豊臣家の家紋にも使われた、越冬する桐の花|桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)

こんにちは。
水墨画アーティストの八束徹です。

桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)とは、
桐の花が(来年の)蕾をつけるという意味です。

桐の花は菊と並び、
家紋などにも使われる
選ばれた花
であり、
豊臣家の家紋や500円玉の絵でも
知られています。

そんな桐の花のつぼみは、
冬を越えて生き続ける
のです。

この記事では、その桐始結花、
今回描いた水墨画、

について話していきます。

*7月23日から7月27日頃の七十二候は、
大暑初候 桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)です。
二十四節気は、大暑(たいしょ)に変わります。
その大暑を3つに分けたうちの1番目(初候)です。

七十二候・桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)

厳しい冬を越える桐の花のつぼみ

桐の花の開花時期は4〜5月
桐の花は、桐の木の高いところにだけ
花を咲かせる
ため、
地上からでは気が付かれないことが多く、
与えられたその花言葉の通り、
まさに「高尚」な存在とされてきました。

桐は花が終わると7月には実をつけ、
秋の稲刈りもはじまる頃に、
割れて綿のような種を飛ばします。

そしてそれと同時に早々と
蕾をつけるのがこの時期なのです。
その後なんとそのまま厳しい冬を越し
翌年の春にまた花を咲かせ
ます。

つぼみから開花まで
10ヶ月ほどかかる
のです。

桐初めて花を結ぶとは、
まさにその名の通り、
この時期に蕾をつけるために、
七十二候のひとつに数えられた
花なのです。

中国の伝説上の霊獣・鳳凰は、
桐の木にのみにとまるとされていました。

その姿は古来より、絵の題材とされ、
多くの画家に描かれ続けています。

桐の花の紋章について

桐の花は昔から家紋や貨幣に採用され、
皇室や、あの有名な戦国大名、
豊臣家にも家紋として
使われて
きました。

今の日本政府の紋章も
桐花紋(とうかもん)です。

身近なところでは、500円玉
描かれていたりしますね。

先ほど話したように、
高い場所にだけ花を咲かせる高尚さ、
厳しい冬を越す強さ、
鳳凰が止まるとされる神秘さ、
それらが、このように
家紋や貨幣などに使われる理由なのかも
しれません。

水墨画で七十二候を描く〜桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)

話の流れ的に、
「鳳凰を描きました!」

と言いたいところですが、
今回は桐の花の蕾を描きました。

私、実在しないものって苦手なんですよね。
龍とかもそうなんですが。

もちろん、描きたい気持ちは
あるんですけどね。

この記事を書くまで、
桐の花のことは知らなかったので、
ひょっとしたらいつか
見上げた桐の木にとまる鳳凰が
見える時が来るかもしれませんね。

蕾が花開くころに。

あ、心の中にってことですよ。

そうしたら、その時は
筆を取りたいと思います。

まとめ

今回話したのは、

  • 七十二候・桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)
  • 水墨画で描いた桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)

についてでした。

次の七十二候は、
大暑次候 土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)です。