【町内会館でも絵を販売できた!】壁掛けができない場所で個展をした話

はじめまして。
水墨画アーティストの八束徹です。

今回個展を行った会場は
地域密着の町内会館。

その会館はほぼ、周辺の住人にしか
認識されていない。
建物自体、絵を飾るために作られていない。
さらに壁に針をさすのは禁止のため、
フックやピンを取り付けられない。

販売なしのレンタル契約。
借りれるのは一日だけ。

こんな環境での個展開催でしたが、
最終的にたった一日で
70名以上の方がご来場下さいました。

数名のお客様からご相談をいただき、
後日、絵の販売もさせていただきました。

この記事では、
そんな個展の開催決定の経緯、
開催の準備、実際の開催まで
順を追って話していきます。

  • これから個展をやりたい
  • どこでもいいから絵を展示したい
  • 高額なギャラリーは借りれない
  • 通常の仕事が休みの日にしか開催できない

そんな駆け出しの
画家さん絵描きさん達におすすめの記事です。

壁掛けができない個展〜個展開催決定の経緯

住んでいる地域の町内会の方のご厚意で、
町内会館で1日だけ個展をやってみないかと
お話をいただきました。

通常は個展といえば
1週間ぐらいやるものですけれども、
せっかくいただいた機会なので、
ありがたく開催させて
いただくことにしました。

まず会場となる町内会館の下見に行きました。
1階と2階の部屋があり、
どちらを使ってもいいと言われたのですが、
広さ的にもちょうどよかった
1階のほうをお借りすることにしました。

1階の方が普通に考えて、
お客さん入って来やすい
ですよね。
階段を登るより。

ただ問題点が1つ浮上しました。

もともと会館が絵画展を行うために
作られていないので、
壁に絵をかける事ができないのです。
さらにそのためにフックを壁に刺す、
ということも禁止されていたのです。

壁掛けができない個展〜個展開催の準備

準備完了後の会場

壁掛け問題について

まずは、最初の問題をクリアにしました。
絵を壁にかけられないという問題です。

提案として、

  1. 額装せず紐を張ってクリップなどで留めてぶら下げる
  2. 額装せずひっつき虫で壁に貼る
  3. 額装して長テーブルを壁側に配置して絵を立てかける

が出ましたが、
最終的に3.が採用されました。

  1. は不安定、素人作業だと心配
  2. はひっつき虫だと絵に貼った箇所(上下の角)がいびつになる、意外と不安定

となると、やはり3.が一番安心です。
それに1と2は裸の原画が心配です。
テーブルはこういった会場によくある、
茶色の長いテーブルです。
これを必要分壁側に設置して
絵を立て掛けました。

ご購入いただいたニホンジカの絵

(ただこの方法だと掛け軸作品は難しいですね)

設営について

上記のテーブルをひとつ受付用に使い、
入口に設置しました。
そこで来場者用の個展内容の案内用紙と、
配布のポストカードを配ります。

絵の並べ方としては、
今回季節の絵を用意したので、
季節の順に並べていきました。
こちらから順番にご覧くださいと
お客様に案内しました。

額装について

基本的に販売するなら、
初めから額装はしたほうがいいと思います。
すぐに絵を飾れるように
こちら側で準備をしておく
のが道理かと。

ただ、いろんな考えがあるので、
一概には言えませんが。

今回はそもそも販売予定がない
個展でしたので、(金額の案内もしていない)
出費を抑えて
ニトリのB4用の額を
まとめ買いして使いました。
メインテーマに添った作品は全て、
同じ色の額にして
統一感を出すようにしました。
さらに黒画用紙を裏に敷いて
マットの代用としました。

(最終的にご購入いただいた作品は、
改めてしっかり額装しました。
ただ額装込みでその絵を気に入っていただく
ということがありますから、
額装のし直しには配慮が必要になります。)

宣伝について

チラシ、ポストカードは、
CANVAというアプリを使用して作成しました。
ブログ、SNS、メルマガでの宣伝はもちろん、
フライヤーを町内会の回覧板で
回していただきました。
それから案内ハガキの送付も。

ここで私は痛恨のミスを犯したのですが
フライヤーには必ず自分の経歴を書きましょう。
私はばっちり書き忘れました。
受賞歴とか書くだけでも、
人の印象は大きく違ってきます。
しつこいですが絶対書きましょう笑

通路側の窓は開けて、
中が見えるように
します。
(ギャラリーってガラス張りになっていて、
中の様子が分かりますよね。)

さて、設営も終わり、
いよいよ開場時間を待つだけです。

壁掛けができない個展〜個展開催

いよいよ、会場となります。

初めはどのくらいの人が来てくれるか、
不安で仕方がありませんでしたし、
期待もしないでいましたが、
いざ蓋を開けてみたら、
その1日でなんと70名の方が
ご来場下さいました。

特に大通りでもない路地にある
町内会館の個展に、
これだけ来ていただければ
成功だったのではないでしょうか。

他に古くからの友人や飲み仲間も、
都合をつけて駆けつけてくれました。

差し入れもたくさんいただき、
入口から受付まで華やかに
彩ってくれました。

先述の通り作品販売は予定はなかったのですが、
お客様の方から数名ほど
購入したいと声をかけて頂き、
後日販売をさせていただきました。

販売した作品の一部

それから配布したポストカードを、
入院中の友人に届けたいと
おっしゃってくださった方もいました。

お客様に無料配布したポストカード


「それもまた人の役に立った
人の力になれた」

だってその方々がここへ来た意味が
生まれたではないですか

すべてが、絵を書いていて本当に良かったと
思える瞬間でした。

閉館時間が来る頃には、
私の胸はそんな思いで
いっぱいになっていたのでした。

まとめ

ライブペインティングの様子

今回話したのは、
壁掛けができない会場における、

  • 個展開催決定の経緯
  • 個展開催決定の準備
  • 個展開催決定の開催

についてでした。

壁掛けができないと聞いて
ほんとにどうしようかなと、
やめようかなと思ったくらいなんですが、
何かしら方法ってあるものです。
たいして特別なやり方ではなかったですが、
方法を見つけ前に進むことが大切です。

そして、何よりもご来場くださったお客様、
設営から撤去まで協力してくれた
町内会関係者の方々に、
心から感謝しています。

個展をひとりでやるのは無理ですから。
必ず誰かの力が必要です。

当然後日お礼をして周りました。

やれば必ず結果がついてきて、
必ず得るものがあります。

どんな場所でも人の思いや心が交差すれば、
絵を飾ることだって販売することだってできる

私はそうして結果を出しました。
この日を次に繋げていきます。

*この個展は2022年10月に開催したものです