水墨画とは?簡単?初心者の方にこそ読んで欲しい7つのこと

水墨画ってなに?
簡単に描けるの?
なにを描けばいいの?
なんか古臭くない?

などなど、

なにもわからない状態では、
その素晴らしさや、
描くことの面白さ楽しさは
見えてきませんよね。

今回の記事は、
水墨画という絵とその固定観念、
水墨画と墨絵の違い、
黒色ならいいのか、逆に色はつけないのか、
簡単に描けるのか、水墨画は古臭くないのか、
について、話していきます。

1.水墨画とはどんな絵のことをいうのか

水墨画とは、墨をすり、
筆や刷毛などを使って描く絵です。

使うのは黒い墨のみですが、
カラー写真をモノクロに変換したようなもの
とは違います。
濃い墨、薄い墨を使いわけ、
にじみ、ぼかし、かすれなどの技法で描き、
紙一面に塗りたくるのではなく、
なるだけ無駄を省き、
余白も絵の一部としてとらえます。

それがやがて絵に深みを持たせ、
見る人にその人なりの色を
想像してもらえるようにもなるものです。

2.水墨画への固定観念〜何を描けばいいのか

水墨画といわれて思いつくような絵、
絵柄があると思います。

掛け軸に飾られた、龍や虎。
霧がかかった山の景色。
だるま。
滝。
雪景色。
電柱などない、古い昔の景色。

先人が切り拓いて来た道を、
私達はあとから続きます。
学ぶということはそういうことです。

ですが、歴史を学ぶことも大事ですが、
ただ盲目に伝統を受け継ぐことは、
芸術ではないはずです。
古いものはもうそこにあるわけですから、
また同じものを増産する必要はありません。

もちろん本当に同じものを
増産することなどできませんが。
今を生きる人間として、
その自分の感性を磨き、
今を表現していくことが
大切だということです。

描くものを限定する必要は
全くありません。

3.水墨画と墨絵の違い

これは皆さん色々考え方があり、
はっきりさせるのは
難しいところなのですが、
私の判断基準としては、

水墨画は、薄い墨と濃い墨を使い分け、
にじみぼかしかすれなどの技で
描いていくもの。

墨絵は、そういうことに拘らず、
墨で描いた絵

です。
墨で描いたから「墨絵」ですね。

なので水墨画も結局は墨絵になります。
海外ではどちらかといえば、
sumieとして知られていますし、
今ではまとめて墨絵と呼ぶ先生方も
いらっしゃいます。

今やはっきりとした分け方は
ないのかもしれません。

私は今説明した分け方にならって、
水墨画と呼んでいるだけです。

4.黒色だけで描けば水墨画なのか

いくら墨を使ったからといっても、
なんでもいいわけではありません。

たとえば、漫画の白黒の絵や
鉛筆デッサンのような仕上がり。

これは水墨画と呼べるものでしょうか。

私は漫画家を尊敬していますし、
どんなジャンルの絵も好きです。
決して見下したりしているわけでは
ありません。
むしろその逆です。

絵の良し悪しはもちろん
ジャンルどうこうではないです。
ですが、それとそのジャンルの
絵を描くことは別の話です。
水墨画をやるならば、
水墨画にしかできない、
水墨画だからこそ表現できるやり方で
描くべきだということです。

白黒で描いたものをすべて
墨絵と言ってしまうなら、
逆に漫画も鉛筆画もみな
水墨画になってしまいます。

漫画原稿を見て、それを描いた漫画家さんに、

「素敵な水墨画ですね」
と言うのと同じことなのです。

5.水墨画には色はつけるのか

顔彩という絵具があります。

水墨画にも顔彩を使うものもありますが、
ワンポイントで何か色を足すような感じです。

私は、これは色をつけないと
わかりづらいなというものに
色をつけることがありますが、
それを理由に着色をするのは
まだ未熟な証拠だと思っています。

逆にその着色が
良い出来になる場合もあるので
一概には言えないのですが。

はじめから色ありきのものは
墨彩画といって、
また違う趣をなすものです。

いずれにせよ、
水墨画の持つ侘び寂びといったものが
薄れてしまうのは、
避けられない事実です。

6.水墨画は簡単に描けるのか

簡単です。
誰にでも描けます。

この言葉の裏にはすべて、

努力をすれば

が隠れています。

他のジャンルの絵と比べて、
黒しか使わないから簡単だとか、
いい加減なことを言うつもりはありません。

しかし、その努力を重ね
技法を学び、
それなりの形のものが
出来上がった時の喜びは、
なにものにも変えがたいものです。

私ももちろんそうでした。

故郷の家族に見て見て!
と写真を送ったものです。

あなたがそうやって私と同じように
水墨画の楽しさ素晴らしさを知り、
水墨画を好きになってくれることを
願っています。

7.水墨画は古臭いものなのか

水墨画は中国で生まれ、
禅画として、主に禅宗の僧侶によって
日本に広がりました。

有名な禅僧といえばやはり、
雪舟です。
彼が日本の水墨画の基盤を作ったといっても
過言ではありません。

現代では僧侶だけではなく、
多くの人が立場に関係なく
水墨画をたしなんでいて、
そこに描かれる絵には、
そんな人々の
日々の暮らしの情緒が溢れています。

今やアジアに限らず、
水墨画を学ぶ方は
世界中にいます。

SNSで世界中と繋がれるようになった今、
海の向こうにも、多くの水墨画を
学ぶ人を知ることができます。
インスタグラムにアップされる
彼らの絵を見るだけでも
とても刺激になります。

その国なりの良さが
枠を超えて生まれているのです。

やはり水墨画というと、どうしても、

古い「和」の世界

そんなイメージが強いと思います。
そうあるべきだという作家さんもいるでしょう。
特に知識もなく、展覧会に行くと、
閉塞感を感じる場合も
あるかもしれません。

本来ならば何を描いてもいいのです。

古い価値観を壊した人が
やがて時が経つと、また古い価値観になる。
その繰り返しなだけです。

私達は、過去にこだわらず、
歴史にとらわれず、
今の時代、今の暮らしを、
筆を取り、
描けば良いのです。

まとめ

今回は話したのは、

  • 水墨画という絵
  • 水墨画という絵に対する固定観念
  • 水墨画と墨絵の違い
  • 水墨画は黒色ならいいのか
  • 水墨画は色はつけないのか
  • 水墨画は簡単に描けるのか
  • 水墨画は古臭くないのか

についてでした。

私も最初はなんの知識もないところから
始めました。
それは誰でも同じです。
一から学び、少しずつ成長して来ました。
ひとつ描けるようになるたび、
ひとつその技を覚えるたび、
水墨画を描く喜びを知り、
楽しさを知りました。

そして今でもまだまだ成長中ですし、
それは人生最後の瞬間まで
続くと思います。

それと同じように、
少しでもこの水墨画の良さが、
これを読んでくれたあなたにも
伝わることを心から願っています。


私の成長の証は、
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