筆や和紙はダイソーでいい?|水墨画初心者向け|水墨画に100円ショップの道具は使えるのか

はじめまして。
水墨画アーティストの八束徹です。

100円ショップで道具を手軽に買えるのは
とても便利
ですよね。

もちろんそれでも絵は描けますし、
私も便利なのはありがたいですが、
和紙を含めダイソー等の100円ショップで
売っているような道具は
水墨画本来の表現を楽しむには
まだまだ足りない
ようです。

せっかくならちゃんとしたものが
描きたいですよね。

この記事では、
水墨画を描くために大切な道具、
実際の描き比べ、
代用しても問題のない各道具、
さらになぜ、絵の道具は
100均で揃えてもいいという人が
いるのかについても
話していきます。

水墨画は100円ショップの道具で描けるの?

描けないことはないです。

そもそも水墨画とは、墨と水を使い、
濃い墨だけではなく薄い墨を作り、
和紙へのにじみやぼかし、
かすれなどを利用しながら描いていく絵
です。

ざっくり言うとですけど。

なので、100均の筆だろうと
墨だろうと和紙だろうと、
その効果が期待できれば
水墨画を描くのは可能です。

100均のものでもそれっぽくはなります。

なので、とりあえず、

水墨画ってどんな感じだろう?

と探ってみるにはいいかもしれません。

が、

やはり仕上がりは安っぽいです。

その違いが、初心者の方には
まだわからないんです。
それしか知らない状況で、
経験者に100均のものでいいと言われたら、
そうなんだと思ってしまいませんか?


そしてそれがそのままになってしまうと、
せっかくあなたが水墨画に
興味を持ってくれたのに、
その素晴らしさを
ちゃんと知らずに終わるという
寂しい結果を招いて
しまうのです。

大事なのは文房四宝と呼ばれる4つの道具

筆、墨、硯、和紙の4つの道具は、
水墨画にとっても重要な道具です。

水墨画発祥の地・中国では
文房四宝と呼ばれて大切にされてきました。

100円ショップで売っているものは、
言い方が悪いかもしれませんが、

それの偽物・おもちゃみたいなものです。

実際に描き比べてみました

百聞は一見にしかず。

描き比べてみました。

1枚目が100円ショップの墨汁と
100円ショップの和紙


2枚目が私がいま使っている松煙墨と、
画材屋さんの和紙

どちらも同じように淡墨を作り、
同じような模様を描いてみました。

1枚目はにじみ方も雑で、
後から重ねた淡墨に
埋もれてしまっています。
さらに、しわになり過ぎです。

2枚目は綺麗に墨がにじみ、
存在感があり
ますね。

これだけ違ってきます。

簡単に描いただけでも、
これだけの差が出るのです。

100円ショップで代用できる道具

逆に100円ショップの商品でも
道具として代用できるものがあります
ので、
紹介していきますね。

節約できるものは節約していきましょう。

小皿

淡墨を作る際に使います。
小皿は100均のでも大丈夫です。

注意的は、

・淡墨の状態を確認しやすくするために、
白い皿を使うこと
・底がギザギザになっているものは、
筆が当たるので底が平たいものを選ぶこと
・筆の大きさも考えて、
小さいものと大きいものを揃えること

です。

大きさについては、
筆を寝かせても足りるかどうかです。

私は今でも100均で小皿を買っています。

筆拭き

筆に含んだ墨を拭き取ったり、
筆の墨の量を調整する場合に使います。

筆拭きに使う道具は、
白い布やティッシュなど。
まあ、ティッシュは薬局でまとめて
買ったほうが安い
ですね。

筆洗い

筆を水で洗ったり、
薄墨を作る際などに使います。

カップで大丈夫ですが、
これも水の汚れ具合がわからなくなるので、
黒は避けましょう。

ただ、筆洗いも、それらしいものを
買ったほうが気分が出ます。

その辺は、自由です。

文鎮

紙をおさえるためのもの。

これは私はほとんど使いませんが、
まあ、重しになれば充分です。

デザインが凝った高価なものは不要です。
あれはコレクターのためのものです。

その他

下敷きや、小皿を洗う柔らかいスポンジ、
描いた絵をしまっておく入れ物など。
100均で間に合わせられるものは
他にもあります。 

水墨画を始めるための道具はこちら
水墨画初心者の方へ〜最初に揃えるべき道具

100円ショップのものをすすめる人が多い理由


さて。

「道具は100均のもので大丈夫」
そう教える先生方、経験者の方が
そこそこいらっしゃい
ます。

水墨画を勧めたい、
もしくは商売的な理由など
人によっていろんな意図が
あるとは思います。

そのひとつとして、
水墨画は残念ながら、
絵の中ではマイナーなジャンルです。
というか、今の時代ではマイナーに
なってしまったというか。

おじいちゃんおばあちゃんが
やっているような
古い渋いイメージが強いんですよね。

本当はとても魅力的な「水墨画」
もっと多くの世代に広め、
楽しんでもらうために、

「手軽に100円ショップでも
筆や和紙が買えますから、
まずそこからでも簡単に
始めてみたらいかがでしょうか」

「初めからちゃんとしたものを
揃えるというわけではなく、
まずは100均のものや、
学童用の習字セットなどで描いてみて、
水墨画のおもしろさを少しでも
知ってもらいたい」

というような、画家側からの願いが
そこにある
のだと思います。

私もその気持ちはよく分かるのですが、
やはり文房四宝くらいは、
それなりの道具を揃えることを
おすすめ
します。

まとめ

今回話したのは、

  • 水墨画は100円ショップの道具で描けるの?
  • 大事なのは文房四宝と呼ばれる4つの道具
  • 100円ショップで代用できる道具
  • 100円ショップのものを勧める人が多い理由

についてでした。

私は水墨画ほど美しく、幅広く、
カッコいい表現方法はない
と思っていますし、
それをあなたに伝えたい気持ちは同じです。

「最初は100円ショップで道具を買った」

その選択だったとしても
水墨画への取っ掛かりを持ってもらえたら
嬉しいのも同じです。

ただ水墨画を本当の意味で
楽しんでもらうためには、
今日話した内容からもわかる通り、
やはり最終的には、

文房四宝の4つ〜筆、墨、硯、和紙だけでも、
画材屋さんで揃えてほしい
と私は考えています。

それは、あなたが水墨画をやってみたいなと
思ってくれたのならば、なおさら
なのです。