墨との出会い|八束徹について

ひとりの時間を美しく、深くする
これが私が絵で伝えたいこと、あなたに届けたいものです。

静寂と生命の躍動を通じて自己を見つめ、
その先に他者とのつながりや共感、そして深い愛を得る
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これを伝えるために私は水墨画に出会ったのだと思います。
そしてそれは、禅の教えにもつながっていました。
これからそのことについて、話していきます。

静寂の中に見つけた私の表現

孤独を知った少年時代

1976年1月11日、福島県の小さな町で生まれました。幼少期の私は、目立ちたがり屋でありながら気の小さい性格で、その性格が周囲との摩擦を生み、いじめられたり仲間外れになることがありました。そんな日々から次第に内向的になり、学生時代には「人の本質とは孤独なのかもしれない」と感じるようになりました。そんな私を支えてくれたのが、音楽と絵という言葉に頼らない表現の世界でした。

夢と現実の交錯

高校卒業後、夢を追い求めて東京に上京しました。昼は運送会社や倉庫勤務で生計を立て、夜はフォークシンガーとしてライブ活動を続けました。しかし、都会の厳しい現実や労働のプレッシャーから逃れるため、次第にパチンコにのめり込み、多額の借金を抱えることになりました。金のための仕事と借金の返済、そしてライブの繰り返しの中で、心身ともに疲弊し、債務整理を経験しました。

砕けたギター、失った歌

音楽活動や恋愛を通じて自己表現を模索しましたが、思うような成果を得られず、夢は次第に遠のいていきました。挫折感から、愛用していたギター、ギブソンJ-45をアパートの床に叩きつけたあの夜、私の夢も一緒に砕け散ったかのようでした。

祖父の墨の香り、運命の夢

そんな中、ある夜の夢で見た光景が人生を変えることになります。幼い頃に見ていた、祖父が黙々と筆を走らせている姿。その墨の匂いが、まるで部屋全体を満たすように鮮やかによみがえり、私は目が覚めました。祖父は書家であり、無心を体現する師でもありました。

水墨画の世界へ

その後、水墨画家小林東雲氏との出会いが、私の人生を大きく変えました。画家としての姿勢、伝え方、生き方を教えてくれた偉大な師です。画家への転身は40歳を過ぎてからでしたが、初めての出品で受賞を果たし、その後も国内外での展示や博物館への作品寄贈など、それまでにない結果を出すことができました。

表現の変化、前を向く強さ

音楽活動時代、私は常に負けている側、傷を負った側の視点から表現していました。しかし現在、水墨画を描く時、私はその経験を基盤としながらも、より前を向く姿を強く表現するようになりました。これは単なる表現方法の変化ではなく、人生における視点の深化でもあります。かつての痛みや挫折を否定するのではなく、それらを昇華し、より普遍的な強さや希望を描き出すことを目指しています。

「本質」という孤独のかたち

学生の頃、「人の本質は孤独」と悟った話をしましたが、今この歳になってもそれは同じです。ただ、現在では、あの頃の「痛みを耐える孤独」ではなく、生きること自体が孤独であり、それが心に花を咲かせ、他者を思いやる気持ち、愛の原動力となることを感じています。「ひとり時間」という言葉は他者を排除することではなく、そういう愛のある自分を見つけるという意味合いが含まれているのです。

ひとりの時間を美しく、深く

人は、結局ひとりです。それは寂しいことではなく、生きるという神秘そのものです。孤独は他者への愛を育み、内面の美を磨く時間を与えてくれるものです。私の作品が、そんな誰かの『ひとり時間』を美しく深める手助けとなれば、それ以上の喜びはありません。

あなたのひとり時間を、美しく、深く。

孤の一輪は、柔らかく、揺るぎなく。

受賞歴・経歴

美は国境を超えて 国際文化賞
2019アジア創造美術展特別賞受賞作品
  • 2018年: 水墨画の世界に入る
  • 2019年: アジア創造美術展 特別賞受賞(作品がハンガリー・ケチケメート博物館に収蔵)
  • 2019年: ZEN展 入賞
  • 2020年: 初の展示会をバーにて開催
  • 2020年~2023年: 国際公募展「美は国境を越えて」連続受賞
  • 2022年: 初個展を開催
  • 2023年: キングレコード「DAKOKU『月光』」CDジャケット制作
  • 2024年: Merry’s バレンタインデー企画「TSUWAMONOの武将イラスト」制作
キングレコードより全国発売 DAKOKU「月光」 CDジャケット

八束徹(やつかとおる)

