荘厳!荒々しく岩を砕く波【盗人狩(ぬすっとがり)】|神奈川県三浦市毘沙門湾

かながわ景勝50選のひとつ、
神奈川県三浦市の毘沙門湾にある
盗人狩へソロツーリングに行ってきました。

「盗人狩(ぬすっとがり)」

というそのインパクトある名前にふさわしい、
荒々しい海と波の景観が
私を迎えてくれました。

天候は晴れ。
風は潮風。

この記事では、
盗人狩へのアクセス・駐車場、
盗人狩という名の由来、
周辺の観光スポット、
盗人狩への訪問、


について話していきます。

盗人狩について

盗人狩ヘのアクセス・駐車場

住所:神奈川県三浦市南下浦町毘沙門

ですが、ナビは宮川公園に設定するのが
良いと思います。
県道215号線(毘沙門バイパス)沿いにあります。

その理由は以下で説明します。

上記の住所で設定すると、
岩礁地帯には到着しなかったからです。
(私はgoogle先生を使用)

観光のメインであろうその岩礁地帯は、
同じ県道215号線沿いにある、
毘沙門湾の漁港を通り抜けた先に
広がっているのですが、
googleナビに案内をお願いすると、
その岩礁地帯ではなく
その後ろに立ちはだかる崖の上に到着します。

盗人狩と呼ばれる由縁、
『追い詰められた盗っ人が
崖の上で足がすくみ観念した』

という逸話からすれば、
google先生の案内は間違えではないですし、
そこから海を見下ろして
その盗っ人の気持ちに触れてこそ、
盗人狩に来た意味があるとも言えます。

ただバイクならまだいいですが、
車で行くにはその崖は面倒な場所です。
道は狭く、崖の上一体が
地元の農家のキャベツ畑になっていて、
車1台分しか幅のない道の上で
作業中の軽トラックと鉢合わせたら
どれだけ迷惑かわかりません。

どちらにせよ、崖の上へ行くにも、
毘沙門湾に行くにも、
宮川公園の向かいの駐車場(無料)に駐めて、
歩いていくのが無難です。

2020年までは、毘沙門湾にも
駐車場があったようですが、
現在では湾内どころか
周辺への乗り入れや駐車を禁止しています。

まあ入り口近くに停めておけるんですが、
自己責任ということで。

どんな感じなのかも以下で話します。

盗人狩という名の由来と逸話

かながわ景勝50選の一つに数えられる
景勝地としての盗人狩は、
打ちつける波に削られた奇岩が悠然と広がる
荒々しい岩礁地帯を指しています。

しかしさきほど話した通り、
そこが盗人狩と呼ばれるようになったのは、

「昔、盗賊が追われて、
この山の端まで来て下を見ると、
恐ろしい断崖と怒涛の逆巻きに、
ぞくぞくと身震いして足が竦み、
動けなくなり容易く捕まった」

や、

「昔、追いつめられた盗賊が
木の地で渦巻く波濤(はとう)を前に
足がすくみついに捕えられてしまった」


といったような逸話からです。
波濤とは、大きな波のことです。

それならば下の岩礁地帯ではなくて
上の崖のことになるのではないかと
思うのですが、
盗人狩と呼ばれているのは、
下の岩礁地帯のようです。

崖の上については、以下で話していきます。

この盗人狩(岩礁地帯)は釣りの名所らしく、
私が行った時も釣り人が2人ほどいました。

帰りも違う釣り人とすれ違いました。

盗人狩周辺の観光スポットと、ゆるやかに続く毘沙門湾バイパス

毘沙門湾にある他の観光スポットは、

  • 毘沙門洞窟弥生時代住居跡群
  • 金毘羅大権現
  • 毘沙門天浜
  • 宮川港

などがあります。

なお、毘沙門湾沿いには、
県道215号線(毘沙門湾バイパス)が
ゆるやかに続いています。
ライダー的にはこれが一番の魅力です。
海と自然の景色の中を走るライディングは
最高以外の何ものでもありません。

