絵の楽しみ方を教えます〜絵を観るのに大切なことは?

私は他の画家の絵を観る時、

筆使いがうまいとか、
よく丁寧に描いたなとか、
色使いがいいとか
これはこういう技法を
使っているのかなとか、

そういう見方を
極力しないようにしています。

なるだけそういうフィルターは排除して、
胸に、
「すとん」

と来るかどうかを探ります。

そこには作家の何かしらの想いが
詰まっています。

そこに作家の伝えたい想いはあるのか?

描くからには、作家には
何か伝えたいものがあるはずです。
それは、

その絵を介して伝えたい想いがある

のか、
技術に従順に器用に描いたものを、
上手だね、と褒めてもらいたいのか

どちらなのかで、話が変わります。
非常に重要な分岐点です。

やはり作家の伝えたいことが
溢れているのが絵ではないでしょうか。
もちろん、それは人との繋がりと同じで、
作者の思い通りには伝わりませんが。

例えばあなたが足を運んだ展覧会では、
器用に描いて満足しただけの
絵ばかりが集まっている。
それを見ているあなたはもちろん
絵描きではありません。
ジャンルへの知識も曖昧です。

だとしたら、
おもしろいでしょうか?その展覧会。

専門家以外には「技術はただの方法」

技術は作り手がその想いを
伝えるために学ぶもの
です。

誰だって自分が知らないことを知っていたり、
それを実行できる技術を見れば感動します。
ただ、その絵を本当に好きになる理由って
そこじゃないんですよね。

作家も努力して学んできたわけだから、
身につけたその技術を話して
褒めて欲しいのは当然です。
私ももちろん同じです。
その努力をしてきたことそれ自体も、
頑張ったねと言ってほしいものです。

ただそれをのぞめる相手は、
その分野の師匠であり諸先生方であり、
同じように作品作りをする
仲間たちなのです。

家族ですら芸術を間に挟んでは、
距離ができたりするものです。

ですから、純粋にその絵を
楽しみたいあなたに対して、
それを望むのは話が違ってくるわけですね。

望んで良いことは、
絵に真っ直ぐ感動してもらうことです。
込めた想いがあなたに伝わることです。

何か自分に伝えようとしている」と
その絵の前であなたに足を止めてもらうこと。

そこではプロセスや技術の説明は
深くは響かないのです。
それはせいぜい「感動」についてくる
付録みたいなものです。

絵のことなどわかってなくていい

絵を楽しむのに絵のこと(難しい話)など、
わかっていなくていいのです。

音楽を聴くのに、
音楽についてわかっている
必要がないのと同じです。

もしこの記事があなたに
きっかけや心変わりを
与えられたのならば、
本屋さんや図書館やネットで
絵に触れてみてください。

できれば直接個展や展覧会などに出かけて、
直接その目で見てもらえたら
もっと嬉しいです。

そこに大なり小なりの
感動があるかもしれません。

感動というと大げさに
聞こえるかもしれませんが、
心が動くか動かないか、
それだけのことです。
何か小さいことでも
心が動いたら、
それは楽しんでいるということです。

そうしたら、
この絵は何を伝えたいんだろう
そんな風に思うかもしれませんし、
あなたなりの解釈で
その想いを受け止めるかもしれません。

絵も力を持っています。
絵はあなたの暮らしに力をくれたり、
変わり映えしない日々を
彩ってくれたりと、
あなたが生きるために役立てる力を
ちゃんと持ち合わせているのです。

いつもイヤホンで聞いている
その歌と同じく、
あなたを楽しませてくれるものです。

まとめ

今回は作家目線から
絵の楽しみ方について話しました。

作家さんも色々な方がいるので
それぞれ考えかたがあると思いますが。

ただ私はやはり、絵も
その他多くのことと同じで
大切なのはテクニックの先にある心、
そして愛だと信じています


あなたがその絵における作家の想いを受け、
それをあなたの人生のストーリーと
絡めることで、
その絵はさらに命の火を燃やします。

この世にただひとつの
あなただけの絵となるのです。

そうしたらあなたはその絵を
手元に置きたくなるでしょう。
ともに生きたくなるでしょう。

あなたがそんな素晴らしい作品に
出会えることを
私は願っています。