【孤独の歌】自作の歌詞とその背景を綴る第2話〜氷と踊る

ひたすら屈折していった高校時代〜嫌われ者の誕生

他の、それぞれ青春を謳歌していたであろう
同級生達と同じように、
この高校生活の3年間が、私の半分を作り上げました。

学校内では、なにひとつ面白いことなどありませんでした。

誰のせいとかではなく、まずそもそも自分自身が、
同世代の連中が学生生活に夢見るよくあるアレコレに、
覚めてしまっていました。
かと言って、その世代特有の幼さは
しっかり持ち合わせているわけですから、
要はめんどくさい奴だったのです。

その年頃の子供らしく
素直に喜び素直に笑うことが、
私には出来なくなっていました。

そんな奴が、周囲から
良く思われるわけがありませんよね。
まあ、こうなるだろうなと、
予想はついていましたけれど。

学生生活における、

クラス一丸となってとか、
みんな仲良く助け合ってとか、

そういったごく一般的な考え方は、
ひとり、もしくは少数でいたい側からは
ただの押し付けでしかありませんでした。

やりたい奴らはやりたいことをやっているのに、
やりたくない側はやりたくないことを強要される。
そんな同級生も、それを正義とする教師も、
私からしたらすべて敵でした。

しかし、多数決ですでに敗者なのです。
それがこの世の中です。

もし私が自殺でもすれば、
学校はクラスメイトを責め、
私がふてぶてしくいれば、
私を責めるのです。
起きていることは同じなのに。

こいつらに言ってもわからない

それを理解しあえる友人と、
そんな私をおかしいと笑わなかった友人がいたことが、
唯一の救いでした。

教室は牢獄のようでした。
私は、自分の意思を押し通すには弱々しく、
ひたすらに耐え忍んでいました。

へらへら笑うのは、当然、
楽しいからではありませんでした。

やがて私は自分を守るために、
嫌われ者であることを受け入れるようになります。
それは正しい状態なのだと。
馬鹿にする連中がすべて間違っていて、
あいつらが悪なのだと。
私はこれを貫き通して
この死海に浮かんでいるような
3年間を生き抜くのだと。

そしてやがてその状態が
居心地良くなり始めました。
周りから浮いていることに、
心のどこかで安心するようになったのです。
その安心は、寂しさの裏側にあったのか
表側にあったのか。

嫌われ者というステータスを私は手に入れ、
自分を保ち続けました。

そしてそのステータスは、
高校を卒業して上京した後も
私を支え続けたのです。

氷と踊る

呼んでいる声も 追い払う声も
冬の吹雪の中 風に変わる
媚びて生き長らえ 笑いしがみついて
最後の日が来るのを 待ち焦がれている

あの日見た夢が 本当ならいいが
あの日得たものが 続くならいいが

氷と踊る 明日を夢見る 
想いを叫ぶ 凍えて裂ける

助けてあげたくて 信じてあげたくて
求めて欲しかった 時は流れた
怯えているから 何もしてやれない 
真実も見えてこない 一人は嫌だ

支えられないほどの 悲しみを抱いて
他人の狭い肩に やたら持たれたがる

氷と踊る 明日を夢見る
想いを叫ぶ 凍えて裂ける