冬越しの準備を始める虫達。虫も冬眠するの?七十二候・蟄虫坏戸 (むしかくれてとをふさぐ)

こんにちは。
水墨画アーティストの八束徹です。

寒い冬の間、見なくなる虫達は
一体どこでどうしているのでしょう。
実はちゃんと寒さをしのいで
生き延びる虫もいるのです。

9月28日から10月2日頃の七十二候は、
秋分次候 蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)です。
二十四節気では、秋分(しゅうぶん)
その秋分を3つに分けたうちの 2番目(次候)です。

この記事では、その蟄虫坏戸、
そして今回描いた水墨画、
について話していきます。

冬越しの準備を始める虫達。虫も冬眠するの?〜蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)

冬眠と冬越しは違う?冬越しをする虫達

蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)とは、
虫が土の中に掘った穴をふさぐという意味です。

秋も本番に近づき、
朝晩が本格的に冷えてくるこの頃。
いつのまにか鈴虫の鳴き声が
聞こえなくなりましたね。

春の七十二候、蟄虫啓戸
(すごもりむしとをひらく)で、
冬越しをする虫達が戸を開いてから約半年。
地上での暑い夏の生活を経て、
彼らは再び土にもぐる準備を始めます。

土の中に卵を生むセミやバッタなどは
「隠れて戸を塞ぐ」という感じではないので、
ここでは成虫のまま冬越しをする
虫達について話していきます。

冬越しというと、冬眠?
と考えてしまいますが、
虫達は冬の間も起きているので、
冬眠とはいいません。

成虫になって冬越しをする虫は、
アリや、ハチなど。
あとはカメムシなんかもそうです。

彼らが冬越しする場所は
土の中だけとは限らず、
人間の生活圏にも関わっていて、
たとえばこの時期カメムシが、
部屋に入ってくる理由は
あたたかい家で冬越ししようと
するからです。

ハチも同様に軒下に隠れたり、
外干しの洗濯物にまぎれて
暖を取ったりするので、
注意が必要です。

虫は至るところにいるものです。
人が見えないように遠ざけているだけで。

虫が土の中へ潜るのはなぜ?

それではなぜ彼らは
土の中に潜るのでしょうか。

冬眠をする動物は、
恒温動物と呼ばれ、
体温の調節が可能です。
体温を下げ機能を停止させて
眠り続けることができます。

しかし、巣ごもりする虫達は、
外気に合わせて体温が変わります。
気温が下がると体温も下がり、
活動ができなくなってしまう
のです。

外気は1日で10℃以上変わりますが、
土の中の温度は変化が少ないため、
過ごしやすい土の中に潜り、
寒い冬をやり過ごすのです。

冬の間、彼らは、
土の中や枯葉の下、木の穴などで、
じっと寒さに耐えています。
そうすることだけが、
彼らが生き延びる唯一の方法なのです。

知恵を持ち、暖かい場所で
冬を笑いながら過ごせる私達には、
考えられませんね。

きっとそんな小さな命を思いながら、
この七十二候・蟄虫坏戸は
作られたのでしょう。

私達も少しずつ、冬の暮らしのことを
考えていく時期です。

暦はもう10月。

季節は誰のことも待ってはくれません。

七十二候を水墨画で描く〜蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)

ハチの冬越しは
その種類によって違ってきます。

ミツバチは女王蜂と働き蜂が
身を寄せ合い、互いの体温をあげて
冬の寒さをやり過ごします。
それに対してアシナガバチやスズメバチは、
女王蜂以外はその寒さに負けて
死んでしまいます。

今回はそのスズメバチが
秋のコスモスにとまろうとしている
姿を描きました。

もうすぐ失う命で、最後まで
女王蜂のために必死で働く姿です。

守る方にも守られる方にも、
それぞれの寂しさが漂います。

まとめ

今回話したのは、

  • 七十二候・蟄虫坏戸
  • 水墨画で描いた「蟄虫坏戸」

についてでした。

次の七十二候は、
秋分末候 水始涸(みずはじめてかる)です。

稲刈りの時期に田んぼの水が枯れる?七十二候・水始涸(みずはじめてかる)