恒例の桜の花見。最初に始めたのは誰?|桜始開(さくらはじめてひらく)

こんにちは。
水墨画アーティストの八束徹です。

桜始開(さくらはじめてひらく)は、
桜の花が咲き始めるという意味です。

桜は「咲く」の華やかさとは表裏一体で、
「散る」イメージもついて回る花。
満開の桜の下、大勢で集まる花見と
酒盛りは日本の風物詩のひとつ。

そんな花見を始めたのは、
奈良時代の貴族
と言われています。

この記事では、その桜始開、
今回描いた水墨画、
について話していきます。

*3月25日から3月29日頃の七十二候は、
春分次候桜始開(さくらはじめてひらく)です。
二十四節気では春分(しゅんぶん)
その春分を3つに分けたうちの2番目(次候)です。

七十二候・桜始開(さくらはじめてひらく)

ピンク色に染まる桜の季節

見渡せば山や街が今まさに、
ピンクに染まる桜の季節がやってきます。
美しく咲き誇る姿は、
どれだけ観ても飽きることがありません。

桜の開花宣言を今か今かと待つ日本人。
本当に本格的に、
何よりも春を感じさせてくれる桜ですから、
みんな待ち遠しいのは当然ですね。

桜が満開になると、

春がきた

と思う人は多いのではないでしょうか。

花見の風習が始まったのは、、
これは貴族のお遊びから始まったのですが、
当時の花見は、桜ではなく梅を楽しむもの
でした。
それがやがて桜に変わり、
貴族から武士、武士から一般市民へと
長い時間をかけて広がっていったのです。

桜、梅、桃との違い

桜は、梅、桃と比べて
枝から伸びる花柄がたくさんあり、
そのぶんだけ花が咲いて密集するので、
賑やかに
なります。
人は集まりたい生き物ですから、
そう考えると、桜が人気な理由も
わかるような気がしますね。
満開の桜の下で行われる宴会もそれと同じで。

ですが、酒を飲まなくても、
散歩がてらに楽しむだけでも立派な花見です。

どちらにせよ、
春の風や雨が散らしてしまう前に、
年に一度は花見を楽しみたいものですね。

そして、そんなに美しい桜ですが、
入院のお見舞いや、結婚式などへ送るのは
避けるのがマナー
です。
昔からその散り行く姿は、
縁起が悪いとされているからです。
「散る」イメージのあるものを
そういう場所へ届けてはいけない、
ということですね。

しかし、人は遅かれ早かれ
いつかは散りゆくもの。
あなたと私の出会いもいつかは散るのです。

桜の花びらが風や雨にさらわれて
舞い散るその儚さと美しさ。

もしかしたら人はそこに
自らの人生を重ねているのかもしれません。
ひらひらと揺れながら、それはいつか、
ほろ酔いの私達の器にも落ちるのでしょう。

【作品紹介】水墨画で七十二候を描く〜桜始開(さくらはじめてひらく)

立春を迎えてから、梅、桃、桜と、
花見の対象になる花は絶えず咲きますが、
実際に一番人が集まるのは
桜の花見ですよね。
賑やかすぎるくらいの飲み会も、
日本の春の定番です。

桜は、他の2つと違い、
その長い花柄にいくつもの花が
密集して咲きます。

まさにその樹の下にシートを敷いて、
笑い合う人達のように。

人に会い、人に望み、
人に頼り、人と別れる。

舞い散る桜の寂しさと、
人の出会いと別れが、
どうにも私にはリンクしているような
気がしてなりません。

だからああして毎年、
たくさんの人がそこに
集まるのではないのかと、
そんなふうに思えるのです。

ちなみに今回は指で描きました。

絵のサイズ*半紙(F4) – 334mm×243mm
額装サイズ*太子 – 379mm×288mm
色 – 白
マット色 – 淡ピンク

*著作権は八束徹に帰属します。
絵のダウンロードや無断転載はお控えください。

まとめ

今回話したのは、

  • 七十二候・桜始開(さくらはじめてひらく)
  • 水墨画で描いた桜始開(さくらはじめてひらく)

についてでした。

次の七十二候は、
春分末候 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)です。