生酒の流通は月桂冠のおかげだった〜6月25日は生酒の日

1984年6月25日、
大手酒造会社の月桂冠が、
生酒の流通を始めました。

それを記念して、同社が制定したものです。

保管が難しい生酒

そもそもお酒の始まりは生酒なのですが、
生酒は保管が難しく、
当初は市場に流通させられるようなものでは
ありませんでした。

室町時代末期に火入れと呼ばれる
加熱処理が生み出され、
江戸時代になる頃には市場に出回る日本酒は、
ほとんどがその火入れをしたものになります。

農民の出稼ぎだった杜氏(とうじ)

杜氏とは、日本酒を作る職人のことです。

江戸時代では当時、四季醸造と呼ばれ、
一年中お酒づくりが行われていたのですが、
寒酒(もっとも寒い時期の醸造)の
製法が改良されると、
それが寒造りとして
醸造の主流になりました。

さらには徳川幕府に寒造り以外の醸造を
禁止されます。

そこで冬場に手が開く農家の人が、
出稼ぎとして杜氏(とうじ=酒を作る人)の
職人集団を作るという背景が、
醸造の歴史に刻まれたのです。

月桂冠が生み出した市場に出せる生酒

そしてそれから長く続いた
その醸造の歴史を変えたのが、
月桂冠が誕生させた、
市場に出せる生酒なのです。

冷蔵庫に生酒を入れて
冷やしておけるようになったのは、
お酒の歴史の中では
まだまだ最近のことなのですね。

夏の暑い日、くいっと口に運ぶ冷酒は
喉に沁みます。
これもいまや日本の風情と
言えるのではないでしょうか。

お酒が好きな人には生酒の用意もまた、
大切な夏の準備のひとつですね。

私もですけど。