ただ制限速度が40キロや30キロなので、
いろいろお気をつけくださいね。
白バイが結構走っていますので。

盗人狩への訪問

盗っ人の足がすくんだ断崖絶壁

まず初めに訪問したのは、
ナビに従って登ってきてしまった
崖の上でした。

ナビを見ながら、
え?ここ行くの?
みたいな道って、
それが正解の場合もあるので迷います。

こういう道に鉢合わせた場合、
車ならば一旦降りて確認しに行きますが、
バイクなのでそのまま登っちゃいました。

荒野を想像していたのですが、
そこにはキャベツ畑が広がっていました。

舗装は切れて、農道を進むと
農作業中の地元の方と遭遇し、
逃げるように二股を右へ折れました。

それこそまるで盗っ人のように。

道はすぐに坂になり、
慌ててバイクを停めました。

海っぺりでほったらかされたキャベツ畑が、
海風に煽られて
その葉を撒き散らしていました。
それはそれで一つの観光物のようです。

農家の方には失礼な話ですが。

さきほどの軽トラックが降りていったので、
折れた道を戻り、反対側に移動しました。

そこには、何を祀っているのか、
崖っぷちに小さな社がありました。

その先は足を踏み外したら一貫の終わりです。
木が生い茂ってはいますが、
観光客用に柵などはありません。

そもそもこの崖の上は観光地ではないので。

もう一度言いますが、
この崖のどこにも柵はありません。

落ちたら一巻の終わりです。

追い詰められた盗っ人の足が
すくんだという逸話がよくわかる、
まさに断崖絶壁の崖です。

ここを観光地にしない理由も、
わかる気がします。
行かれる際には十分にお気を付けください。
滑り落ちないように。

崖下では、波が荒々しく
しぶきをあげています。

崖の下の岩礁地帯を歩く

駐車場を探す〜高台の宮川公園へ

崖から見下ろした岩礁地帯を歩きたい。

と思うのは当然で、
今回の一番の目的ももちろんそれです。
よくよく調べると、どうやら
下にある毘沙門湾沿いに歩くらしい。
(気づくの遅すぎですけど)

地図で道を確認してバイクを走らせます。

毘沙門バイパスを折れて、
ようやく漁港の入り口に到着。
するとこんな案内板が。

途中で壊れ(壊され?)てしまっていますが、
続きは想像つきますよね。

まさかの駐車禁止。

調べてみたら以前あった駐車場は、
2020年あたりに廃止されたようです。

正直その辺に勝手に停めておけそうな
自然だらけの「付近」でしたが、
それもまずいだろうと
一旦あきらめて駐車場を探します。
旅人はよそ者なので、できるだけ
地元の人に迷惑をかけたくないんですよね。

さて近くに駐車場付きの茶屋はあるけれど、
そのために駐めるわけじゃないしと、
とりあえず先ほどの崖へ逆戻りしたところ、
その入り口の少し先に、
左手に宮川公園、
右手に無料の駐車場を見つけました。

大きな風車があり、
夜はライトアップもするそうです。
公園にはトイレもあります。
結果的に盗人狩を訪問するには、
ナビもここで設定して、
向かいの駐車場に停めるのがベストですね。

バイクを駐められたので、一安心。
バイパスを徒歩で下っていきます。

奇岩が並ぶ岩礁地帯と波濤〜盗人狩へ

10分くらい歩いて、
先程の漁港入り口へ到着。
車両進入禁止のバーを徒歩でくぐり、
毘沙門漁港を突っ切ると
案内の札が立っていました。

そして聞こえてくる波の音。
見渡す海と岩礁はまさに自然のままに、
広がっていました。

観光客や釣り人のために
「この道をどうぞ」
「この広場をどうぞ」
などと整備された道などなく、
足元の悪い岩の上を、時には
飛び越えたりしながら進んでいきます。

足元に気をつけながら、
波の水しぶきが上がる場所まで
歩いて行きました。

ちなみにあちこちにゴミが捨てられていて、
波にさらわれて土手に乗り上げたような
ゴミも目につきます。

これも普通なら汚いなあと思うところですが、
妙に盗人狩という名前に合っているようで、
不思議と違和感がなかったです。

湾の入り江の反対側では
弥生時代の住居といわれている洞窟、
「毘沙門洞窟弥生時代住居跡群」が
観光地になっていますが、
こちら側にも小さな洞窟がありました。

こういうのを見つけると行ってみたくなるのが、
男の悪いところかもしれません。
もう、ワクワクしちゃって。
子供と同じですね。

引き返してからは
安全な場所に腰を下ろして、
しばらく打ち付ける波を眺めていました。

海はなぜこうも人を惹きつけるのか。

崖の上も下も、
一人旅で黄昏れるには
うってつけの場所でした。

まとめ

今回話したのは、

  • 盗人狩のアクセス・駐車場
  • 盗人狩と呼ばれる理由
  • 周辺の観光スポット
  • 盗人狩への訪問

についてでした。

崖の上も下も、その名前からか、
飾り気のなさからなのか、
物悲しさが漂っていました。

時間帯によって、それぞれ
趣の違う風情が楽しめそうです。

ただ、天候の荒れや夜の時間帯には
お気をつけください。
海は残酷でもあります。
人工の明かりなどひとつもありませんから、
うっかり足を滑らせたり
荒れた波にさらわれたり、
などなど危険は伴います。

安全に旅を楽しんだら、
また次の記事で会いましょう。