何月?どの時期?どんな月?|夜の闇に浮かぶ一艘の舟【朧月夜(おぼろづきよ)】

何月どの時期?朧月夜が生まれる季節は?

朧月夜は春の季語でもあり、
2〜4月ごろに主に見られる現象です。

この時期になると、東アジアから
黄砂が気流に乗って海を渡り、
日本にやってきます。
黄砂はタクラマカン砂漠や、
黄土高原などから発生します。

そしてその黄砂が舞っていることにより、
山や空が霞み、
朧げに見えるようになります。
夜の闇に浮かぶ月も
朧げに見えるようになり、
昔の人はそれを、
朧月や朧月夜と呼ぶようになりました。
それから、同じ春に見られる
高層雲という雲は
水滴でできていますが、
これが原因で起こる霞んだ月も
朧月です。

どちらにせよ、
黄砂だろうが霞だろうが、
春の夜に朧げに月が浮かんだら、
朧月夜というわけですね。
そしてこの朧月夜という呼び方は
最初に話したように春の季語であり、
春限定のものです。
秋の霧にぼやけた月を
「朧月夜」とは呼ばないということです。

さらには高層雲のことを
朧雲とも呼ぶのですが、
それ以外の朧げな景色に関しては、
朧〜とはいわないみたいです。

月ならどんな形でもいいのですが、
春の三日月は寝そべっているので、
昔の人は朧げなその三日月を
小舟や、お酒を入れる盃(さかずき)に見立てて、
月見を楽しんでいたそうです。

今よりもずっと、明かりが少なく、
夜が暗かった時代の話ですが、

現代でもそんな夜の過ごし方、
できそうな気がしませんか?

せめて目が覚めるまでは、
夢が続くように。