| 納品形態 | 額装済原画を手渡し |
目次
出会い|小さな飲み屋さんが紡いだご縁

私には週に一度ほど通っている小さな個人経営の飲み屋さんがあります。
そこには実に個性豊かな人たちが集まり、
お酒の力も借りながら楽しい会話が繰り広げられます。
私はそこで少しの時間をただ飲んで笑って過ごすだけに使っています。
そういう時間もやはり必要なので。
今回、オーダーを下さったのは、そんな店で出会った二人の女性でした。
受注の流れ|それぞれのつながり
①上り龍
オーダー形式:以下の既存作品のイメージでの制作。

まず、その女性の一人は、以前から私のInstagramなどを見てくださっていた方です。
ある晩に「個展はやらないの?」と店内でおっしゃって下さったことで、
その店の地元の区民館を借りて個展を開催することになったという経緯があります。
その個展についてはこちらの記事で詳しくお話ししております。
②虎
オーダー形式:以下の既存作品の構図での制作。

もうひと方は、その方のご友人です。
私の師匠・小林東雲が関わった映画「線は僕を描く」をご覧になり、感銘を受けていらっしゃいました。
「その弟子(私)がここにいる」という偶然もあり、私の絵にご興味を持ってくださったのです。
とてもありがたいことです。
作画について|対比した二通りの流れ
上り龍について

参考にした作品と同じ描き方で挑みました。
墨を色紙に散らして、その滲んだ墨の中に表情や体の捩れを探っていく描き方です。
この絵は答えのないところに偶然出来上がったものです。
同じことが何度も続くわけはなく、幾度となく描き直しとなりました。
後日失敗した色紙をゴミに出すためにまとめていたら、かなりの重さになりました。
今見返せば「その絵でいいのに」というものの捨てているんだと思います。
これは他の作画においても言えることですが、修行の足りなさが原因です。
完成後は、「そこにいたのか!ようやく見つけたぞ!」ってやつです。
虎について

参考にした作品は黒豹を描いたものです。
これと同じ構図で、描きました。
ただ今回は女性への贈り物ということでもあり、女性を意識した柔らかさを出しました。
これは上記の龍とは真逆で、すぐに描けました。
こういうとき、いつも何かが自分に憑依したかのような気分になります。
しかしこれはおそらく自分自身の中にいるもの。
これを常に引き出すのが芸術家の修行だと私は思っています。
納品について

どちらの作品も額装してお届けとなります。
せっかくなので、例の同じお店のテーブル席でのお渡しとなりました。
それぞれ箱を開けてお見せした時の嬉しそうな笑顔を私は一生忘れません。
それから、水墨画には「龍虎図」という龍と虎が向かい合う構図があります。
意味合いは、空と地の覇者の対峙だったり、実力伯仲の英雄同士など。
なので、はじめはそれを意識してのそれぞれのオーダーかな思っていました。
けれどお渡しの時に聞いてみたら、お二人とも龍虎図のことは知らなかったそうです。
こういう偶然も、魅力的ですよね。全ては想いによって導かれているのです。
もちろん、その2枚の絵を並べても、睨み合うことのないように描きました。
これからもお二人並んで、うまいお酒が飲めるように。

その後の未来
いつか飾ったご感想や写真をいただける日のために、ここは空欄にしておきます。



