バイクで漂うソロツーリング・絵描き旅〜多摩川(川崎側)

東京と神奈川の県境を流れる多摩川。

今回はそんな多摩川へ
水墨画スケッチに出かけました。

大田区に住んでいた頃には、
休みの日によく行っていた場所です。
ジョギングで走ったこともあれば、
土手に座ってビールを呑んだり。
恋人と歩いたり。

多摩川にはいろんな思い入れがあるのです。

天候は晴れ。
風速6m/s。
小春日和のAM11時前。

のんびりと出発です。

橋を渡ったらそこは神奈川県

途中コンビニに寄ったりしながら、
昼前には東京に到着。
交通の流れも悪くありません。

まずは最初の目的の美容室をすませて、
多摩川へ向かいます。

多摩川は、東京と神奈川県を二つに割って流れています。
私が以前住んでいたのは東京都大田区なので、
当時行っていたのはもちろん、東京側の土手。

川の向こうには川崎市に建つビルやマンション。

そのかわべの小さな公園や遊歩道が好きで、
天気のいい日はそこでひとりビール片手に、
家族連れや、はしゃぐ子供達や、
ジョギングする人達をボーっと眺めていたり、
ベンチで絵を描いたり、
恋人と散歩して歩いたり。

今回もそこで描くつもりでした。

それを間違えて、
橋を渡ってしまったんですよね。
ガス橋を。

橋を渡ってしまえばそこは、
神奈川県川崎市です。

吹き付ける秋風と断念

渋滞した橋の上では、強まってきた秋風が
停車している私を揺らしました。

再び東京に戻るべく、
橋を渡ってすぐに左折しましたが、
風の強さも気になって、
やはりそのまま帰ることにしました。

懐かしい場所を、
思い出に浸って描いてしまうより
良かったのかもしれないと。

描き手の個人的なセンチメンタルが強い作品は、
あまり良くないですからね。

押し付けがましくなるだけですから。
そのセンチメンタルは、
その人にしかわからないものなのに。

川はずっと続いている

15号線に出るために
多摩沿線道路から府中街道へ合流。

まだ時間があるので遠回りして帰ろうと思い、
15号線を横切った先で、
右折待ちの渋滞ができていました。
ひとつ手前の青信号を進めないくらいに。

急ぎの用事なら道を変えず待ちますが、
そこは勝手気ままな、孤独なライディング。
適当に車線を変えて左折しました。

そして踏切を越えたら、
そこには私の知らない川崎側の
多摩川土手が広がっていたのです。

川はさらに先まで続いています。

見渡すとそこは大きなマンションの並ぶ区域で、
人も車もまばら。
おだやかな空気が漂う場所でした。

導かれたような気分です。

もちろん、帰宅は取りやめて停車。
荷物を下ろして、スケッチ開始です。

いざスケッチ開始

土手に座り込み、
そびえる多摩川六郷橋を眺めます。
その奥には京急線と東海道線。

眺めながら、どこを切り取るか、
どう描いていくか、

どういう構図にするかを考えていきます。

そして一枚目で完成。

というのが理想なんですけどね。

目を閉じてもそれがわかるくらい、
「見る」ことが大事です。

それとは別に風が強かったので、
バインダーで上部を押さえているだけでは、
紙がめくれまくりでした。

時折風が止む瞬間を心をしずめて待つ。

そういうものを試されているのかもしれないと、
はやる気持ちをなだめます。

苛立つと作品に出ますから。

怒りも表現のひとつですが、
こういう種類の怒りは役に立ちません。

とりあえずは、クリップを
数個常備しておこうと思った次第です。

秋の川面ににじむ夕暮れ

水墨画として映える描き方をつかみきれず、
何度も描き直しました。

持参した和紙が最後の一枚になると同時に
多摩川は夕焼けで赤く染まっていました。

結局、描き上げられず。

諦めて荷物を片付けている間に、
川辺はあっという間に暗くなりました。

昼とはうって変わって街は冷え込み、
なるだけスピードを出さずに走りました。
休日の国道の流れの悪さがありがたいような、
やっぱり早く帰りたいような帰り道。

小春日和も一瞬で終わり、
世間は冬支度に近づいてきています。

ライディングも冬に備えて、
また新しい場所へスケッチに向かいます。


この日、逆側から見た多摩川の夕焼けも
その美しさに変わりはありませんでした。
今なら大田区側からの風景も、
センチにならずに描けるような気がします。

帰宅後に改めて描いたもの