水墨画初心者の筆の選び方

筆なんてなんでもいいんです。

と言いたいところですが、
筆には色々あります。

道具は出会いや縁次第でもあり、
慣れてしまえばそれが一番
ということにもなります。
だからこそ、100円均一の筆や、
学校指定の習字道具にありがちな
化学繊維の筆は避けなければなりません。

私の筆の紹介から、筆の種類、何本揃えるべきか、
そして金額の目安、
100円ショップや学校の書道具の話から、
手入れの大切さまで

そのあたりを話していきます。

水墨画初心者の筆の選び方〜私が使っている筆について

私が初めて買った筆は長流というものです。

長流は付立筆といって、穂先が長く、墨の含みも良く、
水墨画の技法のほとんどに対応できる万能な画筆です。

長流は、筆に使われているそれぞれの動物の硬い毛と柔らかい毛を
バランスを考えて混ぜて作ってあるので、とても使いやすいのです。
硬い毛が中心にあり、周りに柔らかい毛といった感じです。

ちなみに硬い毛で作ってある腰の強い筆を剛毛筆(ごうもうひつ)、
柔らかい毛で作ってある柔らかい筆を柔毛筆(じゅうもうひつ)、
それをバランスよく混ぜたものを、兼毛筆(けんもうひつ) といいます。

長流ももちろん、兼毛筆です。

水墨画初心者の筆の選び方〜筆の種類について

他に水墨画で使うものでは、
面相筆、隈取筆、刷毛、連筆など色々あります。

他にもスポンジや割り箸、酒瓶など 多種多様ですが、
まずは基本の付立筆から始めましょう。

どれも自分の絵の表現に応じて、
使ったり使わなかったりです。
必ず全てが必要なわけではありません。

ちなみに私は今でもほとんどの絵を
先ほど話した長流だけで描いています。
あまりちまちまと道具を分けて描くと
水墨画の勢いが弱くなる気がするからです。


ただこれはあなたがどういう絵を
描いていくかによって違ってきます。
人それぞれだということです。

水墨画初心者の筆の選び方〜どれを何本揃えればいいのか

初めに揃えるのは付立筆の太い筆と細い筆。
これさえあればまずは充分です。

初めから筆ばかり揃えても
使わなければ宝の持ち腐れですから、
慌ててあれもこれも揃える必要はありません。

まずそれで学び描き続けるうちに、
いずれ、自分の絵の表現の仕方を見つけ出します。
それに応じて、足していけばいいだけです。

その段階になる頃には 知識も増えているでしょうし、
自分が自分の絵に何を求めているかを理解して、
今のように筆について悩むことも
なくなっているはずです。

水墨画初心者の筆の選び方〜値段はいくらくらいのものがいいのか

初めから高価なものは必要ありません。

私が今使っているものは、長流も含め、
金額的には、1000〜5000円くらいのものばかりです。
とはいえ、それでも安くはないですよね。

ですが、あまり安いものを使って
水墨画の運筆の感覚がつかめなくては意味がないので、
だいたいこのくらいのものは揃えたほうがいいです。

鍵をかけたショーケースにしまってあるようなものでなければ、
だいたいこのくらいの値段です。

水墨画初心者の筆の選び方〜100均のものや習字の授業で使った筆でもいいのか

これはおすすめしません。

100均の筆は、バサバサしていて、
穂先も整わず、墨もたいして含みません。
条件を一切満たしません。
学校指定の習字セットの筆は化学繊維でできている筆が多いので、
その場合も同じです。
(ちゃんした動物の毛で作られた筆ならば
書で使用していたものでも問題ありません。)

ただ墨で落書きをするだけ

ならば充分ですが、

あんなふうに水墨画で風景を描きたい
あんなふうに水墨画で虎や龍を描きたい

そんな夢を見てこれから頑張って覚えていくのならば、
やめたほうがいいです。

それでも、まずは安物で、ということならば
無理にやめましょうとは言いませんが、
それに慣れてしまって、
これでいいや
とは思わないようにしてください。

100均の筆や化学繊維の筆で上手い絵を描く人もいますが、
水墨画自体の幅は広がりません。

「上手い絵」ならば描けるでしょうが、
それなら鉛筆で描いてもペンで描いても同じ
ということになってしまいます。

それにどのみち、描いていけば
もう少しまともな筆が欲しくなるはずです。

黒い色で描いた絵は描けても、
思い描いていた水墨画とは違うものになりますから。

これじゃないな

となるはずです。
そうなると100円とはいえ、お金の無駄です。

水墨画初心者の筆の選び方〜手入れの大切さ

使ったら毎回ちゃんと洗います。

墨を落とすのは面倒かもしれませんが、
丁寧に優しく洗ってあげてください。

なによりも自分の筆を、
愛情を持って扱うことが大事です。
道具に対して愛のない人が、
いくら技術を学んでも良い絵など描けません。
どんな高価な筆を手に入れても意味がありません。

ポジティブだろうとネガティブだろうと、
様々な形で人は愛を持ち合わせています。

道具を大事にできない人は、どの分野でも
作品を通してその想いを人に伝えることは
できないと思います。

このこだわりは、持ち続けなくてはなりません。

水墨画初心者の筆の選び方〜まとめ

今回話したことは、

  • 私の筆の紹介
  • 筆の種類について
  • 何本揃えるべきか
  • 金額の目安
  • 100円ショップや学校の書道具について
  • 手入れの大切さ

になります。

筆以外のものでデッサン力をつけて、
それから筆を持とうという考えの人がいますが、
最初から筆で描きましょう。
筆に慣れることが大事です。
筆もそんな簡単に仲良くはしてくれません。

同じ水墨画といっても、
描く人によって違います。
それが個性というものです。
その個性を活かし、自分の絵を引き立たせるには
この道具でなければ。
この筆でなければという答え。

それがなんなのかを、
技法を学びながら描き続け、
悩み考え、探し、
楽しみながら、
筆を選んでいきましょう。

私もまた新たな筆との出会いがあるかもしれません。
それも楽しみにしながら、描き続けています。

筆とは長く付き合いたいもの。

あなたが良い筆に出会えることを願っています。