【無念】閉館日の美術館と真鶴岬を寂しく走った日|舞鶴半島(神奈川県)

今回のツーリング先は
神奈川県の真鶴半島。

旅の目的は、馴染みの店で働く
「お母さん」がかかわっていたという画家、
中川一政先生の美術館です。

残念ながらすでに亡くなっていますが、
お母さんにその話を聞くたびに、
一度行ってみようと思っていました。

カーテンを開けたら、曇り空。
風はなし。
夏がいたずらをするように
どこかへ隠れた9月某日。

ライディングに快適な天候でした。

通り過ぎた雨と夏の終わり

朝7時に出発。

世間はちょうど出勤時間帯でしたが、
南へ降るのにさほどの混雑もなく、
すり抜ける必要もその気もなく、
のんびりと走る。
粋がって飛ばす必要はありませんし。

車線を変えたがっている私を察して、
大型のトラックが道をゆずってくれました。

インナープロテクターの上にはカーディガン。
数日前までの灼熱は嘘のような快適なライディング。

途中、ブレーキランプが片方切れた
焼き芋屋のトラックの後ろにつく。
焼き芋には気が早い気がしたけれど、
悪くないと思えるほどの肌寒さを感じながら、
海が広がる134号線へ。
灰色の空にくすんだ早朝の静かな海。
ポツリポツリとサーファーが浜辺に漂う。

それを横目に黙々と走る。
孤独に走る。

波に打ち付けられた岩の佇まいは
いつ見ても荘厳です。

西湖バイパスを経て、真鶴駅へ。
真鶴ブルーラインには乗らずに、真鶴駅へ。

曇り空にたたずむ真鶴半島

真鶴半島へ

駅前を折れて、真鶴半島へ。
美術館は山の上にあるらしく、峠道が続きます。

平日ということで車もほとんどなく、
こういう時はだいたい、油断した対向車が
車線を大きくオーバーしながら
曲がってくるので危ないですね。

運転手は知らん顔ですれ違っていくだけ。

森を抜けるように走り続けて、美術館へ到着。
木漏れ日がさす、ジブリの世界のような
森の中に建っていました。

中川一政美術館

入り口へ向かう途中、
ふっと妙な予感がしたと思ったら、

なんと臨時休業中。

ちゃんと事前に調べないとこうなります。
ああ無情。

グラスを傾けながらお母さんの思い出話を聞くたびに、
その人柄に魅力を感じていたし、
洋画だけでなく、書や水墨画も描かれている先生なので、
ぜひ一度生の作品を観たかった。

今はまだそのタイミングではなかったのかもしれない。
そう言い聞かせながら、
また折を見て尋ねようと美術館を後にしました。

真鶴半島内を周回〜真鶴岬へ

ナビを見ずに走っていたら
また駅前に戻ってきてしまったので、
Uターンして半島内へ。

車やバイクなどがあればそんなに広くもないです。

手前には民家も多く、
海側に出れば港には漁船が停泊し、
道沿いには土産物屋、海鮮料理店が並ぶ。

まだ時間が早かったからか、
シャッターが閉まったままの店も多く、
いい感じで古くて、昭和の名残が随所に見えます。

まだ昼前で立ち寄らなかったけれど、
今度美術館に再訪する時には、
食事や買い物に、ぜひ行ってみたいです。


先端の真鶴岬へは、再び森の峠道を抜けていきます。
ケープ真鶴という施設があるのですが、
ここもまだ営業時間前。

駐車場も1000円と観光地価格でしたし、
美術館がやっていれば開館までの間に
散策するのも良かったのですが、
色々タイミングが悪いので、
海岸へ降りるのも全部次回にしようと決めて、
また山をくだり、真鶴を後にしました。

旅の報告と次の約束

帰る途中にどこかの海沿いの食堂で
昼食を取ろうと思いましたが、
立ち寄った店も開店20分前。

土産を物色しながら待つ気にも
ぼんやり対岸の海を眺める気にもならず、
あきらめて結局そのまま帰ってきました。

早く来過ぎただけって話もありますが、
それでも噛み合う時は噛み合います。

こういう旅になることもありますね。
ずれたタイミングは、それはそれです。

自宅に到着したのは13時前。
潮風にさらされた愛車を拭き上げて、
午後は夕方まで絵を描いてから、
店に今日の旅の報告をしてきました。

臨時閉館中だったよと。また行ってくるよと。
笑い話を肴に、焼酎ロック。

旅の疲れを癒した夜でした。