1976年1月11日、福島県生まれ。水墨画家。
東京に上京後、運送や工場で働きながら、音楽活動を続ける。
当時はアコースティックギターを抱えたフォークシンガーだった。
その後挫折を経て、40歳を過ぎてから水墨画の世界に転身を決意。
師匠小林東雲の元で技法や精神性を深く学ぶ。
現在は神奈川県に在住。
「静寂」と「生命」をコンセプト掲げ、作品を発表し続けている。

目の前の白い壁に絵を|水墨画というモノトーンアート

暮らしが大きく変わるモノトーンアートとの共鳴

私たちの日々は、様々な騒音に満ちています。外界からの喧騒、仕事の重圧、絶え間ない情報の流れ、そして他者からの期待という名の重み。そんな暮らしの中で、疲れ果てて帰り着いた部屋。そこにあるただの真っ白い壁に、静寂を灯した一枚の絵が飾られていたら、どうでしょうか?暮らしが豊かになると思いませんか?想像してみてください。窓を開けて風が入り込みカーテンが揺れる瞬間、朝のコーヒーを片手に過ごす時間、映画や本の世界に夢中になる時間、誰かとの電話やメールを楽しむ時間。そんな暮らしに寄り添うために絵は存在するのです。

日々の喧騒の中で、心が真に感動する瞬間を見つけるには、静寂の中で自分と向き合う時間が必要不可欠です。それを提供するのが、墨と余白で描かれた、あなたの深い世界と共鳴する水墨画というモノトーンアートなのです。

水墨画の本来の美しさ

世の中にはさまざまな墨の作品が存在しますが、こうして本来の水墨画に触れ、その奥深い魅力を知る機会を得られているあなたは、特別な幸運を手にしています。
墨一色で描かれる水墨画は、シンプルな中にも無限の表現力を宿し、濃淡や滲み、かすれといった技法が生み出す豊かな世界が広がります。ただの黒ではなく、静寂と生命が共存する墨と余白が織りなす美しさがそこにあります。それはただ目で見るものではなく、心で感じ取るものです。
私はその技法を基盤にし、即興性を取り入れた独自の筆致で、一瞬の静寂や躍動を表現しています。

私が自身の作品に持たせたい価値は、

  • 深い感情の共有と共感を生む場所
  • 墨と余白が織りなすモノトーンアートとしての価値
  • 生命力と躍動感
  • 静謐な時間との対話
  • 深い内省への誘い

どうぞ、その一瞬一瞬に込められた思いとともに、ひとりの時間を豊かに彩る芸術として、ゆっくりとご堪能ください。

水墨画が語るもの

例えばこの「春蘭」という作品。墨の濃淡が作り出す繊細な葉のかすれは、無音の世界への誘いであり、繊細な心と途切れることのない生命力の表現です。これこそが、墨と和紙が織りなす詩であり、私が水墨画に魅了された理由なのです。

墨と余白を生かした水墨画は、無駄をそぎ落としたシンプルさが特徴で、まさにそうしたひとりの時間を共にするために、最適な存在です。和紙に滲んでいく墨とその濃淡。水墨画はその技法を通じて静かな時間と深い内省、そして生命の躍動を描き出すことができます。そうして生まれた絵がモノトーンアートとしてあなたの空間を彩るのです。

未来への想い

私の夢は、この騒がしい世界で迷子になっている人々に、絵という形で心の余白を提供することです。
絵を飾り自分だけの空間を彩る素晴らしさの先には、静寂や内省があります。
そこに宿る生命を求める人、あるいはまだそのことに気づいていない人々に、水墨画を通じて美を楽しむ喜び、そして新たな気づきの場を創り出していきたいと考えています。

禅と水墨画

これまで学んできたことと、私が随所で耳にしてきた禅の教えにはとても近いものを感じています。禅について書かれた本を読み、それは確信に変わりました。そもそも日本の水墨画は、禅の教えとして日本に渡ってきたものです。この道を極めようとすれば、そこに導かれるのは当然のこと。改めて禅について学びつつ、作品の価値を深めています。

全てが唯一無二の原画作品

一点ものとしての価値

すべての作品は唯一無二の存在です。

  • 二度と同じものは生まれない特別な一枚
  • あなただけの物語を持つ作品
  • 時間とともに深まる作品との関係性

作品がもたらす効果

  • 空間の美的満足度50%向上
  • 生活満足度・心の安定感の向上
  • 自己表現度の向上(70%の方が効果を実感)
  • あなただけの特別な空間の創出

オンライン限定|5つの原画購入特典

私の絵があなたの空間に加わることで、どんな時間が広がるのか、もう一度想像してみてください。
静寂の中で心が穏やかに休まるひととき、生命の躍動に新しい明日への希望を感じる瞬間、そしてその空間を大切な人と共有したくなる気持ち……。
そんな、ひとりの時間がより深く、豊かに広がるよう、私の作品がそのお手伝いになればと願っています。

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