三島への旅 | 雨に霞む海とラジオ出演

静岡のピアニストDAKOKU氏からお誘いがあり、三島市にあるラジオ局、エフエムみしま・かんなみにて、彼の担当する番組にお邪魔することになった。
番組名は、DAKOKUの癒しのアトリエ。

DAKOKU氏とは彼の1stアルバム以来の付き合いで、ジャケットアートを担当させてもらっている。

さて久しぶりの三島だ。バイクでツーリングもしてホテルも取る予定だったが、天気予報を調べたらその日だけ雨。
バイクは断念し、日帰りに変更した。

行きは戸塚から東海道本線にて。
平日の昼間は電車ものんびりしてる。
車窓の向こうの雨模様も、悪くない。

途中、電車は鴨宮を通り、以前歌いにきた店を思い出した。
真鶴では、ツーリングで来て休館日だった中川一政美術館を思い出した。
また会いたい人、また来たい場所がある。生きている限り。

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三島には待ち合わせより2時間早い到着。
すぐには降りずに、その先の原駅へ向かう。
このために早く家を出た。
白隠禅師の眠る松陰寺を訪ねるためだ。

白隠禅師は臨済宗中興の祖と言われる禅僧で、水墨画家でもある。
水墨画の歴史には欠かせない人。
この人は禅の教えを、当時まだ識字率の低い平民に伝えるために絵を使ったそうだ。
そこには絵画の崇高さや敷居の高さなど微塵もない。

古刹のある敷地を抜けると、檀家の墓に囲まれるように、白隠禅師の墓はある。
傘を刺したまま、雨の中で手を合わせた。

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裏手にある踏切を渡り、千本松を抜け、海へ。
大きな堤防に登ると、荘厳な海が広がる。
濡れた浜辺を歩き、海辺へ向かう。

人影などない、雨で霞んだ海。
雨音と風と波音。
すべての音が静寂を演出する。

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やはり波は来ては返すだけだった。
何度見ても同じなのに、
何度見ても心を奪われる。

薄墨を滲ませたたような灰色の空が
その向こうに広がっていた。
三島に戻り、駅の軒下で、氏の到着を待つ。
雨を吸ったハットからしたたる水滴が、読んでいる本に落ちる。
本と一緒に旅をしている感が出ていいな。
そんなことを考えていたら、氏から到着の連絡が入った。
収録へ向かう。

ディレクターの横内さんと3人で打ち合わせを済ませて、本番へ。
一人称を、こういう時は「私」なのに「僕」と言ってしまったくらいで、あとは私の絵に対する想い、原風景の意味など、ちゃんと話せたかな。
話せてるといいな。
賑やかに明るくやらされるのは苦手だけど、DAKOKU氏は八束徹をわかってくれているので、やりやすかった。 

最後に写真を撮って終了。

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その後は、2人でラーメン屋に移動して夕食。
今後の話をしながら。
窓の外は雨が降り続けていた。

2人ともアーティストなのだから当たり前なのだが、それでもお互い50歳を過ぎて「明日」の話をしていられるのは嬉しい。
死ぬ間際まで、そうありたいと思う。

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帰りは新幹線。ご当地ビール。
横浜に着いたら雨が上がっていた。

明日の朝もまた、筆を取る。

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